到達目標
学習目的:計算機利用の応用課程として,具体的な理工学問題に適応されている主要な数値解析法を学び,計算機応用力学解析の理解を深める。
到達目標:
1.テーラー展開を用いて近似式が作成できる。
2.第1階,第2階の微分方程式の差分化ができる。
3.単要素,複要素の形状関数,剛性マトリックスの導出が出来る。
4.マトリックス解法を理解し,複数要素の変位,応力の式が導出できる。
5.有限要素法を理解している。
6.汎用有限要素法コードを用いて,3次元の構造,伝熱,流体の標準的な問題を,大はずれすることなく解析できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ・第1階,第2階の微分方程式の差分化ができる。
・簡単な差分式をプログラミングして,数値解を求めることができる。
| ・テーラー展開を用いて近似式が作成できる。
・第1階,第2階の微分方程式の差分化ができる。
| ・テーラー展開を用いて基本的な近似式が作成できる。
・第1階,第2階の微分方程式の基本的な差分化ができる。 | ・有限要素法の基本を理解している。
・汎用有限要素法コードを用いて,3次元の構造,伝熱,流体の基本的な問題を,大はずれすることなく解析できる。 |
評価項目2 | ・マトリックス解法を用いて,複数要素の具体的な構造問題の変位,応力を解析することができる。 | ・単要素,複要素の形状関数,剛性マトリックスの導出が出来る。
・マトリックス解法を理解し,複数要素の変位,応力の式が導出できる。 | ・単要素,複要素の形状関数,剛性マトリックスの導出が出来る。
・基本的なマトリックス解法を理解し,複数要素の変位,応力の式が導出できる。 | ・単要素,複要素の形状関数,剛性マトリックスの導出が出来ない。
・マトリックス解法を用いて変位,応力を算出する演習問題が期限までに完成できない。 |
評価項目3 | ・汎用有限要素法コードを用いて,3次元の構造,伝熱,流体の基本的な問題を,大はずれすることなく解析できる。
・有限要素法を用いた各種解析において,大はずれしないように,理論解と比較して考察できる。
| ・有限要素法を理解している。
・汎用有限要素法コードを用いて,3次元の構造,伝熱,流体の標準的な問題を,大はずれすることなく解析できる。 | ・有限要素法の基本を理解している。
・汎用有限要素法コードを用いて,3次元の構造,伝熱,流体の基本的な問題を,大はずれすることなく解析できる。 | ・有限要素法を理解していない。
・汎用有限要素法コードを用いて,3次元の構造,伝熱,流体の基本的な問題を,大はずれすることなく解析できない。
・演習問題が期限までに完成できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
※実務との関係:この科目は,重工系メーカーで研究および開発業務においてデジタルエンジニアリングの実践経験がある教員が,その経験を活かし,数値解析,差分法,有限要素法などの基礎と実践的な力学シミュレーションについて授業を行うものである。
一般・専門の別:専門 学習の分野:設計と生産・管理
基礎となる学問分野:工学/機械工学
専攻科学習目標との関連:本科目は専攻科学習目標「(2)材料と構造,運動と振動,エネルギーと流れ,情報と計測・制御,設計と生産・管理,機械とシステムなどの専門分野技術の知識を修得し,機械やシステムの設計・政策・運用に活用できる能力を身につける」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的に「A-1」にも関与する。
授業の概要:電子計算機の発展に伴い技術計算の精密化と高速化が進み,数値実験が工学的手法の重要な分野になってきた。自然現象を数理モデルとして表現し,コンピュータにより解析を行う手法について解説,演習を行う。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心に授業を進めるが,具体的な力学モデルの提示を心掛ける。計算力学の基礎原理の理解が深まるように,レポートを課す。
成績評価方法:定期試験(70%),レポート(30%)で評価する。場合によっては再試験を実施する。再試験は本試験と同等に評価する。
注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。
履修のアドバイス:情報処理I,IIおよび数値解析で学んだ内容を十分に理解していることが望ましい。事前に行う準備学習として,CAEの演習では3Dモデルを作成するため,3D-CADの使用ができることが必要である。
基礎科目:応用機械設計(機械5年),設計工学(電子制御5),応用設計工学(専2),情報科学(専1)など
関連科目:設計工学(5年),CAD/CAM(5),応用設計工学(専1),
受講上のアドバイス:高性能かつ廉価で使い易いPC やOS が普及し,様々な汎用計算力学ソフトウエアが簡便に利用できるようになり,計算力学のユーザー層が急速に広がって入る.基本的な計算力学の問題に対して,正しく解析問題を設定し,CAE 解析の内容を理解して,さらに解析結果の信頼性を自分自身で検証することができることが重要である.機械学会の計算力学技術者認定試験を目指して,理論とスキルを習得してほしい。授業開始時に着席していない場合,遅刻とする。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
●ガイダンス |
計算力学とは何かが説明できる。
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2週 |
●計算力学のための数学の基礎 |
計算力学のための数学を理解する。
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3週 |
●熱伝導,固体力学の基礎 レポート課題(1)3D-CAD |
熱伝導,固体力学の基礎を理解し差分式が求められる。
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4週 |
●有限要素法の基礎Ⅰ |
有限要素法の原理が説明できる。
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5週 |
●有限要素法の基礎Ⅱ
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有限要素法を用いた基本的な解析ができる。
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6週 |
●CAE演習(1)応力歪み解析 レポート課題(2)数値計算法(1) |
有限要素法を用いた基本的な解析が妥当であることを確認できる。
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7週 |
●CAE演習(2)伝熱解析 |
有限要素法を用いた基本的な伝熱解析ができる。
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8週 |
●要素の選択 |
有限要素法の要素を理解し,その影響を説明できる。
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2ndQ |
9週 |
●モデリングの基礎 レポート課題(3)数値計算法(2) |
有限要素法のモデリング手法を理解し,その影響を説明できる。
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10週 |
●境界条件の使い方の基礎 |
有限要素法の境界条件の種類を理解し,適用できる。
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11週 |
●プレポスト処理の基礎 |
有限要素法のプレポスト処理手法を理解し,適用できる。
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12週 |
●CAE演習(3)振動解析 レポート課題(4)CAE演習(1) |
有限要素法を用いた基本的な振動解析ができる。
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13週 |
●CAE演習(4)流体解析 |
有限要素法を用いた基本的な流体解析ができる。
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14週 |
●結果の検証の基礎,計算力学技術者倫理 レポート課題(5)CAE演習(2) |
計算力学技術者倫理について理解する。
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15週 |
(期末試験) |
出席し答案を提出する。
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16週 |
●期末試験の答案返却と解答解説 |
誤答を修正する。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 30 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |