エネルギーシステム工学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 エネルギーシステム工学
科目番号 0015 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・制御システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:配布プリント  参考書:斎藤孟「工業熱力学の基礎」(サイエンス社) ,金原粲ほか「専門基礎ライブラリー 熱力学 事例でわかる考え方と使い方」(実教出版) , 児島忠倫ほか「エース流体の力学」(朝倉書店),平田哲夫ほか「例題でわかる伝熱工学」(森北出版)など
担当教員 細谷 和範,佐伯 文浩

到達目標

学習目的:エネルギー変換や熱エネルギーに関する基本的な知識を習得するとともに,エネルギーの有効利用を考慮した機械設計法について理解を深める。

到達目標:
1.熱力学と流体工学で身に付けた専門知識を深化できる。
2.理論サイクルの知識を深めるとともに,実際装置との対応を理解できる。
3.伝熱の基本形態を理解し,各形態における伝熱機構を説明できる。
4.熱交換器の性能評価法を理解し,説明できる。

ルーブリック

不可
評価項目1熱力学と流体工学で身に付けた専門知識を理解・説明でき,さらに応用まで深化できる。熱力学と流体工学で身に付けた専門知識を理解し説明できる。熱力学と流体工学で身に付けた専門知識を認識している。左記に達していない。
評価項目2理論サイクルの知識を深めるとともに,実際装置との対応について理解・説明でき,さらに応用までできる。理論サイクルの知識を深めるとともに,実際装置との対応について理解し説明できる。理論サイクルと実際装置との対応について認識している。左記に達していない。
評価項目3伝熱の基本形態に対する基本法則を具体的な問題に応用できる。伝熱の基本形態に対する基本法則を理解し,数式を用いて説明できる。伝熱の基本形態を身近な現象や工学技術と関連付けて説明できる。左記に達していない。
評価項目4熱交換器の性能評価法を具体的な問題に応用できる。熱交換器の性能評価法を理解し,説明できる。熱交換器の構造と機能を説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
※実務との関係:この科目は,空圧機器メーカーで設計・開発,環境調査会社で情報プログラミングの業務に従事していた教員と,民間企業で燃焼施設の排ガス測定や温泉水発電実証事業などに従事していた教員が,その経験を活かし,エネルギー変換とその工学的応用について講義形式で授業を行うものである。

一般・専門の別:専門
学習の分野:エネルギー・計測と制御

学習目的:エネルギー変換や熱エネルギーに関する基本的な知識を習得するとともに,エネルギーの有効利用を考慮した機械設計法について理解を深める。

基礎となる学問分野: 工学/機械工学/熱工学

専攻科学習目標との関連: 本科目は専攻科学習目標(機械・制御システム工学専攻)の「(2)材料と構造、運動と振動、エネルギーと流れ、情報と計測・制御、設計と生産・管理、機械とシステムなどの専門技術分野および数学・物理分野、化学・バイオの技術分野の知識を修得し、機械やシステムの設計・製作・運用に活用できる」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連: 本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(B)専攻分野に関連する知識理解を深化させ,それらを応用することができる」 である。

授業の概要:本科で学習した熱力学と流体工学を基礎として,各種サイクルおよび熱伝導・熱伝達などについて概説する。身近なサイクルの性能評価法および熱エネルギー伝達を考慮した機械設計の基礎について解説を加える。
授業の進め方・方法:
授業の方法: 授業は熱力学と流体工学に関する専門知識を確認しながら,板書やプロジェクター,卓上実験を交えて進める。実際問題への応用を考慮するとともに,演習問題を通して基礎理論の理解が深まるように配慮する。

成績評価方法: 2回の試験成績を同等に評価し(70%),これに演習,課題(レポート),授業時間外の学習成果(30%)を加えた総合評価とする。 試験への教科書(配布プリント),自筆ノートなどの持ち込みについては,ガイダンスで説明する。
注意点:
履修上の注意: 本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス: 熱力学と流体工学の基礎知識が前提となる。事前に行う準備学習として,基礎科目の内容(物理,力学,数学)を復習して関連性を意識すること。
本科から科目からのスパイラルアップ:本科目では,本科で習得した熱力学概論や力学Ⅲ,熱力学,流体工学,伝熱工学などの知識をより高度な問題に適用できる能力を養う。
   
基礎科目: 熱力学概論(3年),力学Ⅲ(3),熱力学(機械4),流体工学(機械4),伝熱工学(機械5) など

関連科目: 機械・制御システム特別実験(専1年),流体力学(専2)

事前に行う準備学習として,関連する内容の予習を必ず行うこと。

受講上のアドバイス: 授業の理解を深めるために授業中に行う演習や与えられた課題には,各自で自発的,積極的に取り組むこと。20分を越える遅刻は欠課とみなす。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・講義の概要〔ガイダンス〕
・授業時間外の学習:課題の予習と復習を課す.
課題(1)[熱力学の基礎]
2週 ・熱力学の基礎(開いた系と閉じた系のエネルギー式,・ヒートポンプ)
・授業時間外の学習:課題(2) [ヒートポンプ]
左記項目を理解し,説明できる。
3週 ・空気標準サイクル(カルノーサイクル,ブレイトンサイクル等)
・授業時間外の学習:課題(3) [サイクルの熱効率]
左記項目を理解し,説明できる。
4週 ・蒸気の性質(蒸気表,換算状態式など)
・授業時間外の学習:課題(4) [蒸気の状態]
左記項目を理解し,説明できる。
5週 ・蒸気サイクル①(ランキンサイクルの基礎)
・授業時間外の学習:課題(5) [蒸気サイクル]
左記項目を理解し,説明できる。
6週 ・蒸気サイクル②(複合サイクル,多段サイクル)
・授業時間外の学習:課題(6) [複合サイクル]
左記項目を理解し,説明できる。
7週 ・蒸気サイクルの応用
・授業時間外の学習:課題(7) [ヒートパイプの応用]
左記項目を理解し,説明できる。
8週 中間試験
2ndQ
9週 ・ガイダンス
・伝熱の基本形態
・熱伝導(フーリエの法則,熱伝導方程式)
・授業時間外の学習:課題(1)熱伝導
左記項目を理解し,説明できる。
10週 ・熱交換器1(熱通過率,伝熱量,対数平均温度差)
・授業時間外の学習:課題(2)熱通過率,伝熱量,対数平均温度差
左記項目を理解し,説明できる。
11週 ・熱交換器2(温度効率,伝熱単位数)
・授業時間外の学習:課題(3)温度効率
左記項目を理解し,説明できる。
12週 ・対流熱伝達1(熱伝達率,強制対流熱伝達)
・授業時間外の学習:課題(4)強制対流熱伝達
左記項目を理解し,説明できる。
13週 ・対流熱伝達2(自然対流熱伝達)
・相変化熱伝達1(凝縮の分類,膜状凝縮)
・授業時間外の学習:課題(5)自然対流熱伝達
左記項目を理解し,説明できる。
14週 ・相変化熱伝達2(膜レイノルズ数,沸騰の分類)
・授業時間外の学習:課題(6)膜状凝縮
左記項目を理解し,説明できる。
15週 ・ふく射熱伝達(ふく射の基本法則,ふく射熱伝達のメカニズム,形態係数)
・授業時間外の学習:課題(7)ふく射熱伝達
左記項目を理解し,説明できる。
16週 ・期末試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価自己 評価課題小 テスト合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000