到達目標
学習目的:物理学は自然科学の中で最も基礎的な学問の一つであり,様々な工学技術の分野に物理学の成果や手法が応用されている。本科目では,剛体の運動について学習し,その計算方法を習得する。また,取り扱う応用物理実験を安全に正しく行うことを目的とする。
到達目標:
1.二体系と質点系について微分方程式を使って表現でき,また解析できる。
2.典型的な剛体の運動系について微分方程式を使って表現でき,また解析できる。
3.測定機器などの取り扱いを理解し,安全に応用物理実験を行うことができる。
4.応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書を作成できる。
※分野横断能力については該当しない。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 不可 |
評価項目1 | 二体系と質点系について,授業で取り扱うほとんどの問題の解答を作成できる。 | 二体系と質点系について,授業で取り扱う基礎的な複合問題の解答を作成できる。 | 二体系と質点系について,授業で取り扱う基礎項目の問題の解答を作成できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目2 | 剛体の力学について,授業で取り扱うほとんどの問題の解答を作成できる。 | 剛体の力学について,授業で取り扱う基礎的な複合問題の解答を作成できる。 | 剛体の力学について,授業で取り扱う基礎項目の問題の解答を作成できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目3 | 測定器を正しく取り扱い,安全に精度良く工夫しながら応用物理実験を行うことができる。 | 測定器を正しく取り扱い,安全に精度良く応用物理実験を行うことができる。 | 測定器を正しく取り扱い,安全に応用物理実験を行うことができる。 | 左記に達していない。 |
評価項目4 | 応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書をまとめ,物理的な考察が十分できる。 | 応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書をまとめ,物理的な考察ができる。 | 応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書をまとめることができる。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
一般・専門の別:専門
学習分野:自然科学系共通・基礎
必修・履修・履修選択・選択の別:履修選択
基礎となる学問分野:数物系科学/物理/物理一般
学科学習目標との関連:本科目は機械工学科学習目標「(1) 数学,物理を中心とした自然科学系の科目に関する知識を修得し,機械工学に関する基礎知識として応用する能力を身につける。」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-1:工学に関する基礎知識として,自然科目の幅広い分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的には「A-3」にも関与する。
授業の概要:前期では講義を行い,応用物理Ⅰでは取り扱わなかった力学の部分に焦点を当てる。後期では実験を行い,今までに履修してきた物理の理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業の方法:前期は講義であり,板書を中心に授業を進めるが,理解を深めるためにできるだけ学生に質問をする。後期は実験であり,目的・理論・使用器具を事前レポートとして書いておき予習した上で実験を遂行していく。
成績評価方法:
前期:2回の定期試験で70%,演習・小テスト・レポートで30%とする。試験は教科書・ノートの持込を許可しない。なお,定期試験が60点未満の学生に対して再試験を行い,60点を上限とする得点を定期試験の点数と差し替える。
後期:実験報告書,事前レポートの作成などの実験への取組により評価する。実験レポートに問題がない場合を85点程度とし,内容と提出状況により減点する。もちろん,優秀な実験レポートに対しては加点もある。
最終的な評価は(前期の点数+後期の点数)÷2とする。
注意点:
履修上の注意:前期は講義で,後期は実験である。前期と後期それぞれで合格点となるよう不断の努力をすること。
履修のアドバイス:3年生までに履修した物理や数学を折に触れて復習しておくこと。
基礎科目:物理Ⅰ(1年),物理Ⅱ(2),応用物理Ⅰ(3),工業力学(3),3年次までの数学
関連科目:数理科学Ⅰ(4年),応用数学Ⅰ・Ⅱ(4)
受講上のアドバイス:本科目は原子力コア人材育成関連科目である。
前期:3年生までの基本的な数学を修得していないと理解することが難しいので,折に触れて復習しておくこと。
後期:目的・理論・使用器具の部分を事前レポートとして準備して実験すること。
実験に支障が出るので,遅刻をしないこと。
授業開始25分以内であれば遅刻とし,遅刻3回で1欠課とする。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
前期ガイダンス(以下の項目はテキスト「電磁気・原子」) |
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2週 |
2体系の重心 |
重心の理解
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3週 |
相対運動と換算質量,運動量保存則 |
相対運動と換算質量,運動量保存則の理解
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4週 |
衝突,角運動量 |
反発係数,角運動量の理解
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5週 |
角運動量保存則 |
角運動量保存則,重心の運動に対する相対運動の理解
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6週 |
演習 |
演習による理解の深化
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7週 |
(前期中間試験) |
60点以上のスコア
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8週 |
前期中間試験の答案返却と試験解説,回転運動 |
見直し 。回転運動,偶力の理解
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2ndQ |
9週 |
質点系の重心,剛体の重心 |
質点系の重心,剛体の重心の理解
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10週 |
並進運動に関する運動方程式 |
並進運動に関する運動方程式の理解
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11週 |
剛体の運動方程式 |
質点系の並進運動・回転運動,剛体の並進運動・回転運動に関する運動方程式の理解
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12週 |
剛体のつりあい,剛体の慣性モーメント1 |
剛体のつりあい,剛体の慣性モーメントの理解
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13週 |
剛体の慣性モーメント2,剛体に関する運動方程式の適用例 |
慣性モーメントの計算,剛体に関する運動方程式の適用の理解
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14週 |
演習 |
演習による理解の深化
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15週 |
(前期末試験) |
60点以上のスコア
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16週 |
前期末試験の答案返却と試験解説 |
見直し
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後期 |
3rdQ |
1週 |
後期ガイダンス |
実験の進め方,まとめ方,注意事項の理解
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2週 |
ずれ弾性率(以下の実験順は班により異なる) |
実験実施
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3週 |
2球の衝突もしくは月ロケット |
実験実施
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4週 |
音の振動数 |
実験実施
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5週 |
光の速度 |
実験実施
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6週 |
回折格子 |
実験実施
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7週 |
波動もしくは電場と電位 |
実験実施
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8週 |
(後期中間試験期間)レポート受付 |
未提出分のレポート提出
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4thQ |
9週 |
後期中間試験の答案返却と試験解説 |
実験実施
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10週 |
再実験 |
未実施実験の実施
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11週 |
フランク・ヘルツの実験 |
実験実施
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12週 |
放射線計測 |
実験実施
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13週 |
γ線逆二乗テスト |
実験実施
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14週 |
霧箱実験 |
実験実施
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15週 |
(後期末試験期間)レポート受付 |
未提出分のレポート提出
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16週 |
再実験 |
未実施実験の実施
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | 力のモーメントを求めることができる。 | 3 | |
角運動量を求めることができる。 | 3 | |
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。 | 3 | |
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。 | 3 | |
重心に関する計算ができる。 | 3 | |
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。 | 3 | |
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。 | 3 | |
物理実験 | 物理実験 | 測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。 | 3 | |
安全を確保して、実験を行うことができる。 | 3 | |
実験報告書を決められた形式で作成できる。 | 3 | |
有効数字を考慮して、データを集計することができる。 | 3 | |
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。 | 3 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 自己評価 | 課題 | 小テスト | 合計 |
総合評価割合 | 35 | 0 | 0 | 0 | 65 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 35 | 0 | 0 | 0 | 65 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |