学習目的:材料力学の基本的な考え方を理解することで,デザイン基礎能力を修得する。また,部材の応力や変形を数式によって理解することにより必要十分な部材寸法を決定できる能力を修得する。
到達目標:
1.はりに生じるたわみ角とたわみを計算できる。
2.ねじりにおける応力と変形を理解し,計算できる。
3.多軸応力について理解し,任意の面に生じる応力を計算できる。
4.ひずみエネルギーを計算し,それを使って材料力学の問題を解くことができる。
概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:材料と構造
必修・履修・履修選択・選択の別:必修
基礎となる学問分野:工学/機械工学/材料力学
学科学習目標との関連:本科目は機械工学科学習目標「(2)エネルギーと流れ,材料と構造,運動と振動,設計と生産・管理,情報と計測・制御,機械とシステムに関する専門技術分野の知識を修得し,工学現象の解析や機械の設計・製作に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を習得し,説明できること」であるが,付随的には「A-1」にも関与する。
授業の概要:材料の機械的性質を基に,外力を受ける部材の変形,部材内部に生じる応力およびそれらの相互関係を数式によって理解させる。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心に,基礎科目との関連に注意しながら授業を進める。また,理解が深まるよう学習の進度に合わせて演習指導を行い,適宜レポートを課す。
成績評価方法:4回の定期試験の結果を同等に評価する(70%)。小テスト,レポートなど(30%)。試験はノートの持込を許可しない。再試験を行うことがある。
注意点:
履修上の注意:本科目は,履修が必須である。
履修のアドバイス:微分積分や力学に関する基本的な箇所を復習しておくこと。教科書は,材料力学ⅠⅡ(3年)と同じものを使用する。
基礎科目:機械工学入門(1年),基礎数学Ⅰ(1),微分積分Ⅰ(2), 工業力学(3),材料力学ⅠⅡ(3)
関連科目:材料力学Ⅰ,Ⅱ(3年),機械設計法Ⅰ(3),Ⅱ(4),設計製作課題演習(4),応用機械設計Ⅱ(5),卒業研究(5),材料強度学(専2)
受講上のアドバイス:必要に応じて復習しながら授業を進めるが,予習・復習と,講義に関連する演習問題を自ら解く積極性が大切である。授業時間を15分過ぎて入室した場合,欠課として扱う。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 力学 | ねじりを受ける丸棒のせん断ひずみとせん断応力を計算できる。 | 4 | |
丸棒および中空丸棒について、断面二次極モーメントと極断面係数を計算できる。 | 4 | |
軸のねじり剛性の意味を理解し、軸のねじれ角を計算できる。 | 4 | |
はりの定義や種類、はりに加わる荷重の種類を説明できる。 | 3 | 前1 |
はりに作用する力のつりあい、せん断力および曲げモーメントを計算できる。 | 3 | 前1 |
各種のはりについて、たわみ角とたわみを計算できる。 | 3 | 前2,前3,前4,前5,前6,前9,前10,前11,前12,前13,前14 |
多軸応力の意味を説明できる。 | 3 | |
二軸応力について、任意の斜面上に作用する応力、主応力と主せん断応力をモールの応力円を用いて計算できる。 | 3 | |
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 4 | |
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。 | 4 | |
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。 | 4 | |
材料 | 疲労の意味を理解し、疲労試験とS-N曲線を説明できる。 | 4 | |
機械的性質と温度の関係およびクリープ現象を説明できる。 | 4 | |
金属と合金の結晶構造を説明できる。 | 4 | |
金属と合金の状態変化および凝固過程を説明できる。 | 4 | |
合金の状態図の見方を説明できる。 | 4 | |
加工硬化と再結晶がどのような現象であるか説明できる。 | 4 | |
鉄鋼の製法を説明できる。 | 4 | |
炭素鋼の性質を理解し、分類することができる。 | 4 | |
Fe-C系平衡状態図の見方を説明できる。 | 4 | |