機械設計法Ⅰ

Course Information

College Tsuyama College Year 2017
Course Title 機械設計法Ⅰ
Course Code 0016 Course Category Specialized / Compulsory
Class Format Lecture Credits School Credit: 1
Department Department of Mechanical Engineering Student Grade 3rd
Term Second Semester Classes per Week 2
Textbook and/or Teaching Materials 教科書:塚田忠夫ほか「機械設計法 第3版」(森北出版)。教科書は,必要最小限な項目のみを記述しているので,その他参考書を参照して自ら関連項目の知識を深めることを勧める。 参考書: JISハンドブック「機械要素」(日本規格協会)など図書館に多数所蔵。
Instructor KONISHI Daijiro

Course Objectives

学習目的:機械設計の基本的な考え方を理解することで,デザイン基礎能力を修得する。また,工業力学や材料力学の知識を機械要素設計に応用する能力を修得する。

到達目標
1. 機械設計に関する基本的な考え方が説明できる。
2. 機械設計の手順や設計に考慮すべき事項が説明できる。
3. 機械要素(ねじ・軸)の機能・原理を理解し,機械要素の選択や規格運用ができる。
4. 機械材料,材料力学,工業力学などの知識を活用して,機械要素を合理的かつ安全に設計できる。

Rubric

不可
評価項目1知識を融合して課題に取り組むことができ,知識・技術の社会への影響を設計に考慮できる。知識を融合することで設計要件・問題点等の課題を明確にできる。設計要件・問題点等の課題を言える。設計要件・問題点等の課題を言えない。
評価項目2機械の機能・生産性と設計との関係を説明でき,かつ品質,コスト,納期がトレードオフの関係にあることが説明できる。対象となるものを設計する際に品質,コスト,納期を配慮しなければならないことを例示しながら説明できる。対象となるものを設計する際に品質,コスト,納期を配慮しなければならないことを言える。対象となるものを設計する際に品質,コスト,納期を配慮しなければならないことを言えない。
評価項目3設計対象をモデル化することでその機能の本質を理解し,かつ設計対象となるものを品質,コスト,納期を配慮しながら設計できる。設計対象となるものを品質,コスト,納期を配慮しながら設計できる。設計対象となるものを合理的に概ね設計できる。設計対象となるものを合理的に設計できない。
評価項目4公式ではなく,力学の概念と知識から必要な設計式を理解して,活用できる。力学の知識を設計解導出の手段として活用できる。設計式を設計解導出の手段として概ね使える。設計式を設計解導出の手段として使えない。

Assigned Department Objectives

Teaching Method

Outline:
一般・専門の別:専門 学習の分野:設計と生産・管理

必修・履修・履修選択・選択の別:必修

基礎となる学問分野 :工学/機械工学/設計工学・機械機能要素・トライボロジー

授業の概要:機械設計とは人間が必要とする機能を一つの機械システムに具体化する知的な作業過程であると同時に広い知識を柔軟な考え方でまとめ総合する技術でもある。機械設計とは何かを考えることを主題とし,機械を設計するための基本的考え方や方法について解説するとともに機械を構成する代表的な機械要素(ねじ・軸)を例にその設計法を解説する。
Style:
授業の方法:1週1単位時間の授業だが,時間割編成上,後期2単位時間で開講する。板書を中心に,設計に必要とされる力学との関連に注意しながら授業を進める。また,理解が深まるよう学習の進度にあわせて,演習指導をする。

成績評価方法:2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。試験には,教科書・ノートの持込を許可しない。演習(30%)。定期試験の再試験は実施しない。
Notice:
履修上の注意:学年の課程修了のため履修が必修である。

履修のアドバイス:機械要素設計については,継続して機械設計法Ⅱ(4年)で教授する。教科書は同じものを使用する。

基礎科目:機械工学入門(1年),工業材料(2),機械設計製図Ⅰ~Ⅲ(1~3),工業力学(3)・材料力学Ⅰ・Ⅱ(3),機構学(3)など

関連科目:機械設計法Ⅱ(4年),設計製作課題演習(4),材料力学Ⅲ(4),機械設計(4,5),応用機械設計(5),応用設計工学(専1)など

受講上のアドバイス:各週の授業の予習・復習を十分すること。本来,機械設計は「総合」に重きを置く分野であるので,他の科目で学習した知識と関連させて学習するよう心掛けること。
遅刻は25分までとし,これを越えるときは欠席と見なす。

Course Plan

Theme Goals
2nd Semester
3rd Quarter
1st ガイダンス1,機械と機械要素〔機械の定義,機械要素〕 機械の定義、機械の一般的な構造を説明できる。
機械を構成する主な機械要素の種類と役割を説明できる。
2nd 機械設計の要点〔設計のための3つの行動パターン,よい機械・よい設計〕 機械設計の流れと方法を説明できる。
3rd 設計のプロセスと設計支援技術〔機械設計の手順,コンピュータ援用技術〕 設計のプロセスと設計支援技術が説明できる。
CAD/CAM/CAEの概要と、それぞれを実現している要素技術について説明できる。
4th 設計の工夫〔標準化,生産しやすい設計,安全・安心・環境に配慮した設計〕 工業製品の標準化と設計の関係を説明できる。
標準規格と標準数の意義を説明できる。
生産における設計の役割について説明できる。
生産・機械の寿命や安全と設計との関係を説明できる。
5th 強度・剛性設計〔設計の検討課題(強度設計・剛性設計・精度設計),荷重の作用形式と時間変化,材料の機械的性質,引張試験,弾性と塑性〕 荷重の種類および荷重による材料の変形を説明できる。
機械的性質の内容、脆性およびじん性の意味を説明できる。
応力−ひずみ線図の特徴(材質による違い)および機械材料の破損の主な現象を理解する。
弾性・塑性変形、弾性限度、比例限度、降伏点(上下降伏点)、耐力等の基礎用語の意味が分かり、線図上で説明できる。
6th 設計時に考慮すべき材料強度〔静荷重・繰返荷重に対する強度,環境や疲労による破壊,材料強度に関する設計の注意点,許容応力と安全率〕 剛性とコンプライアンスを説明できる。
応力集中、使用環境による機械的性質の変化、疲労破壊、許容応力、安全率の意味を説明できる。
部品の形と応力集中の関係を理解できる。
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。
疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。
基準の強さ、許容応力と安全率との関係、安全率の考え方と必要性を説明できる。


7th 精度と精度設計〔精密さと正確さ,精度の3要素,独立の原則,機能的互換性,寸法公差およびはめあい,幾何公差,表面性状〕 寸法公差、はめあい、幾何公差、表面性状の基本的な事項を説明できる。
8th (後期中間試験)
4th Quarter
9th 後期中間試験の返却と解答解説,ガイダンス2,機械要素としてのねじ〔ねじの機能〕,ねじの基本〔ねじ展開モデル,ねじ山の形状,ねじの表し方〕 ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。
規格によるねじの呼び方、ねじ山の形により期待される機能が異なることを説明できる。
機能から適したねじを選択できる。
10th ねじの力学〔斜面の原理,締付トルク,ねじ山の形状と摩擦,ねじの効率,ねじ山の形状とねじの性能,ねじの自立条件〕 ねじを締めたり緩めたりする場合の与える力 F (入力)と締結機能を発揮する力 Q (出力)との関係式が求められる。
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。
11th ねじの強度設計〔ねじの太さ,有効断面積,機械的性質,ねじのはめあい長さ,ねじ部品とねじの緩み止め〕 ボルト・ナット結合における締付けトルク、効率を計算できる。
三角ねじと角ねじとの比較が締付け力 F と効率の点でできる。
強度計算からおねじの太さとはめあい長さが求められる。
ボルトに作用する応力、ねじ山に作用するせん断力、接触面圧を計算できる。
強度計算からおねじの太さとはめあい長さが求められる。
ボルトに作用する応力、ねじ山に作用するせん断力、接触面圧を計算できる。
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を説明できる。
ねじ部品の使い方が説明できる。
12th 機械要素としての軸〔動力伝達システム,軸の種類,軸の設計,動力とトルク〕 軸の種類と用途を説明できる。
作用する外力の種類から軸を分類できる。
13th 軸の強度と剛性〔ねじりや曲げを受ける軸,軸の材料,回転軸の危険速度〕 軸を設計する際に考慮すべき事項を説明できる。
軸の強度、変形を計算できる。
仕様から軸の直径を規格にしたがって決定できる。
周期、振動数など単振動の様子を表す諸量を求めることができる。
単振動での速度、加速度、力の関係を説明することができる。
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。
軸の危険速度を計算できる。
14th 軸と回転部品の接合と軸継手〔キーなど,軸継手〕 軸とボス(ハブ)との結合方法、軸と軸との結合方法の特徴を理解して、適切な結合方法の選択ができる。
キーの強度を計算できる。
軸継手の種類と用途を理解できる。
15th (後期末試験)
16th 後期末試験の返却と解答解説,まとめ

Evaluation Method and Weight (%)

試験課題相互評価態度ポートフォリオその他Total
Subtotal70300000100
基礎的能力0000000
専門的能力70300000100
分野横断的能力0000000