機能性材料学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 機能性材料学
科目番号 0038 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械・制御システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:これで使える 機能性材料パーフェクトガイド(講談社) 参考書:小原嗣郎「金属組織学概論」(朝倉書店), 青木昌治「応用物性論」(朝倉書店), 神藤欣一「機能材料の基礎知識」(産業図書)いずれも図書館所蔵
担当教員 山口 大造

到達目標

学習目的:様々な分野(機械・エレクトロニクス・エネルギー・環境・生体・医療・スポーツなど)において用いられている各種機能性材料について,具体例から学習する。その過程において,材料一般に共通する結晶構造や性質について, 物性論レベルで学習することにより, 材料に生ずる諸現象を現象論的ではなく, 本質的に理解できるようになる。それによって, 機能性材料についてそれらの示す機能発現や用途について理解できるようにする。
到達目標
1.機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
2.材料に共通する結晶構造や性質について理解できる。

ルーブリック

不可
評価項目1機能性材料の種類,性質,用途などに対する具体的な知識を持っている。代表的な機能性材料の種類,性質,用途などに対する基本的な知識を持っている。代表的な機能性材料の種類,用途に対する基本的な知識を持っている。左記に達していない。
評価項目2材料に共通する結晶構造や性質について詳しく説明できる。材料に共通する結晶構造や性質について基本的な事項を説明できる。材料に共通する結晶構造について基本的な事項を説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
※実務との関係:この科目は団体職員として、機能性材料の基礎研究や実用化技術開発を担当していた教員が,その経験を活かし,機能性材料開発の基本的な考え方と種々の機能性材料の工学的利用に関する基礎能力を養うことも目的として,講義形式で授業を行うものである。

一般・専門の別:専門
学習の分野:材料と構造

基礎となる学問分野:工学 / 材料工学 / 構造・機能材料

学習・教育到達目標との関連:本科目は専攻科学習目標「(2) 次の専門技術分野の知識を修得し、機械やシステムの設計・製作・運用に活用できる。
 機械・制御システム工学専攻:材料と構造、運動と振動、エネルギーと流れ、情報と計測・制御、設計と生産・管理、機械とシステムなどの専門技術分野および数学・物理分野、化学・バイオの技術分野」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(B) 専攻分野に関連する知識理解を深化させ,それらを応用することができる」である。

授業の概要:工業的に用いられる材料は, 大きく分類すると構造用材料と, 機能性材料の二つになる。 構造用材料については本科で学習済であるため,本科目では後者について解説する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:主に板書・スライドによる講義を実施する。重要なキーワードについて理解を深化させるために課題を課す。

成績評価方法:レポート課題(60%),授業への取組姿勢(40%)で評価する。レポート課題の内容について厳密に評価する。参考文献として,論文を引用すること。
注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:本科目は、本科4~5年次で学習した,熱力学、流体工学,材料力学Ⅱ,機械設計法Ⅱ、伝熱工学,機械力学を基礎とし,応用機械設計,応用創造工学など機械やシステムの設計・製作・運用に活用できる機能性材料について学習する。数式を用いることは少ないが, 化学反応や有機化学などの化学的知識を必要とすることが多いので, 化学をよく学習しておくことが望ましい。事前に行う準備学習として、講義内容に関連する製品などについて知識を得ておく。

基礎科目:化学Ⅰ(2年), 化学Ⅱ(3), 工業材料(機械2), 熱力学(4)、流体工学(4),材料力学Ⅱ(4),機械設計法Ⅱ(4)、伝熱工学(5),機械力学(5)。

関連科目:応用機械設計(専1),応用創造工学(専1),科学探究(専2), 材料強度学(専2)。

受講上のアドバイス:解説する機能性材料は現在使われている機能性材料のほんの一部である。機能性材料についてそれらの示す機能発現や用途について理解できるように自主的に学習しなければならない。授業開始後15分を過ぎて入室した場合,欠課として扱う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,自動車(ボディ・エンジン),航空機(授業時間外の学習:課題(1)航空機材料について) 航空機材料について
材料に共通する結晶構造や性質について理解できる。
2週 新幹線, パソコン筐体,金型(授業時間外の学習:課題(2)マグネシウム合金について) マグネシウム合金について
機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
3週 タービンブレード,スペースシャトル,インナーウェア(授業時間外の学習:課題(3)耐熱材料・形状記憶合金について) 耐熱材料・形状記憶合金について
材料に共通する結晶構造や性質について理解できる。
4週 切削工具,ナノ・マイクロ部品(授業時間外の学習:課題(4)金属ガラスについて) 金属ガラスについて
機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
5週 液晶・プラズマディスプレイ,ハードディスクドライブ(授業時間外の学習:課題(5)記憶装置に用いられる材料について) 記憶装置に用いられる材料について
機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
6週 発光ダイオード,半導体レーザ,インバータ(授業時間外の学習:課題(6)光源となる材料について) 光源となる材料について
材料に共通する結晶構造や性質について理解できる。
7週 光式スイッチ,電磁モータ,磁歪式音波探査センサ(授業時間外の学習:課題(7)光を感じる材料,磁性材料について) 光を感じる材料,磁性材料について
機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
材料に共通する結晶構造や性質について理解できる。
8週 超音波エコ・非破壊検査装置,圧電アクチュエータ,通信機用フィルタ(授業時間外の学習:課題(8)圧電材料について) 圧電材料について
機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
4thQ
9週 結晶シリコン・アモルファスシリコン・化合物系太陽電池(授業時間外の学習:課題(9)化合物系太陽電池について) 化合物系太陽電池について
機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
10週 熱電変換素子・ペルチエ素子,機能性タイル,超伝導マグネット(授業時間外の学習:課題(10)光触媒について) 光触媒について
機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
11週 高温超伝導線材,リチウムイオン二次電池,機能性電極(授業時間外の学習:課題(11)金属系超伝導材料について) 金属系超伝導材料について
機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
12週 燃料電池,海水淡水化システム(授業時間外の学習:課題(12)逆浸透膜について) 逆浸透膜について
機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
13週 生体・医療分野における機能性材料(授業時間外の学習:課題(13)人工関節・人工心臓について) 人工関節・人工心臓について
機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
14週 スポーツ分野における機能性材料(授業時間外の学習:カーボンファイバーについて) カーボンファイバーについて
機能性材料の種類,性質,用途などに対する知識を得る。
材料に共通する結晶構造や性質について理解できる。
15週 (期末試験)
16週 まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

取組姿勢発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合40000600100
基礎的能力0000000
専門的能力40000600100
分野横断的能力0000000