熱力学Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 熱力学Ⅱ
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 金原粲ほか「専門基礎ライブラリー 熱力学 事例でわかる考え方と使い方」(実教出版)
担当教員 佐伯 文浩

到達目標

学習目的:熱エネルギーに関する基本的知識を身に付けるとともに,工学技術への応用やエネルギーの有効利用について理解を深める。

到達目標:
1.熱力学第一法則を理解し,エネルギーの授受を計算できる。
2.熱力学第二法則を理解し,エントロピー変化を計算できる。
3.代表的なサイクルについて説明し,熱効率・成績係数を計算できる。
4.蒸気の性質を理解し,蒸気の状態量を計算することができる。

ルーブリック

不可
評価項目1熱力学第一法則の一貫した表現に基づき,閉じた系および開いた系の状態変化におけるエネルギーの授受を矛盾なく説明し,正確に計算できる。熱力学第一法則に基づき,閉じた系および開いた系におけるエネルギーの授受を計算できる。閉じた系および開いた系におけるエネルギーの授受を説明できる。左記に達していない。
評価項目2可逆過程と不可逆過程の違いを熱効率やエントロピーの観点から説明できる。また,理想気体の可逆変化におけるエントロピー変化を計算でき,T-S線図で表現できる。熱移動に伴うエントロピー生成について説明できる。また,理想気体の可逆変化におけるエントロピー変化を計算できる。熱力学第二法則を身近な現象や機械と関係付けて説明できる。また,エントロピーの定義を示すことができる。左記に達していない。
評価項目3カルノーサイクルおよび代表的なサイクルについて説明し,理想気体の状態変化に関する知識を応用して熱効率を導出できる。カルノー熱機関の熱効率とカルノー冷凍機・ヒートポンプの成績係数を計算できる。また,代表的なサイクルについて説明できる。熱効率と成績係数の定義を理解し,計算できる。また,熱源とやり取りされる熱量と仕事の関係を理解し,計算できる。左記に達していない。
評価項目4 湿り蒸気の状態量の求め方と蒸気表を利用して,水の状態変化における状態量変化を計算できる。湿り蒸気の比容積,比エンタルピー,比エントロピーを計算できる。水の等圧蒸発過程を例に,飽和温度,潜熱,圧縮液,飽和液,湿り蒸気,乾き飽和蒸気,過熱蒸気について説明できる。また,蒸気表の見方を理解している。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

学習の分野:エネルギーと流れ

必修・履修・履修選択・選択の別:必修

基礎となる学問分野:工学/機械工学/熱工学

学科学習目標との関連:本科目は機械工学科学習目標「(2)エネルギーと流れ,材料と構造,運動と振動,設計と生産・管理,情報と計測・制御,機械とシステムに関する専門技術分野の知識を修得し,工学現象の解析や機械の設計・製作に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。

授業の概要:本科目は基礎科学に対応する学問であり,科学的思考を養う。熱エネルギーと仕事の相互変換および物質の状態変化の基礎について,工学技術への応用も考慮して解説する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:授業は板書を中心に進め,できるだけ丁寧に解説を行う。また,多くの演習問題を通して基礎理論の理解が深まるように配慮する。本科目は前期開講科目である。

成績評価方法:2回の定期試験の成績を同等に評価し(定期試験70%),これに演習と時間外の課題(30%)を加えた総合評価とする。試験には,教科書,ノートの持ち込みは許可しない。成績が60点未満の学生に対して再試験を実施する場合がある。その場合,定期試験と再試験の平均点を試験分として成績を再評価する。ただし,再評価による成績の上限は60点とする。なお,再試験の実施および受験資格は,該当者の学習態度を踏まえて判断する。
注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学習を必修とする科目」である。1単位あたり授業時間として15単位時間開講するが,これ以外に30単位時間の学習が必修となる。これらの学習については担当教員の指示に従うこと。必修科目であり,課程修了には履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須となる。

履修のアドバイス:熱力学は機械工学の基盤をなす重要な力学の1つである。基礎科目の内容をしっかり理解しておくことが望ましい。

基礎科目:物理Ⅱ(2年),微分積分Ⅰ(2),微分積分Ⅱ(3)

関連科目:熱力学Ⅰ(4年),流体工学Ⅰ,Ⅱ(4),熱機関(5),流体機械(5),伝熱工学(5),エネルギーシステム工学(専1),流体力学(専2)

受講上のアドバイス:暗記ではなく,知識を積み上げながら理解することが重要である。演習や課題には意欲的に取り組み,自ら考え理解を深めること。前期の熱力学Iの知識が前提となるため,必要に応じて復習すること。20分を越える遅刻・早退は1欠課,65分を越える遅刻・早退は2欠課とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 本年度は開講しない。
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。4
閉じた系と開いた系、系の平衡、状態量などの意味を説明できる。4
熱力学の第一法則を説明できる。4
閉じた系と開いた系について、エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。4
閉じた系および開いた系が外界にする仕事をp-V線図で説明できる。4
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。4
定積比熱、定圧比熱、比熱比および気体定数の相互関係を説明できる。4
内部エネルギーやエンタルピーの変化量と温度の関係を説明できる。4
等圧変化、等積変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化の意味を理解し、状態量、熱、仕事を計算できる。4
熱力学の第二法則を説明できる。4
サイクルの意味を理解し、熱機関の熱効率を計算できる。4
カルノーサイクルの状態変化を理解し、熱効率を計算できる。4
エントロピーの定義を理解し、可逆変化および不可逆変化におけるエントロピーの変化を説明できる。4
サイクルをT-s線図で表現できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000