電子情報回路設計

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 電子情報回路設計
科目番号 0119 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 総合理工学科(情報システム系) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:兼田護「VHDLによるディジタル電子回路設計」(森北出版)/参考書:堀桂太郎「図解 VHDL実習 第2版」(森北出版)
担当教員 前原 健二

到達目標

学習目的:身の回りの多くの電子機器で使用されているマイコンなど高速・大規模デジタル回路システムを要求する社会に答える技術の育成を目指し,デジタル回路の設計を通してデジタル回路システムを学習する。

到達目標:
1.デジタル表現されたデータを処理する原理を理解し,説明できる。
2.簡単な組合せ論理回路や順序回路の説明や設計ができる。
3.ハードウェア記述言語を用いた設計やシミュレーションができる。

ルーブリック

不可
評価項目1デジタル表現されたデータを処理する原理を理解し,各種の手法を説明できる。デジタル表現されたデータを処理する原理を理解し,手法を概ね説明できる。デジタル表現されたデータを処理する原理を理解し,簡単な回路の処理手法を説明できる。デジタル表現されたデータを処理する原理や手法を説明できない。
評価項目2簡単な組合せ論理回路や順序回路の説明や設計が自由にできる。簡単な組合せ論理回路や順序回路の説明や設計が概ねできる。簡単な組合せ論理回路や順序回路の説明や設計が教科書等を見ればできる。簡単な組合せ論理回路や順序回路の説明や設計ができない。
評価項目3ハードウェア記述言語を用いた設計やシミュレーションが自由にできる。ハードウェア記述言語を用いた設計やシミュレーションが概ねできる。ハードウェア記述言語を用いた設計やシミュレーションが説明資料を見ればできる。ハードウェア記述言語を用いた設計やシミュレーションができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
実務との関係:現代のディジタル集積回路設計の主流であるハードウェア記述言語を用いた設計を通して,各種のデジタル回路を学習していく。

一般・専門の別:専門 学習の分野:融合科目・その他

基礎となる学問分野:情報科学,情報工学/計算機システム

学習教育目標との関連:本科目は総合理工学科の学習教育目標「③基盤となる専門性の深化」のための科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化」である。

授業の概要:デジタル回路の基礎および設計法の学習から始め,現代の設計の主流であるハードウェア記述言語を用いた設計を通して,各種のデジタル回路を学習していく。単なる知識の勉強ではなく,集積回路設計ツールを用いて設計を体験しながらデジタル処理を学習していく。
授業の進め方・方法:
授業の方法:1週2単位時間(90分)で前期に開講する。教科書によるデジタル回路および設計法の勉強とともに,集積回路設計ツールを用いた設計演習を通して回路設計とシミュレーションを体験しながらデジタル処理回路を学習する。授業時間外学習として,設計課題や章末問題,課題調査にも取り組む。

成績評価方法:2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(50%)。試験では教科書の持込を許可する。授業においては演習や実習,レポート課題などを課し,その結果を評価する(50%)。成績が60点未満の人には特別補習期間に再試験を行い,試験点を再計算して60点まで成績を変更することがある。
注意点:
履修上の注意:本科目を選択した者は,学年の課程修了のために履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。また,本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:
・内容はデジタル回路設計という高度な内容であるが,実習体験を通して最先端の設計法とデジタル処理の方法を感じ取ってもらうことが主眼である。
・事前に行う準備学習として,前回の課題をこなして次回の授業始めに提出すること,および教科書に目を通し学習項目を把握しておくこと。
・自主的・積極的に授業時間外学習に取り組める,情報系科目に興味のある人に履修を勧める。

基礎科目:情報リテラシー(1年),ディジタル工学(3),ディジタル応用(3)など
関連科目:

受講上のアドバイス:遅刻は10分までとし,遅刻の回数が多い場合は,警告を行った後,欠課扱いとする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
履修選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 講義の概要,アナログとデジタル
【授業時間外の学習】アナログとデジタル
授業内容と全体の流れを知る。ディジタルの基礎を理解する。
【授業時間外の学習】ディジタルの基礎を理解する。
2週 数値表現
【授業時間外の学習】補数による演算
2の補数演算を理解する。
【授業時間外の学習】章末問題を解くことで,論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。
3週 デジタル回路の生成,PLD,自動設計,設計ツール
【授業時間外の学習】自動設計とカスタム設計の設計過程の違いと特徴,FPGA
ディジタル回路の生成,FPGAの構成と特徴,自動設計とカスタム設計の流れと特徴を理解する。
【授業時間外の学習】課題をまとめ,理解する。
4週 デジタル回路の生成,PLD,自動設計,設計ツール
【授業時間外の学習】自動設計とカスタム設計の設計過程の違いと特徴,FPGA
ディジタル回路の生成,FPGAの構成と特徴,自動設計とカスタム設計の流れと特徴を理解する。
【授業時間外の学習】課題をまとめ,理解する。
5週 コンピュータの構成,命令サイクル
【授業時間外の学習】CPUの基本構成と動作
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。
【授業時間外の学習】CPUの基本構成と動作を理解する。
6週 簡易CPUの構成と命令
【授業時間外の学習】簡易CPUの構成と命令
コンピュータのハードウェアに関する基礎的な知識を活用できる。
【授業時間外の学習】CPUの基本構成と動作を理解する。
7週 VHDL記述、ISEの使用方法
【授業時間外の学習】VHDL記述、ISEの使用方法
ISEを用いた回路設計とシミュレーションの手順を覚える。
【授業時間外の学習】半加算器の課題に取り組み回路設計やツールに慣れる。
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解答解説,階層記述,全加算器,多ビット信号
【授業時間外の学習】階層設計による全加算器の設計とシミュレーション
ISEを用いた回路設計とシミュレーションの手順を覚える。階層設計,多ビット信号の扱いを理解する。
【授業時間外の学習】課題に取り組み回路設計やツールに慣れる。
10週 補数による演算の復習と加減算器の設計
【授業時間外の学習】加減算器の設計
演算処理の方法とその回路実現法を理解する。
【授業時間外の学習】課題に取り組み,回路設計やツールに慣れる。
11週 加減算器の設計
【授業時間外の学習】加減算器の設計
演算処理の方法とその回路実現法を理解する。
【授業時間外の学習】課題に取り組み,回路設計やツールに慣れる。
12週 process文,if文やcase文によるデコーダの設計
【授業時間外の学習】デコーダの設計
process文,if文,case文を理解して,条件処理の設計が行える。
【授業時間外の学習】真理値表に基づいた設計ができる。
13週 状態遷移,順序回路の記述,BCDカウンタ
【授業時間外の学習】BCDカウンタの設計
状態遷移,ステートに基づいた順序回路の設計を理解する。
【授業時間外の学習】ステートに基づいた設計ができる。
14週 シーケンサ
【授業時間外の学習】シーケンサの設計
状態遷移,ステートに基づいた順序回路の設計を理解する。
【授業時間外の学習】ステートに基づいた設計ができる。
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学整数・小数をコンピュータのメモリ上でディジタル表現する方法を説明できる。3
基数が異なる数の間で相互に変換できる。3
整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。3
基本的な論理演算を行うことができる。3
基本的な論理演算を組合わせて、論理関数を論理式として表現できる。3
論理式の簡単化の概念を説明できる。3
簡単化の手法を用いて、与えられた論理関数を簡単化することができる。3
論理ゲートを用いて論理式を組合せ論理回路として表現することができる。3
与えられた組合せ論理回路の機能を説明することができる。3
組合せ論理回路を設計することができる。3
フリップフロップなどの順序回路の基本素子について、その動作と特性を説明することができる。3
レジスタやカウンタなどの基本的な順序回路の動作について説明できる。3
与えられた順序回路の機能を説明することができる。3
順序回路を設計することができる。3
コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。3
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。4

評価割合

試験演習・実習,課題合計
総合評価割合5050100
基礎的能力000
専門的能力5050100
分野横断的能力000