情報システム工学実験実習Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 情報システム工学実験実習Ⅱ
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 総合理工学科(情報システム系) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 教科書:別途配布する。 参考書:テーマ毎に別途指示する。
担当教員 宮下 卓也,菊地 洋右,松島 由紀子,畑 良知,森 理也

到達目標

学習目的:専門ならびに関連分野の基礎知識を理解した上で実験を行うことによって,総合応用能力を育成することを目的とする。

到達目標
◎1情報や工学についての基礎的原理を,実験を通じて理解できる。
◎2実験手法,手順,データ処理について理解する。実験装置類の取り扱いに慣れ,安全に実行できる。実験データの分析,誤差解析,有効桁数の評価,整理・考察の進め方を理解し,実践できる。
◎3実験結果の妥当性評価や考察について論理的な説明ができる。実験レポートの作成方法を理解し,実践できる。

ルーブリック

不可
評価項目1情報や工学についての基礎的原理を,他者に説明し,納得させることができる。軽微なミスが見られるものの,情報や工学についての基礎的原理を,他者に説明することができる。情報や工学についての基礎的原理を,実験を通じて理解できる。左記に達していない。
評価項目2自分だけでなく他者に対して実験手法,手順、データ処理についてのアドバイスをしたり,実験実施を先導したりすることができる。軽微なミスが見られるもの,他者が納得できるような内容で実験結果をまとめることができる。実験手法,手順,データ処理について理解する。実験装置類の取り扱いに慣れ,安全に実行できる。実験データの分析,誤差解析,有効桁数の評価,整理・考察の進め方を理解し,実践できる。左記に達していない。
評価項目3他者の模範となる実験レポートを作成できる。実験結果の妥当性評価や考察について論理的な説明ができる。実験レポートの作成方法を理解し,実践できる。少なくとも,指導書の指示に沿って,実験結果や考察を記した実験レポートを作成できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:実験・実習他

基礎となる学問分野:情報学/情報科学、情報工学およびその関連分野/ソフトウェア関連,工学/電気電子工学およびその関連分野/電子デバイスおよび電子機器関連

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習教育目標「③基盤となる専門性の深化」及び「⑥課題探求・解決能力の育成」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-3:実験・実習をとおして,技術に関する基礎知識の理解を深めるとともに,関連した技能や手法を修得し,説明できること」であるが,付随的に「D-2」にも関与する。本科目は,大学相当の内容を含む科目で,技術者教育プログラムの履修認定に関係する。

授業の概要:理論的背景や専門的な知識を必要とする内容を実施する。その内容は多岐にわたっており,実験内容を理解し考察する能力が必要とされる。

授業の進め方・方法:
授業の方法:実験はクラスを3グループに分け,各グループが3つの実験室を4週毎に巡回して実施する。学生は各実験室に設定された実験テーマについての演習と課題を実施し,実験報告書の提出を課す。実験報告書の提出は原則実験実施週の翌週とする。以下に第1グループによる授業計画の例を示す。

成績評価方法:原則として全ての実験を行って期日までに報告書を提出していることが必須条件であり,その上で前期(50%),後期(50%)で,各テーマ同等に評価する。評価は,実験報告書をもとに行う。

注意点:
履修上の注意:本科目は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の5分の1以下)および単位修得が必須である。

履修のアドバイス:
• 事前に行う準備学習としてあらかじめ実験テキストを読み,実験内容や手順を把握しておくこと。
• 実験報告書は原則として実験の次回実施日までに提出すること。
• 実験報告書に不備があれば,再提出の処置となることがある。
• 欠課した場合は速やかに担当教員に連絡し,指示を仰ぐこと。

基礎科目:総合理工実験実習(1年),情報システム工学実験実習Ⅰ(2),電気電子回路(2),ディジタル基礎(2)など

関連科目:情報システム工学実験(4年),卒業研究(5),ディジタル工学(3),ディジタル応用 (3),回路システム (4)など

受講上のアドバイス:1,2年次に行った実験と異なり,時間のかかる実験が多くなっている。実験を効率よく進めるために,あらかじめ実験テキストを熟読し内容を把握しておくこと。また,無用な再実験や報告書の再提出を避けるために,得られた実験データについては実験中に必ず検算など正当性の確認を行うこと。
 なお,遅刻は授業開始から25分までとし,それを越えた場合は欠課とする。また,早退については状況に合わせて担当者が欠課時間数を決定する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 総合ガイダンス(全グループ共通)

授業時間外の学習内容:事前に実験テキストを読み,実験内容や手順を把握しておくこと。また,実験報告書は原則として次回実験開始時までに提出すること。もし実験報告書に不備があれば,担当者の指示に従い再提出を行うこと。
実験・実習に関わる態度:前期実験の到達目標が理解できる
2週 電位降下法・置換法 実験・計測・分析方法:電位降下法・置換法の実験を通して抵抗の測定方法を理解できる
3週 データ処理,レポート作成指導 データ処理、考察・レポート作成:測定データを適切に扱うことができ、適切なレポートの作成ができる
4週 LC共振特性の測定 実験・計測・分析方法:LC共振特性の測定方法を理解できる
5週 交流計器 実験・計測・分析方法:交流計器を適切に扱うことができる
6週 マイクロコンピュータ基礎 (1) プログラミング基礎実習:スロースキャンコンピュータの原理を理解できる
7週 マイクロコンピュータ基礎 (2) プログラミング基礎実習:低レベルプログラミングの基礎を理解できる
8週 (前期中間試験) 実験・計測・分析方法、考察・レポート作成:再実験や報告書修正・提出を行う
2ndQ
9週 マイクロコンピュータ基礎 (3) プログラミング基礎実習:低レベルプログラミングの分岐を理解できる
10週 マイクロコンピュータ基礎 (4) プログラミング基礎実習:低レベルプログラミングでLED制御を行うことができる
11週 プログラミング演習 (1) アプリケーションの設計と製作:プログラミングを用いて問題を解くことができる
12週 プログラミング演習 (2) アプリケーションの設計と製作:プログラミングを用いて問題を解くことができる
13週 プログラミング演習 (3) アプリケーションの設計と製作:プログラミングを用いて問題を解くことができる
14週 プログラミング演習 (4) アプリケーションの設計と製作:プログラミングを用いて問題を解くことができる
15週 (前期末試験) 実験・計測・分析方法、考察・レポート作成:再実験や報告書修正・提出を行う
16週 レポート指導ならびに最終提出,ガイダンス(再実験・報告書提出等) 実験・計測・分析方法、考察・レポート作成:再実験や報告書修正・提出を行う
後期
3rdQ
1週 総合ガイダンス(全グループ共通) 実験・実習に関わる態度:後期実験の到達目標が理解できる
2週 ダイオード・トランジスタの特性 実験・計測・分析方法:ダイオード・トランジスタの特性が理解できる
3週 演算増幅器とアクティブフィルタ 実験・計測・分析方法:演算増幅器とアクティブフィルタの特性が理解できる
4週 順序回路 (1) 論理回路設計実習:順序回路の特性が理解できる
5週 順序回路 (2) 論理回路設計実習:順序回路の特性が理解できる
6週 回路シミュレーション (1) 実験・計測・分析方法:回路シミュレーションを通して、電気回路素子の特性が理解できる
7週 回路シミュレーション (2) 実験・計測・分析方法:回路シミュレーションを通して、電気回路素子の特性が理解できる
8週 (後期中間試験) 実験・計測・分析方法、考察・レポート作成:再実験や報告書修正・提出を行う
4thQ
9週 ネットワーク演習 (1) 開発環境構築実習:サーバセットアップの方法を理解できる
10週 ネットワーク演習 (2) 開発環境構築実習:サーバセットアップの方法を理解できる
11週 マイクロコンピュータ応用 (1) プログラミング基礎実習:Z80プログラミングの基礎を理解できる
12週 マイクロコンピュータ応用 (2) プログラミング基礎実習:Z80プログラミングを使ってステッピングモータを制御できる
13週 マイクロコンピュータ応用 (3) プログラミング基礎実習:Z80プログラミングを使って拡張IOボードを使うことができる
14週 マイクロコンピュータ応用 (4) プログラミング基礎実習:Z80プログラミングを使って拡張IOボードを使うことができる
15週 (前期末試験) 実験・計測・分析方法、考察・レポート作成:再実験や報告書修正・提出を行う
16週 レポート指導ならびに最終提出,ガイダンス 実験・計測・分析方法、考察・レポート作成:再実験や報告書修正・提出を行う

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3前2
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3前2
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3前3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3前3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3前3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3前3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3前3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3前1,後1
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3前1,後1
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3前1,後1
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3前1,後1
専門的能力分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。4前11,前12,前13,前14
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4前11,前12,前13,前14
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。4前11,前12,前13,前14
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。4前11,前12,前13,前14
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。4前11,前12,前13,前14
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。4後4,後5
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。4後4,後5
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。4後4,後5
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。4後9,後10
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。4後9,後10
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。4前11,前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力0000000
分野横断的能力00001000100