到達目標
学習目的:流体に関する諸問題や現象を理論的に解析する基礎能力を身につける。
到達目標
1 流体運動や流体に作用する力について,数学的な表現を用いて説明できる。
2 完全流体の運動に関する基礎方程式を理解し,代表的な流れを解析できる。
3 圧縮性流体の運動に関する基礎方程式を理解し,代表的な流れを解析できる。
4 粘性流体の運動に関する基礎方程式を理解し,代表的な流れを解析できる。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 不可 |
評価項目1 | 三次元の流体運動や流体に作用する力について,数学的な表現を用いて説明できる。 | 二次元の流体運動や流体に作用する力について,数学的な表現を用いて説明できる。 | 流体運動や流体に作用する力の概略を説明できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目2 | 完全流体に関する代表的な流れを解析し,方程式と解について物理的な観点から説明できる。 | 完全流体の運動に関する基礎方程式について説明でき,代表的な流れを解析できる。 | 完全流体の運動に関する基礎方程式について説明できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目3 | 圧縮性流体に関する代表的な流れを解析し,方程式と解について物理的な観点から説明できる。 | 圧縮性流体の運動に関する基礎方程式について説明でき,代表的な流れを解析できる。 | 圧縮性流体の運動に関する基礎方程式について説明できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目4 | 粘性流体に関する代表的な流れを解析し,方程式と解について物理的な観点から説明できる。 | 粘性流体の運動に関する基礎方程式を説明でき,代表的な流れを解析できる。 | 粘性流体の運動に関する基礎方程式について説明できる。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
※実務との関係:この科目は,企業で燃焼施設の排ガス測定や温泉水発電実証事業などに従事していた教員が,その経験を活かし,流体力学の基礎について講義形式で授業を行うものである。
一般・専門の別:専門
学習の分野:エネルギー・計測と制御
基礎となる学問分野:
流体工学、熱工学およびその関連分野/流体工学関連
物理学およびその関連分野
専攻科学習目標との関連:本科目は専攻科学習目標「(2)材料と構造,運動と振動,エネルギーと流れ,情報と計測・制御,設計と生産・管理,機械とシステムなどの専門技術分野および数学・物理分野、化学・バイオの技術分野の知識を修得し,機械やシステムの設計・製作・運用に活用できる」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(B)専攻分野に関連する知識理解を深化させ,それらを応用することができる」である。
授業の概要:本科目では,ベクトル解析や複素関数の知識を流体運動に応用し,基礎式の導出と代表的な流れについて解説を行う。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書により基本概念や式の導出に関する解説を行い,理解が深まるように,適宜,演習・レポートを課す。
成績評価方法:試験(70%)と演習・レポート(30%)を総合的に評価する。試験には自筆ノート・電卓等の持ち込みを許可する場合がある。期末段階の成績が60点未満かつ50点以上の者には,出席状況や授業態度が良好であれば,事前指示を与えた上で再試験を実施する。再試験の結果は,最終成績の上限を60点として,当該定期試験の結果と読み替える。
注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。
履修のアドバイス:本科目は,これまでに学んできた流体工学の背後にある物理を理論的な観点からより詳しく学ぶ科目である。予備知識として,流体工学や熱工学に加え数学(微分方程式,ベクトル解析,複素関数等)の基礎も必要になるため,事前にこれらをよく復習しておくこと。
基礎科目:微分積分Ⅰ(全2年),微分積分Ⅱ(全3),基礎微分方程式(全3),力学Ⅲ(全3),熱力学概論(全3),応用数学Ⅱ(全4),流体工学(機4),熱力学(機4),複素解析(先5),伝熱工学(機5),エネルギーシステム工学(専1)など
関連科目:計算力学(専2年)など
受講上のアドバイス:理解を深めるために,演習やレポートには主体的に取り組み,必要に応じて基礎科目を復習すること。20分を越える遅刻・早退は欠課とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス 流体運動の基礎(運動の記述,二次元の流体運動) 授業時間外の学習内容:課題(1)二次元の流体運動 |
流体運動の記述の基礎を理解し,二次元の流体運動について説明できる。
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2週 |
変形運動と回転運動 授業時間外の学習内容:課題(2)変形運動と回転運動 |
変形運動と回転運動について,速度勾配テンソルを用いて説明できる。
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3週 |
流体にはたらく力(体積力と面積力,応力) 授業時間外の学習内容:課題(3)応力テンソル |
流体にはたらく力を説明でき,流体を分類できる。
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4週 |
連続の式の導出 授業時間外の学習内容:課題(4)連続の式 |
連続の式の導出過程を説明できる。
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5週 |
運動方程式の導出 授業時間外の学習内容:課題(5)運動方程式 |
運動方程式の導出過程を説明できる。
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6週 |
運動方程式の変形 授業時間外の学習内容:課題(6)ベクトル恒等式 |
ベクトル恒等式を用いて運動方程式を変形できる。
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7週 |
完全流体の運動1(ベルヌーイの定理) 授業時間外の学習内容:課題(7)ベルヌーイの定理 |
ベルヌーイの定理について説明できる。
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8週 |
完全流体の運動2(ポテンシャル流) 授業時間外の学習内容:課題(8)ポテンシャル流 |
代表的なポテンシャル流の解を求めることができる。
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4thQ |
9週 |
2次元の非圧縮・渦なし流れ1(流れ関数,複素速度ポテンシャル) 授業時間外の学習内容:課題(9)複素速度ポテンシャル1 |
流れ関数と複素速度ポテンシャルについて説明できる。
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10週 |
2次元の非圧縮・渦なし流れ2(流れ場の例) 授業時間外の学習内容:課題(10)複素速度ポテンシャル2 |
代表的な2次元非圧縮・渦なし流れの解を求めることができる。
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11週 |
圧縮性流体1(音波) 授業時間外の学習内容:課題(11)波動方程式 |
圧縮性流体の方程式から波動方程式を導出できる。
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12週 |
圧縮性流体2(衝撃波) 授業時間外の学習内容:課題(12)ランキン-ユゴニオ関係式 |
流れの保存則からランキン-ユゴニオ関係式を導出できる。
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13週 |
粘性流体の流れ1(基礎方程式と境界条件,相似則) 授業時間外の学習内容:課題(13)相似則 |
粘性流体の基礎方程式と境界条件を説明できる。また,相似則の物理的な意味と流れの分類について説明できる。
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14週 |
粘性流体の流れ2(平行流,低レイノルズ数の流れ) |
代表的な平行流の解を求めることができる。また,低レイノルズ数流れの方程式について説明できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
試験の答案返却と解答解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 演習・課題 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 30 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |