学習目的:ディジタル技術の基礎およびマイクロコンピュータの基本的な動作原理や命令を理解し,また,アセンブリ言語についての基本的な考え方を修得する。さらに、メディア情報の代表例として、ディジタル画像の基本的技術について理解する。
到達目標
1.ディジタル技術の基礎について説明できる。
2.マイクロコンピュータの動作原理や命令について説明できる。
3.アセンブリ言語を用いて簡単なプログラムを書くことができる。
4.ディジタル画像の基礎について説明できる。
概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:情報システム・プログラミング・ネットワーク
基礎となる学問分野:情報学/計算基盤/計算機システム
学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科学習・教育目標「③基盤となる専門生の深化」に相当する科目である。
授業の概要:「ディジタル基礎」に続いて,また、「ディジタル工学」と関連しながら,マイクロコンピュータに関連する技術の基本から応用までをより専門的に扱う。前期はCPUの動作原理と命令の関係およびハードウェアとソフトウェアの繋がりについて解説する。後期において,後期中間試験までは,コンピュータの基本要素である論理回路においてブール代数やカルノー図を用いてディジタル回路設計の基礎を確認し,後期中間試験以降はメディア情報の代表例としてディジタル画像の解説及びアセンブリ言語でのプログラム演習を行う。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書またはスライドを中心に,テキストや補助資料を用いて授業を進める。前期中間までは2年生ディジタル基礎で用いた教科書を参考に進める。それ以降はテキストおよび補助資料で進める。また,理解が深まるよう演習や小テスト・レポートを課す。
成績評価方法:4回の定期試験の結果を同等に評価(70%),演習・レポート課題で評価(30%)。
ただし,定期試験については以下とする。
・各試験はノートの持ち込みを許可しない。
・各定期試験の結果が60点未満の人には補習,理解度を確認するための試験により試験結果が60点以上であれば,当該定期試験の結果を60点と読みかえる。
再試験は実施しない。
注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のためには履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。
履修のアドバイス:事前に行う準備学習として,基礎科目となるディジタル基礎の内容を復習しておくこと。また、情報システム工学実験実習Ⅱのマイコン実験と関係が深い講義内容なので,関連して学習するとより理解が深まるはずである。
基礎科目:情報リテラシー(1年),ディジタル基礎(2)など
関連科目:ディジタル工学(3年),コンピュータ概論(3),情報数理(4),数理工学(5),情報理論(5)など
受講上のアドバイス:情報システム工学実験実習Ⅱで実施されるマイコン実験だけでなく他の科目で学習した知識と関連させて学習するよう心掛けること。ディジタル技術検定の内容にも関連する。
遅刻は授業時間(=2コマ)の4分の1(=0.5コマ)刻みで取り扱う。
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,コンピュータの概要〔基本構成〕 |
コンピュータの概要の理解
|
2週 |
コンピュータの基本構成と働きの基本〔プログラムとプロセッサ〕 |
プログラムとプロセッサの基本方式(ノイマン・アーキテクチャ等を説明できる)
|
3週 |
コンピュータの基本構成と働きの基本〔ハードウェア基本構成〕 |
コンピュータの基本構成の理解(ハードウェアの基本構成を説明できる)
|
4週 |
コンピュータの基本構成と働きの基本〔ソフトウェア基本構成他〕 |
コンピュータの基本構成の理解(ソフトウェアの基本構成を説明でき,ハーバード・アーキテクチャを説明できる)
|
5週 |
マイクロプロセッサのハードウェア〔各種バス動作,レジスタ〕 |
マイクロプロセッサのハードウェアの基本構成を説明できる
|
6週 |
マイクロプロセッサのハードウェア〔各種バス動作,レジスタ〕 |
マイクロプロセッサの各種バスを説明できる
|
7週 |
マイクロプロセッサのハードウェア〔各種バス動作,レジスタ〕 |
マイクロプロセッサの各種レジスタを説明できる
|
8週 |
(前期中間試験) |
ここまでの学習内容を確認する
|
2ndQ |
9週 |
前期中間試験の答案返却と試験解説 |
学習が不十分な箇所を確認し,補習する
|
10週 |
マイクロプロセッサのハードウェア〔各種バス動作,レジスタ〕 |
マイクロプロセッサの各種レジスタを詳しく説明できる
|
11週 |
マイクロプロセッサのハードウェア〔各種バス動作,レジスタ〕 |
マイクロプロセッサの各種レジスタを詳しく説明できる(継続)
|
12週 |
マイクロプロセッサのソフトウェア1〔命令セット〕 |
マイクロプロセッサの命令セットに関して理解(命令セットを説明できる)
|
13週 |
マイクロプロセッサのソフトウェア2〔アドレッシング〕 |
マイクロプロセッサのアドレッシングに関して理解(各種アドレッシングを説明できる)
|
14週 |
マイクロプロセッサのソフトウェア3〔アセンブリ言語〕 |
アセンブリ言語の基本を説明できる
|
15週 |
(前期末試験) |
ここまでの学習内容を確認する
|
16週 |
前期末試験の答案返却と試験解説 |
学習が不十分な箇所を確認し,復習する
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス,ディジタル回路の基礎〔2進数など〕 |
ディジタル回路の基礎の確認(メディア情報処理、数の体系の概要を説明できる)
|
2週 |
ディジタル回路の基礎〔2進数など〕 |
ディジタル回路の基礎の確認(数の体系に関してディジタル表現することができる)
|
3週 |
論理回路と論理設計〔ブール代数と論理式〕 |
ブール代数や論理関数の基礎を説明できる
|
4週 |
論理回路と論理設計〔ブール代数と論理式〕 |
論理関数の各種表現ができる
|
5週 |
論理回路と論理設計〔論理式の簡単化〕 |
論理式の簡単化ができる
|
6週 |
論理回路と論理設計〔加算回路〕 |
加算回路を構成することができる(組合わせ論理回路)
|
7週 |
論理回路と論理設計〔記憶回路等〕 |
記憶回路を説明できる(フリップフロップ)
|
8週 |
(後期中間試験) |
ここまでの学習内容を確認する
|
4thQ |
9週 |
後期中間試験の答案返却と試験解説 |
学習が不十分な箇所を確認し,復習する
|
10週 |
マイクロプロセッサのソフトウェア4〔アセンブリ言語〕 |
アセンブリ言語でのプログラム構成の基本を説明できる
|
11週 |
ディジタル画像およびプログラム演習(1) |
ディジタル画像の基本構成を説明できる プログラムの作成演習(1)
|
12週 |
ディジタル画像およびプログラム演習(2) |
ディジタル画像の分類(濃淡画像、カラー画像、2値画像他)を説明できる。 プログラムの作成演習(2)
|
13週 |
ディジタル画像およびプログラム演習(3) |
ディジタル画像の基本処理(濃淡画像処理等)を説明できる。 プログラムの作成演習③
|
14週 |
ディジタル画像およびプログラム演習(4) |
ディジタル画像の基本処理(2値画像処理等)を説明できる。 プログラムの作成演習④
|
15週 |
(後期末試験) |
ここまでの学習内容を確認する
|
16週 |
後期末試験の答案返却と試験解説 |
学習が不十分な箇所を確認し,補習する
|
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | 計算機工学 | 整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。 | 4 | 後1,後2 |
基数が異なる数の間で相互に変換できる。 | 4 | 後1,後2 |
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 4 | 後1,後2 |
小数を2進数、10進数、16進数で表現できる。 | 4 | 後1,後2 |
基本的な論理演算を行うことができる。 | 4 | 後3 |
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。 | 4 | 後3,後4,後5 |
論理式の簡単化の概念を説明できる。 | 4 | 後5 |
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。 | 4 | 後5,後6 |
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。 | 3 | 後4,後5,後6 |
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。 | 3 | 後6,後7 |
組合せ論理回路を設計することができる。 | 3 | 後6,後7 |
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。 | 2 | 後7 |
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7 |
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。 | 3 | 前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前10,前11 |
情報数学・情報理論 | 集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。 | 4 | |
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。 | 4 | |
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。 | 4 | 後3,後4 |
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。 | 4 | 後3,後4,後5,後6,後7 |
その他の学習内容 | メディア情報の主要な表現形式や処理技法について説明できる。 | 4 | 後11,後12,後13,後14 |
ディジタル信号とアナログ信号の特性について説明できる。 | 4 | 前1,後1,後11 |
情報を離散化する際に必要な技術ならびに生じる現象について説明できる。 | 4 | 前1 |