到達目標
学習目的:遺伝子工学、ティッシュエンジニアリングやバイオミメティクの原理、技術と応用を知ることで、生物学的知識をもとにした知能機械学を理解する。この講義を通じて自然科学を基礎としたバイオエンジニアリングを理解する。
到達目標:
1.遺伝子工学技術の原理と応用を理解する。
2.ES細胞やiPS細胞を使ったティッシュエンジニアリング。
3.生物の特性を利用したバイオミメティクスを力学的視点から理解する。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 不可 |
評価項目1 | 核酸を用いた遺伝子工学技術について理解し,生活の中でどのように役立つのか説明できる。 | 核酸を用いた遺伝子工学技術について説明できる。 | 核酸を用いた遺伝子工学技術について理解している。 | 核酸を用いた遺伝子工学技術について理解していない。 |
評価項目2 | iPS細胞やES細胞を用いたティッシュエンジニアリングについて応用例を理解し説明できる。 | iPS細胞やES細胞を用いたティッシュエンジニアリングについて応用例を説明できる。 | iPS細胞やES細胞を用いたティッシュエンジニアリングについて理解している。 | iPS細胞やES細胞を用いたティッシュエンジニアリングについて理解していない。 |
評価項目3 | 生物の特性を生かしたバイオミメティクスの応用例とその原理を理解し説明できる。 | 生物の特性を生かしたバイオミメティクスの応用例を説明できる。 | 生物の特性を生かしたバイオミメティクスの原理を理解している。 | バイオミメティクスについて理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
一般・専門の別:専門
基礎となる学問分野:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野,:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野,生体分子化学およびその関連分野
専攻科学習目標との関連:本科目は専攻科学習目標「(1) 数学,物理を中心とした自然科学系の科目に関する知識を深め,人文・社会科学に関する知見を広めて,機械・制御システム工学および電子・情報システム工学に関する基礎学力として応用できる。」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化および情報技術の習得とそれらを応用することができる」である。
授業の概要:生命工学は, 生物, 医学や農学といった生命科学分野のみならず機械工学を基礎としたバイオエンジニアリングへと展開してきている。その中心となる技術が遺伝子工学, ティッシュエンジニアリングやバイオミメティクスである。本講義では, これらについての基本的説明から, その応用技術に至るまで体系的に解説する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:配布資料をもとに板書等により解説しながら要点を解説する。適時, 授業内容に即したレポート課題を出し,復習と自主学習を促す。なお,本科目は前期開講科目である。
成績評価方法:期末試験の得点 (70%) に,各定期試験までのレポートをこれに加味 (30%) して評価する。再試験はおこなわない。出席状況や授業態度が良好であれば,事前指示を与えた上で再試験の代わりに課題を課す。この場合60点を最高点として最終成績に加える。
注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。
履修のアドバイス:生物学の基礎知識がなくても理解できるよう,基礎的な事柄から説明するので、少しでも興味があれば受講してもらいたい。
基礎科目:生物(1年) 化学Ⅰ(2年),化学Ⅱ(3年),応用生物(4年)
関連科目:応用化学(4年)
受講上のアドバイス:レポート課題は期限を厳守すること。授業の時間の半分を経過した時点で欠席として扱う。講義やそれに関連したことで疑問があれば,積極的に質問し,理解を深めて欲しい。事前に行う準備学習として,事前に授業ファイルをアップしておくので、事前に確認し、教科書の該当範囲を読んでおくこと。
本科目は,本科5年次で学修した応用生物を工学的に発展させた科目である。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス:生命工学とは 生物学と工学 |
1. 生物を技術開発に応用することの利点を理解する
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2週 |
遺伝子工学I PCR法によるDNA増幅の原理 |
2. PCR法によるDNA増幅の仕組みを理解し,さらに実際のPCRマシーンの各部の役割などを理解する
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3週 |
遺伝子工学II リアルタイムPCRによる定量的PCRとサンガー法によるDNA配列決定 |
3. PCR法を利用したリアルタイムPCRによるDNA量の測定方法と,PCR法をもとに塩基配列を決定するシークエンス装置の原理と仕組みを理解する
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4週 |
遺伝子工学III PCRによるDNA型鑑定法 |
4. PCR法を利用したDNA型鑑定方法の原理と仕組みを理解する
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5週 |
遺伝子工学IV 動植物における遺伝子組み換えの原理 |
5. 動植物における遺伝子組み換えの原理について理解する
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6週 |
遺伝子工学V 動植物における遺伝子組み換えの応用 |
6. 動植物における遺伝子組み換えの応用について,実際の例から,産業界への応用の可能性について理解する
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7週 |
テッシュエンジニアリングI ES細胞、iPS細胞の作出と能力 |
7. ティッシュエンジニアリングの基礎となるES細胞,iPS細胞について理解し,その生産方法についても細胞工学的に理解する
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8週 |
ティッシュエンジニアリングII 細胞・組織誘導のための生理活性物質 |
8. iPS細胞やES細胞を利用したティッシュエンジニアリングに必要とされる生理活性物質について理解する
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2ndQ |
9週 |
ティッシュエンジニアリングIII 細胞・組織誘導のための細胞外基質 |
9. ティッシュエンジニアリングで利用される足場となるマテリアルに関して材料工学的な視野から理解する
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10週 |
テッシュエンジニアリングIV 万能細胞からのオルガノイド誘導 |
10. iPS細胞やES細胞を利用した組織再生の実例をもとに,細胞工学と医療工学の面からティッシュエンジニアリングの可能性を考える
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11週 |
バイオミメティクスI バイオミメティクスと生物多様性 |
11. 生物の持つ特性を応用利用するバイオミメティクスについての全体像を把握する
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12週 |
バイオミメティクスII フナクイムシ、オナモミに学ぶバイオミメティクス |
12. フナクイムシやオナモミの手から開発された接着テープについて,力学的に理解する
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13週 |
バイオミメティクスIII モルフォ蝶、サメ肌から学ぶバイオミメティクス |
13. モルフォ蝶の鱗粉から開発された光学繊維,サメ肌を模倣することで開発された競泳水着について,光学,力学的に理解する
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14週 |
バイオミメティクスIV ヤモリ、カワセミから学ぶバイオミメティクス |
14. ヤモリの手から開発された粘着テープ,カワセミのクチバシの形状を利用した新幹線の力学的利点について理解する
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15週 |
(前期期末試験) |
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16週 |
前期期末試験の返却と解答解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |