応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0031 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:前期 柴田他「初歩から学ぶ基礎物理学 力学Ⅱ」(大日本図書)    後期 応用物理研究室著「応用物理実験書」
担当教員 佐藤 誠,佐々井 祐二

到達目標

学習目的:物理学は自然科学の中で最も基礎的な学問の一つであり,様々な工学技術の分野に物理学の成果や手法が応用されている。本科目では,剛体の運動について学習し,その計算方法を習得する。また,取り扱う応用物理実験を安全に正しく行うことを目的とする。

到達目標:
1.二体系と質点系について微分方程式を使って表現でき,また解析できる。
2.典型的な剛体の運動系について微分方程式を使って表現でき,また解析できる。
3.測定機器などの取り扱いを理解し,安全に応用物理実験を行うことができる。
4.応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書を作成できる。

※分野横断能力については該当しない。

ルーブリック

不可
評価項目1二体系と質点系について,授業で取り扱うほとんどの問題の解答を作成できる。二体系と質点系について,授業で取り扱う基礎的な複合問題の解答を作成できる。二体系と質点系について,授業で取り扱う基礎項目の問題の解答を作成できる。左記に達していない。
評価項目2剛体の力学について,授業で取り扱うほとんどの問題の解答を作成できる。剛体の力学について,授業で取り扱う基礎的な複合問題の解答を作成できる。剛体の力学について,授業で取り扱う基礎項目の問題の解答を作成できる。左記に達していない。
評価項目3測定器を正しく取り扱い,安全に精度良く工夫しながら応用物理実験を行うことができる。測定器を正しく取り扱い,安全に精度良く応用物理実験を行うことができる。測定器を正しく取り扱い,安全に応用物理実験を行うことができる。左記に達していない。
評価項目4応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書をまとめ,物理的な考察が十分できる。応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書をまとめ,物理的な考察ができる。応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書をまとめることができる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

学習分野:自然科学系共通・基礎

必修・履修・履修選択・選択の別:履修選択

基礎となる学問分野:数物系科学/物理/物理一般

学科学習目標との関連:本科目は機械工学科学習目標「(1) 数学,物理を中心とした自然科学系の科目に関する知識を修得し,機械工学に関する基礎知識として応用する能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-1:工学に関する基礎知識として,自然科目の幅広い分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的には「A-3」にも関与する。

授業の概要:前期では講義を行い,応用物理Ⅰでは取り扱わなかった力学の部分に焦点を当てる。後期では実験を行い,今までに履修してきた物理の理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業の方法:前期は講義であり,板書を中心に授業を進めるが,理解を深めるためにできるだけ学生に質問をする。後期は実験であり,目的・理論・使用器具を事前レポートとして書いておき予習した上で実験を遂行していく。

成績評価方法:
前期:2回の定期試験で70%,演習・小テスト・レポートで30%とする。試験は教科書・ノートの持込を許可しない。なお,定期試験が60点未満の学生に対して再試験を行い,60点を上限とする得点を定期試験の点数と差し替える。
後期:実験報告書,事前レポートの作成などの実験への取組により評価する。実験レポートに問題がない場合を85点程度とし,内容と提出状況により減点する。もちろん,優秀な実験レポートに対しては加点もある。
最終的な評価は(前期の点数+後期の点数)÷2とする。
注意点:
履修上の注意:前期は講義で,後期は実験である。前期と後期それぞれで合格点となるよう不断の努力をすること。

履修のアドバイス:3年生までに履修した物理や数学を折に触れて復習しておくこと。

基礎科目:物理Ⅰ(1年),物理Ⅱ(2),応用物理Ⅰ(3),工業力学(3),3年次までの数学

関連科目:数理科学Ⅰ(4年),応用数学Ⅰ・Ⅱ(4)

受講上のアドバイス:本科目は原子力コア人材育成関連科目である。
前期:3年生までの基本的な数学を修得していないと理解することが難しいので,折に触れて復習しておくこと。
後期:目的・理論・使用器具の部分を事前レポートとして準備して実験すること。
実験に支障が出るので,遅刻をしないこと。
授業開始25分以内であれば遅刻とし,遅刻3回で1欠課とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス(以下の項目はテキスト「力学Ⅱ」)
2週 2体系の重心 重心の理解
3週 相対運動と換算質量,運動量保存則 相対運動と換算質量,運動量保存則の理解
4週 衝突,角運動量 反発係数,角運動量の理解
5週 角運動量保存則 角運動量保存則,重心の運動に対する相対運動の理解
6週 演習 演習による理解の深化
7週 (前期中間試験) 60点以上のスコア
8週 前期中間試験の答案返却と試験解説,回転運動 見直し 。回転運動,偶力の理解
2ndQ
9週 質点系の重心,剛体の重心 質点系の重心,剛体の重心の理解
10週 並進運動に関する運動方程式 並進運動に関する運動方程式の理解
11週 剛体の運動方程式 質点系の並進運動・回転運動,剛体の並進運動・回転運動に関する運動方程式の理解
12週 剛体のつりあい,剛体の慣性モーメント1 剛体のつりあい,剛体の慣性モーメントの理解
13週 剛体の慣性モーメント2,剛体に関する運動方程式の適用例 慣性モーメントの計算,剛体に関する運動方程式の適用の理解
14週 演習 演習による理解の深化
15週 (前期末試験) 60点以上のスコア
16週 前期末試験の答案返却と試験解説 見直し
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス 実験の進め方,まとめ方,注意事項の理解
2週 ずれ弾性率(以下の実験順は班により異なる) 実験実施
3週 2球の衝突もしくは月ロケット 実験実施
4週 音の振動数 実験実施
5週 光の速度 実験実施
6週 回折格子 実験実施
7週 波動もしくは電場と電位 実験実施
8週 (後期中間試験期間)レポート受付 未提出分のレポート提出
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却と試験解説 実験実施
10週 再実験 未実施実験の実施
11週 フランク・ヘルツの実験 実験実施
12週 放射線計測 実験実施
13週 γ線逆二乗テスト 実験実施
14週 霧箱実験 実験実施
15週 (後期末試験期間)レポート受付 未提出分のレポート提出
16週 再実験 未実施実験の実施

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
運動の法則について説明できる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。2
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。2
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。2
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。2
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。2
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.2
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。2
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。2
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。2
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。2
重心に関する計算ができる。2
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。2

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合35000650100
基礎的能力0000000
専門的能力35000650100
分野横断的能力000000