電子・情報システム特別実験

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 電子・情報システム特別実験
科目番号 0021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電子・情報システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 実験テーマ毎に担当教員より指示する。
担当教員 中村 重之,大西 淳,曽利 仁

到達目標

学習目的:回路設計,制御設計,ネットワーク設計等の実験への組織的取り組みを通してチームワーク力を身につけると同時に,基礎知識の深化や問題解決能力も身につける。

到達目標:
1.回路,制御,ネットワーク等,技術に関する基礎知識を深化する。
2.実験結果をわかりやすい図や文章を使って報告書にまとめられる。
◎チームワーク力を発揮して問題解決に組織的に取り組める。
◎問題を明確にとらえ,最も適切な解決策や方法を見つけていく能力などのデザイン能力を身につける。
◎スケジュールに従い,計画的に実験を進めることができる。

ルーブリック

不可
評価項目1回路,制御,ネットワーク等の技術に関する基礎的原理や現象等を,実験を通じて十分に理解し,知識をさらに深化することができるとともに,他の学生に技術的な指示や情報提供ができる。回路,制御,ネットワーク等の技術に関する基礎的原理や現象等を,実験を通じて理解して知識を深化し,自律して実験を実施できる。一部の内容について他のメンバーからの具体的な助けを得ることで,回路,制御,ネットワークに関する実験を実施できる。回路,制御,ネットワーク等の技術に関する実験を実施できない。
評価項目2報告書の記述,作成方法を十分に理解しており,自立して実験結果の妥当性評価や考察について論理的にまとめることができる。他者の指示や添削を受けながら,報告書に,実験結果の妥当性評価や考察について論理的にまとめることができる。他者の強力な指示や添削を受けながら,報告書に実験結果の妥当性評価や考察をかろうじてまとめることができる。報告書に,実験結果の妥当性評価や考察についてまとめることができない。
評価項目3メンバー間で適切なコミュニケーションがとれるよう,目標達成に向けたメンバーの行動をコントロールできる。他のメンバーから与えられた適切なアドバイスを自分の目標達成に活かすことができる。他のメンバーから具体的な助けを得ることで,自分の役割や目標を達成できる。自分の役割や目標を達成できない。
評価項目4回路,制御,ネットワーク等の技術に関する基礎知識を活かし,課題解決の適切な方法を見つけて,他の学生に指示できる。回路,制御,ネットワーク等の技術に関する基礎知識を活かし,他の学生等が提示した課題解決方法が適切であると判断できたり,修正案を提示できたりする。回路,制御,ネットワーク等の技術に関する基礎知識を活かし,他の学生等が提示した課題解決方法が適切であると判断できる。他の学生等が提示した課題解決方法が適切であるかどうか判断できない。
評価項目5自分だけでなく,他のメンバーも計画通りに目標達成できるよう,計画立案や実験実施に積極的に関わることができる。設定された計画に従って目標達成できるよう,自律して行動できる。他者の指導の下,設定された計画に従って目標達成できるよう,行動できる。設定された自分の目標に向かって計画通りに行動できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門
学習の分野:実験・実習
基礎となる学問分野:電気電子工学およびその関連分野/制御およびシステム工学関連,情報科学,情報工学およびその関連分野/情報ネットワーク関連

専攻科学習目標との関連:本科目は専攻科学習目標「(3)特別実験の実践的学習を通じて,専攻分野に関連する知識理解を深化させると同時に、実験を遂行し,データを解析・考察できる。」「(2)電気・電子,情報・制御に関する専門技術分野の知識を修得し,機械やシステムの設計・製作・運用に活用できる。」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(C)自主的・継続的に実験を遂行し、データを解析・考察できる,C-2:課題解決のために他者と共通認識を形成しながら,組織的な取り組みができること」であるが,付随的には「A-2」,「C-1」,「D-1」,「D-2」にも関与する。

授業の概要:特別実験では,エンジニアリングの現場で必須のチームワーク力を養成するため,本科で学習した内容に関する実験へ組織的に取り組む。
授業の進め方・方法:
授業の方法:電気電子系の実験は,グループ分けをせず15週で2テーマの実験を実施する。情報系の実験は,学生を2グループに分けて,グループ毎に7週にわたって実験を実施する。それぞれの実験では,チームワーク力の育成を念頭に置いて,学生間で協力して組織的に課題に取り組むこと。教員3名が各実験を担当する。テーマ毎に報告書を提出する。各実験の実施方法は下記の通りである。

・電気電子系の実験は,授業計画に示す2テーマを15週で行う。(担当:中村)。なお,1週目にガイダンスを行う。実験の実施方法は下記の通りである。
各種電気・電子・情報系のコンテストに応募することを念頭に教材となる電気・電子回路の考案,設計,製作,プログラミング,動作実験を行う.数名のグループに分かれて,話し合いながら進めることでチームワーク力を涵養する.プリント基板の設計・製作まで行い,コンテストに応募する.

・情報系の実験は2グループに分かれて行い,1グループで7週,合計で15週の実験を行う。(担当:大西,曽利)。なお,1週目はガイダンスを行う。

大西担当実験の実施方法:
週ごとに設定する小課題について,前半時間で調査,後半時間で調査結果に基づく実験実習を行う。学生ごとに専攻科入学以前に学んできた内容などが異なるが,個々人の能力や興味に基づいて適切に役割分担を行い,各週の実験完了時には,すべての学生が同じ知識・技術レベルになるよう協力して実験にあたること。協力がうまくいっていることを確認するため,最終週の実験では,それまでに修得した知識と技術を活かして,1つの構内ネットワークを協力して構築してもらう。

曽利担当実験の実施方法:
週ごとに設定する課題について,1グループ3~4名に分かれて実験実習を行う。
各課題に対して,グループ中で学生の能力や興味に基づいて適切に役割分担を行う。各週の実験完了時には,すべての学生が同じ知識・技術レベルになるよう協力して実験にあたること。協力体制,チームワーク力が確立できているか確認するため,最終週の実験では,それまでに習得した知識と技術を活かして,四輪型車のモータ制御系コントローラを設計し,実証実験を行う。

成績評価方法:実験担当教員ごとに評価(100%)を行い,その平均点により評価する。実験担当教員は,下記の評価方法を基本として,本科目の学習目的や到達目標に基づいて評価を行うが,評価の詳細は担当者ごとに異なるため,指示をよく聞いて的確に対応すること。

評価方法:
週ごとに役割分担の状況と役割の達成状況を相互評価してもらう。その結果に基づいて,教員がチームワーク力を評価する(70%)。また,実験報告書により,到達した知識レベルと技術レベルを評価する(30%)。
授業時間外の学修の評価と授業時間外の学習の評価の割合は,各教員で設定し,別紙にまとめて保管する。

注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:工学技術に関する基本的な技術を実験で理解する貴重な機会である。このことを理解して,真剣に取り組んでもらいたい。
各実験内容に関連して本科で学習している内容やそのレベルは,個々の学生の出身によって大きく異なる。自身やグループメンバーのこれまでの学修状況を鑑みて,全員の見識が広まるように協力して実験を進めること。そのため,適宜教員が与えるアドバイスを参考にすること。

基礎科目:ディジタル工学(電気電子,情報3年),電子回路I,II(電気電子3,4),電子回路(情報4),制御工学(電気電子,情報4),情報ネットワーク応用(情報4),情報通信工学(情報4)など
関連科目:電子・情報システム特別研究(専2年) など

受講上のアドバイス:上記の授業計画は例示であり,実際の進行は異なりうる。実験場所やグループ分けについては事前にメールや掲示で指示することがあるので,注意しておくこと。グループ内での進行や注意事項はガイダンス時に指示があるので,必ず参加して指示内容を確認すること。遅刻の扱いについても,ガイダンスで指示する。
本科の実験とは異なり,実験内容・データの取り方・レポートのまとめ方など細かく指示はしないので,各自の判断で重要な点を考えながら進めて欲しい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電気電子系実験のガイダンス
2週 実験〔マイコン回路の考案,設計・製作,プログラミングと動作実験〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第一回電気電子系実験の完了
3週 実験〔マイコン回路の考案,設計・製作,プログラミングと動作実験〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第二回電気電子系実験の完了
4週 実験〔マイコン回路の考案,設計・製作,プログラミングと動作実験〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第三回電気電子系実験の完了
5週 実験〔マイコン回路の考案,設計・製作,プログラミングと動作実験〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第四回電気電子系実験の完了
6週 実験〔マイコン回路の考案,設計・製作,プログラミングと動作実験〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第五回電気電子系実験の完了
7週 実験〔マイコン回路の考案,設計・製作,プログラミングと動作実験〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第六回電気電子系実験の完了
8週 報告書修正,追加実験(授業時間外:報告書修正) ここまでの電気電子系実験の完了と報告書提出の完了
2ndQ
9週 実験〔プリント基板の設計と製作〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第七回電気電子系実験の完了
10週 実験〔プリント基板の設計と製作〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第八回電気電子系実験の完了
11週 実験〔プリント基板の設計と製作〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第九回電気電子系実験の完了
12週 実験〔プリント基板の設計と製作〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第十回電気電子系実験の完了
13週 実験〔プリント基板の設計と製作〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第十一回電気電子系実験の完了
14週 実験〔出前授業〕 グループ活動に基づく第十二回電気電子系実験の完了
15週 報告書修正,追加実験(授業時間外:報告書修正) 電気電子系実験の完了と報告書提出の完了
16週 報告書修正,追加実験(授業時間外:報告書修正) 電気電子系実験の完了と報告書提出の完了
後期
3rdQ
1週 情報系実験のガイダンス
2週 実験〔ネットワークシステムの設計と構築〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第一回ネットワーク実験の完了
3週 実験〔ネットワークシステムの設計と構築〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第二回ネットワーク実験の完了
4週 実験〔ネットワークシステムの設計と構築〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第三回ネットワーク実験の完了
5週 実験〔ネットワークシステムの設計と構築〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第四回ネットワーク実験の完了
6週 実験〔ネットワークシステムの設計と構築〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第五回ネットワーク実験の完了
7週 実験〔ネットワークシステムの設計と構築〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第六回ネットワーク実験の完了
8週 報告書修正,追加実験 ネットワーク実験の完了と報告書提出の完了
4thQ
9週 実験〔H8マイコンによる組込みプログラミング〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第一回組込システム実験の完了
10週 実験〔H8マイコンによる組込みプログラミング〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第二回組込システム実験の完了
11週 実験〔H8マイコンによる組込みプログラミング〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第三回組込システム実験の完了
12週 実験〔MATLABによる制御シミュレーション〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第四回組込システム実験の完了
13週 実験〔四輪型モーター制御実験〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第五回組込システム実験の完了
14週 実験〔四輪型モーター制御実験〕
(授業時間外:レポート作成など)
グループ活動に基づく第六回組込システム実験の完了
15週 報告書修正,追加実験(授業時間外:報告書修正) 組込システム実験の完了と報告書提出の完了
16週 報告書修正,追加実験(授業時間外:報告書修正) 全実験の完了と報告書提出の完了,成績確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合000030030
基礎的能力0000000
専門的能力000030030
分野横断的能力000