到達目標
工学を学ぶ上で必要な複素関数論の基礎知識を習得する。
1.正則関数の基本的性質を理解する。
2.複素関数の微分積分を理解する。
3.複素関数の展開を理解し,留数定理およびその応用に習熟する。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 正則関数の基本的性質を活用し、応用できる。 | 正則関数の基本的性質を活用できる。 | 正則関数の基本的な性質を理解していない。 |
評価項目2 | 複素関数の微分積分の理論を理解し、活用できる。 | 複素関数の標準的な微分積分を計算できる。 | 複素関数の基本的な微分積分を計算できない。 |
評価項目3 | 複素関数の展開や留数定理の理論を理解し、活用できる。 | 複素関数を展開し、留数定理を活用できる。 | 複素関数を展開し、留数定理を理解していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
基礎となる学問分野:数物系科学/数学/基礎解析学
本科目は一般科目学習目標「(1)実践的技術と工学の基礎を学び,深く専門の学芸・技術を身につける」に相当する科目である。
本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-1:工学に関する基礎知識として,自然科学の幅広い分野の知識を修得し,説明できること」である。
工学を学ぶ上で必要な複素関数論の基礎を解説する。複素関数論は非常に精巧華麗である。複素関数論の世界に触れることによってそこに流れる構造の美しさを感じ取ってほしい。工学をしっかり学びたい学生,進学を希望する学生,数学が好きな学生に受講をすすめる。
授業の進め方・方法:
板書を中心に授業を進める。授業では細部にこだわることなく全体的な内容の理解を重視する。またその理解をより深めるために演習を課す。この科目は前期開講科目である。
4回の定期試験の結果(同等に評価し60%)と課題(40%)の合計により評価する。なお,成績によっては,再試験を行うことや追加レポートを出すこともある。再試験は60点を上限として本試験と同様に評価する。試験には,教科書・ノート等の持ち込みを許可しない。
注意点:
本科目は「授業時間外の学習を必修とする科目」である。1単位あたり授業時間として15単位時間開講するが,これ以外に30単位時間の学習が必修となる。これらの学習については担当教員の指示に従うこと。
3年生までの数学,特に三角関数,指数関数などいろいろな関数の概念,それらの微分法(偏微分を含む),積分法(重積分を含む),及び4年生の応用数学Ⅱで学んだ線積分の概念をしっかりと確認しておくこと。
基礎科目:基礎数学Ⅰ,Ⅱ(1年),基礎線形代数(2),微分積分Ⅰ,Ⅱ(2,3),線形数学(3),応用数学Ⅱ(4),電磁気学(4)
関連科目:伝熱工学(5年),電磁気学(5),流体力学(専攻2)など
必要に応じて復習しながら講義を進めるが,4年生までの数学を折に触れて復習しておくこと。毎回の予習復習が重要なのは言うまでもない。授業開始10分までを遅刻とし、遅刻の回数が多い場合は,警告を行った後,欠席扱いとすることもある。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,複素数と極形式 |
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2週 |
絶対値と偏角 |
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3週 |
複素関数,正則関数 |
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4週 |
コーシー・リーマンの関係式 |
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5週 |
正則関数による写像 |
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6週 |
逆関数 |
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7週 |
演習 |
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
複素積分 |
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10週 |
コーシーの積分定理 |
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11週 |
コーシーの積分表示 |
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12週 |
数列と級数 |
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13週 |
関数の展開 |
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14週 |
孤立特異点と留数および留数定理 |
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15週 |
前期末試験 |
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16週 |
前期末試験の返却と解答解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | 課題 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 | 100 |
基礎的能力 | 60 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |