機械・制御システム特別研究Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 機械・制御システム特別研究Ⅱ
科目番号 0025 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 8
開設学科 機械・制御システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 通年 週時間数 8
教科書/教材
担当教員 小西 大二郎,井上 浩行,細谷 和範,趙 菲菲,野中 摂護,桶 真一郎

到達目標

学習目的:工学的あるいは技術的な課題を見出す能力,またその課題を具体的に解決する能力を修得し,技術者としての基本的な素養やデザイン能力を身につける。

到達目標
1.専攻する技術分野について,ICTやICTツールを活用して情報を収集・分析して,先端技術の動向を把握するとともに,研究目的を理解する。
2.研究遂行計画を主体的に立案するとともに,実験・解析を具体的に実行して結果の妥当性を評価できる。
3.研究成果の学会等での発表や校外実習を通じて多くの技術者と自由に意見交換や交流ができる。
◎4.技術者が社会に負う責任を認識するとともに,企業活動を多面的に判断した対応力をもち,地域社会や広く世の中に貢献できる。

ルーブリック

不可
評価項目1必要な情報の収集と整理・分析により関連の技術・研究動向が理解でき,これらと関連させて研究目的を理解できる。自分で調査して得た文献・資料などをもとに,情報が正しいかどうか考え,活用できる。自分で調査して得た文献・資料などの内容を言える。自分で調査して得た文献・資料などの内容を言えない。
評価項目2工学上の問題解決のために特別な研究計画を立てることができ,データを分析し論理的に説明することができる。研究目的に沿って自ら研究計画が立案でき,仮説や調査の検証・評価方法・結果を論理的に説明することができる。研究目的に沿って自ら研究計画が立案でき,仮説や調査の検証・評価方法・結果を言える。研究目的に沿って自ら研究計画が立案できず,仮説や調査の検証・評価方法・結果を言えない。
評価項目3効果的なプレゼンテーションの基本的なパターンを使って,制限時間内で,相手に分かりやすく説明した上で,自分の意見を効果的に伝えられる。プレゼンテーションの基本的なパターンを使って,発表ができる。プレゼンテーションの基本的なパターンを知っている。プレゼンテーションの基本的なパターンを知らない。
評価項目4技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し,技術者が社会に負っている責任を理解でき,自身の将来にわたるキャリアデザインを明確 化し,多面的な基準から企業との適性を評価できる。 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し,技術者が社会に負っている責任を理解でき,技術者として成長していく自分を意識し,継続的な自己研さんができる。技術者が社会に負っている責任を言える。技術者が社会に負っている責任を言えない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:実験・実習

基礎となる学問分野:工学/機械工学・制御工学

専攻科学習目標との関連:本科目は専攻科学習目標「(4)特別研究を自主的,積極的に推進することにより,技術者として必須の問題発見能力と課題解決能力,すなわち創造的な成果を生み出すデザイン能力,研究能力を身につけるとともに,研究結果を学会などで発表し,他の研究者や技術者との交流を通じて,プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(E)研究能力の育成,E-1:工学現象を解析するための科学的な実験の計画・遂行・考察ができ,応用できること」であるが,付随的には「A-3」,「C-1」,「「D-1」,「D-3」,「E-2」,「E-3」,「F-1」,「G-2」,「H-1」にも関与する。また,本科目ではデザイン能力の中の構想力,問題設定能力,公衆の健康・安全,文化,経済,環境,倫理等の観点から問題点を認識する能力,およびこれらの問題点などから生じる制約条件下で解を見出す能力,構想したものを図,文章,式,プログラム等で表現する能力,継続的に計画し,実施する能力の育成に関与する。なお,本科目に関連して技術者倫理に関する講演会を必ず聴講すること。

授業の概要:機械・制御システム特別研究Ⅰの単位を取得し,この科目を前提に,専攻科における1,2年次の学修の総括を,研究活動を通して総合的にまとめる科目である。特徴ある研究課題に取り組むことにより,自主的な問題発見能力と課題解決能力の養成を目的とし,知識の深化と研究開発能力を体得する。成果は修了論文として提出され,必要に応じて学会等での外部発表を行う。きめ細かな指導を行い,企業等との共同研究も積極的に取り入れる。
授業の進め方・方法:
授業の方法:1週3日にわたり合計12単位時間が設定されている。指導教員のもとで,研究テーマごとに主体的に実験または解析的研究を行う。取り組みの中で,工学的研究の進め方,科学技術論文の書き方,発表・討論の仕方を適宜指導・助言する。

成績評価方法:授業計画で示されている条件を満たしていることを前提に,報告書査読教員や発表審査教員等の複数の特別研究担当教員により評価する。評価に当たっては,特別研究発表会での発表(50%),特別研究報告書(50%)とし,教育プログラムの(A)および(C)~(H)の各項目に対して,発表と報告書で達成度を評価し,それぞれ合計評価点の6割以上をもって合格とする。評価点が合格点に達しない場合は,指導を行い,再評価を行うことがある。
注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:極めて多くの時間が割当てられている。与えられた環境の中で最大の成果が出るように,自主的に研究活動を行うこと。
 事前に行う準備学習として,これまで学んだ知識を駆使して,研究計画の立案,研究内容がその分野ではどのような状況にあるか,関連する参考文献の調査,実験・解析技術の修得,結果のまとめと考察,論文・報告書の準備ならびにプレゼンテーションの準備など自主的に行うことが求められる。

基礎科目:これまで学習してきた科目全般

受講上のアドバイス:本科目は専攻科における最も重要な主となる科目である。したがって,あらゆる面で主体性を持って全力で取り組むことが求められる。また,大学評価・学位授与機構から「学士」を取得する際には,「学修総まとめ科目履修計画書」と「学修総まとめ科目の成果の要旨等」の提出が必要である。これらはいずれも特別研究の内容が基盤となることを念頭に研究活動を進める必要がある。なお,前後期終了後に研究実施記録簿の提出を行うこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。
2週 研究テーマと研究計画 書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。
3週 中間発表 目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。
4週 研究テーマと研究計画 収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。
5週 研究テーマと研究計画 情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。
6週 研究テーマと研究計画 情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。
7週 研究テーマと研究計画 あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる。
8週 研究テーマと研究計画 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。
2ndQ
9週 研究テーマと研究計画 他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。
10週 実験・解析の試行と検証 日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。
11週 実験・解析の試行と検証 円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。
12週 実験・解析の試行と検証 円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。
13週 実験・解析の試行と検証 他者の意見を聞き合意形成することができる。
14週 実験・解析の試行と検証 合意形成のために会話を成立させることができる。
15週 実験・解析の試行と検証 グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。
16週 実験・解析の試行と検証 実験・実習の目標と心構えを理解し、実践できる。
後期
3rdQ
1週 実験・解析の試行と検証 災害防止と安全確保のためにすべきことを理解し、実践できる。
2週 実験・解析の試行と検証 特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。
3週 実験・解析の試行と検証 課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。
4週 実験・解析の試行と検証 グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。
5週 実験・解析の試行と検証 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。
6週 実験・解析の試行と検証 どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。
7週 実験・解析の試行と検証 適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。
8週 実験・解析の試行と検証 結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。
4thQ
9週 実験・解析の試行と検証 法令やルールを遵守した行動をとれる。
10週 実験・解析の試行と検証 他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。
11週 実験・解析の試行と検証 技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を上げることができる。
12週 実験・解析の試行と検証 複数の情報を整理・構造化できる。
13週 論文の執筆 他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。
14週 論文の執筆 事実をもとに論理や考察を展開できる。
15週 特別研究発表会 目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。
16週 論文の執筆 レポートの作成の仕方を理解し、実践できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題その他合計
総合評価割合05000500100
基礎的能力0000000
専門的能力0400050090
分野横断的能力010000010