熱力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 熱力学Ⅰ
科目番号 0054 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 金原粲ほか「専門基礎ライブラリー 熱力学 事例でわかる考え方と使い方」(実教出版)
担当教員 佐伯 文浩

到達目標

学習目的:熱エネルギーに関する基本的知識を身に付けるとともに,工学技術への応用やエネルギーの有効利用について理解を深める。

到達目標:
1.熱力学の基本概念と各種物理量の定義・単位を説明できる。
2.熱力学第一法則を理解し,状態変化におけるエネルギーの授受を計算できる。
3.理想気体の性質を理解し,状態変化に伴う熱,仕事,状態量変化を計算できる。
4.混合気体の状態量を計算できる。

ルーブリック

不可
評価項目1熱力学の基本概念と物理量の定義・単位・性質を理解し,記号および数式を用いて的確に表現できる。熱力学の基本概念と物理量の定義・単位・性質を理解している。熱力学で表れる物理量の定義・単位を理解している。左記に達していない。
評価項目2熱力学第一法則の一貫した表現に基づき,閉じた系および開いた系の状態変化におけるエネルギーの授受を矛盾なく説明し,正確に計算できる。熱力学第一法則に基づき,閉じた系および開いた系の状態変化におけるエネルギーの授受を計算できる。熱力学第一法則に基づき,閉じた系の状態変化におけるエネルギーの授受を計算できる。左記に達していない。
評価項目3理想気体の性質を理解し,状態変化に関する関係式を導出できる。理想気体の状態変化に関する関係式を用いて,エネルギーの授受と状態量変化を計算できる。理想気体の状態方程式に基づき状態量を計算できる。左記に達していない。
評価項目4混合気体の考え方を応用して湿り空気の状態量を計算できる。また,湿度の定義を理解している。質量比を用いて,混合気体の状態量を計算できる。ドルトンの法則を理解し,分圧と全圧を計算できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

学習の分野:エネルギーと流れ

必修・履修・履修選択・選択の別:必修

基礎となる学問分野:工学/機械工学/熱工学

学科学習目標との関連:本科目は機械工学科学習目標「(2)エネルギーと流れ,材料と構造,運動と振動,設計と生産・管理,情報と計測・制御,機械とシステムに関する専門技術分野の知識を修得し,工学現象の解析や機械の設計・製作に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。

授業の概要:本科目は基礎科学に対応する学問であり,科学的思考を養う。熱エネルギーと仕事の相互変換および物質の状態変化の基礎について,工学技術への応用も考慮して解説する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:授業は板書を中心に進め,できるだけ丁寧に解説を行う。また,多くの演習問題を通して基礎理論の理解が深まるように配慮する。本科目は前期開講科目である。

成績評価方法:2回の定期試験の成績を同等に評価し(定期試験70%),これに演習と時間外の課題(30%)を加えた総合評価とする。試験には,教科書,ノートの持ち込みは許可しない。成績が60点未満の学生に対して再試験を実施する場合がある。その場合,定期試験と再試験の平均点を試験分として成績を再評価する。ただし,再評価による成績の上限は60点とする。なお,再試験の実施および受験資格は,該当者の学習態度を踏まえて判断する。
注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学習を必修とする科目」である。1単位あたり授業時間として15単位時間開講するが,これ以外に30単位時間の学習が必修となる。これらの学習については担当教員の指示に従うこと。必修科目であり,課程修了には履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須となる。

履修のアドバイス:熱力学は機械工学の基盤をなす重要な力学の1つである。基礎科目の内容をしっかり理解しておくことが望ましい。

基礎科目:物理Ⅱ(2年),微分積分Ⅰ(2),微分積分Ⅱ(3)

関連科目:熱力学Ⅱ(4年),流体工学Ⅰ,Ⅱ(4),熱機関(5),流体機械(5),伝熱工学(5),エネルギーシステム工学(専1),流体力学(専2)

受講上のアドバイス:暗記ではなく,知識を積み上げながら理解することが重要である。演習や課題には意欲的に取り組み,自ら考え理解を深めること。後期の熱力学Ⅱに続くことも視野に入れ,確実な理解を目指すこと。1単位時間の半分を越える遅刻・早退は欠課とみなす。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,熱力学の基本概念1
〔熱と温度〕
熱と温度について理解する.
2週 熱力学の基本概念2〔系,熱平衡,状態量〕
熱力学の基本概念に関する課題
系と熱平衡,熱力学で扱う物理量について理解する.
3週 熱力学第一法則1〔エネルギーの保存,内部エネルギー,閉じた系の熱力学第一法則〕
熱力学第一法則に関する課題1
エネルギー保存について理解し,閉じた系の熱力学第一法則に関する基礎的な問題を解くことができる.
4週 熱力学第一法則2〔エンタルピー,開いた系の熱力学第一法則〕
熱力学第一法則に関する課題2
エンタルピーについて理解する.また,開いた系の熱力学第一法則に関する基礎的な問題を解くことができる.
5週 比熱〔定積比熱と定圧比熱〕 比熱の定義を理解する.
6週 理想気体の性質〔理想気体の状態方程式と比熱〕
理想気体の性質に関する課題
理想気体の性質を理解する.
7週 理想気体の状態変化1〔等温変化〕
理想気体の状態変化に関する課題1
理想気体の等温変化において成り立つ関係式を整理し,使うことができる.
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解答解説
10週 理想気体の状態変化2〔等圧・等積変化〕
理想気体の状態変化に関する課題2
理想気体の等圧変化と等積変化ににおいて成り立つ関係式を整理し,使うことができる.
11週 理想気体の状態変化3〔可逆断熱変化〕
理想気体の状態変化に関する課題3
理想気体の可逆断熱変化において成り立つ関係式を整理し,使うことができる.
12週 理想気体の状態変化4〔ポリトロープ変化〕
理想気体の状態変化に関する課題4
理想気体のポリトロープ変化において成り立つ関係式を整理し,使うことができる.
13週 理想気体の混合〔ドルトンの法則,混合気体の状態量〕
理想気体の混合に関する課題
ドルトンの法則を理解する.また,混合気体の状態量を計算できる.
14週 湿り空気〔湿り空気の状態量,湿度〕
湿り空気に関する課題
混合気体の考え方を湿り空気に応用できる.また,湿度の定義を理解する.
15週 前期末試験
16週 前期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000