数値解析特論

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 数値解析特論
科目番号 0034 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子・情報システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 堀之内總一他「Cによる数値計算法入門」(森北出版), 山本哲朗「数値解析入門(増訂版)」等
担当教員 菊地 洋右

到達目標

学習目的:大規模な工学的現象に関する計算をコンピュータにやらせるには,コンピュータ特有の誤差について理解する必要がある。また,コンピュータの特徴を活かす計算法や一般的な解法がない問題の近似解を求める方法について理解する必要がある。これらの理解を得ることを目的とする。
到達目標
1. コンピュータ上で生じる各種の誤差について理解する。
2.代表的な数値計算法の原理や特徴を説明できる。

ルーブリック

不可
評価項目1数値誤差を4つ以上挙げ,説明できる。数値誤差の種類を4つ以上挙げられる。かつ説明が提示されれば,どの説明がどの誤差かを結びつけることができる。数値誤差の種類を4つ以上挙げられる。説明が提示されても,どの説明がどの誤差かを結びつけることができない。数値誤差の種類を4つ以上挙げられない。
評価項目2二分法,ニュートン法の考えを用いたプログラムを,教科書を見ながら書ける。二分法,ニュートン法の考えを用いた計算を,教科書を見ながらエクセルで行える。教科書にある例題を,二分法,ニュートン法の考えを用いて,エクセルで解ける。教科書にある例題をエクセルで行えない。
評価項目3LU分解,ガウス-ザイテル法,台形公式,オイラー法の考えを用いたプログラムを,教科書を見ながら書ける。教科書にある例題に対して,LU分解,ガウス-ザイテル法,台形公式,オイラー法を用いたプログラムを,教科書を見ながら作成できる。教科書にある例題に対して,LU分解,ガウス-ザイテル法,台形公式,オイラー法を用いたプログラムを,教科書を見ながら2つ以上作成できる。教科書にある例題に対して,LU分解,ガウス-ザイテル法,台形公式,オイラー法を用いたプログラムを,教科書を見ながら2つ以上作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:情報・制御
基礎となる学問分野:情報学/計算基盤/高性能計算
専攻科学習目標との関連:本科目は「(2) 電気・電子,情報・制御に関する専門技術分野」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化, A-2:「電気・電子」「情報・制御」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的には「A-1」にも関与する。
授業の概要:あらゆる工学分野の技術開発において,シミュレーションは欠くことはできない。シミュレーションでは,工学的現象を記述した様々な数式をコンピュータに計算させる。本科目は,コンピュータ上での計算にまつわる独特の注意点や計算法について理解することを目的としている。
授業の進め方・方法:
授業の方法:授業では,教科書の理解を助けるための説明を,資料や板書を利用しながら行う。ただし,受講人数によっては,輪講形式で行うこともありうる。また,演習もできるだけ行う。必要に応じて,教科書にない内容を配付資料に基づいて説明することもある。原則,学習内容ごとに予習または復習課題を提示する。
成績評価方法:2回の試験結果に重みをつけて評価する(100%)。再試験は原則行わない。ただし,定期試験の結果をもって単位認定を正当に結論できないと判断した場合には再試験を行い,その結果次第で期末成績を見直すことがありうる。原則として,いずれの試験にも教科書・ノートの持込を許可しないが,状況によっては許可することもありうる。
ルーブリックに基づいて定期試験を作成するが, 定期試験がルーブリックの評価項目を必ずしも網羅しているとは限らない。
注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。事前に行う準備学習としてBlackboardで告知されるテーマについて教科書で確認しておくこと。

履修のアドバイス:コンピュータ・シミュレーション・システムを開発したい学生が,それに必要な基礎的知識を習得する目的に向いた科目である。また,これまでに学んできた数学の知識が強く求められる科目である。

基礎科目:基礎数学Ⅰ(1年),微分積分Ⅰ(2), 基礎線型代数(2),微分積分Ⅱ(3),応用数学Ⅱ(電気4,情報4),プログラミングⅠ(情報1),プログラミングⅡ(情報2),プログラミング言語(情報3),電子・情報システム特別実験(専1年)等

受講上のアドバイス:授業開始前に行う出席確認に遅れた者は遅刻として扱う。遅刻は1単位時間の欠課として扱う。今まで学習した微分積分,線型代数など,数学の知識がベースとなっているので,それらのテキストやノートを適宜,参照できるようにしておくこと。また,予習課題は授業時間外の学習の主たる内容となるので,手を抜かずしっかりと取り組むこと。この取り組みにより,内容の理解度がかなり向上するはずである。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 講義内容のガイダンス 講義の位置づけを理解する。
2週 誤差 誤差の種類を2つ以上挙げられる。
コンピュータ上での数値の表現方法が誤差に関係していることを理解している。
コンピュータ上で数値計算を行う際に発生する誤差の影響を理解している。
3週 方程式(二分法,ニュートン法) 二分法を説明できる。
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。
4週 方程式(縮小写像の原理) 縮小写像の原理を説明できる。
5週 連立1次方程式1(掃き出し法) 教科書を見ながら掃き出し法のプログラムを作成できる。
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。
6週 連立1次方程式2(LU分解,ガウス-ザイテル法) 教科書を見ながらLU分解のプログラムを作成できる。
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。
7週 関数補間 教科書を見ながら関数補間のプログラムを作成できる。
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。
8週 中間試験 自分の知識を確認する。
4thQ
9週 中間試験の答案返却と解答解説 自分の知識を点検し、改善する。
10週 数値積分1(台形公式) 教科書を見ながら台形公式のプログラムを作成できる。
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。
11週 数値積分2(シンプソン公式) 教科書を見ながらシンプソン公式のプログラムを作成できる。
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。
12週 数値積分3(ニュートン-コーツ公式,複合積分公式) ニュートン-コーツ公式,複合積分公式を説明できる。
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。
13週 常微分方程式1(オイラー法,ホイン法) 常微分方程式の初期値問題を説明できる。
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。
14週 常微分方程式2(ルンゲ-クッタ法) 教科書を見ながら2次のルンゲ-クッタ法のプログラムを作成できる。
コンピュータ向けの主要な数値計算アルゴリズムの概要や特徴を説明できる。
15週 (学年末試験) 自分の知識を確認する。
16週 学年末試験の答案返却と解答解説 自分の知識を点検し、改善する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題その他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力10000000100
分野横断的能力0000000