機械工作法Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機械工作法Ⅱ
科目番号 0065 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 中山一雄・上原邦雄「新版 機械加工」(朝倉書店)
担当教員 萩野 将広

到達目標

「良いものを早く安く作る」ことは機械技術者に与えられた一つの命題である。このため,各種工作法の基本特性に関する知識に基づき,適切で合理的な工程計画が立案できる能力が求められる。機械加工に際して,適切で合理的なもの作りの手段が選択でき,さらに適切な工作条件が設定できる能力を身に付ける。

到達目標
1. 機械材料の工作方法および工作機械の基礎的な事柄を理解できる。
2. 除去加工の現象論を理解した上で,そのモデルが説明できる。
3. 除去加工の基本特性に関する知識に基づき,工作機械や加工条件選択の指針が示せる。
4. 加工中のトラブル(例えば,仕上げ面粗さが悪い,びびりが生ずるなど)に対して,合理的な解決手段の指針が示せる。

ルーブリック

不可
評価項目1 機械材料の工作方法および工作機械の基礎的な事柄を理解できる。切削加工の加工原理が説明でき,かつ切削工具・工作物,工作機械の運動から工作物形状創出のメカニズムを説明できる。切削加工の加工原理が説明できる。 工作機械・工具・工作物の関係を説明できる。 切削加工の加工原理が説明できる。左記に達していない。
評価項目2 除去加工の現象論を理解した上で,そのモデルが説明できる。切削現象の仕組みとそのモデルを理解し,切りくずの形態,切削抵抗,切削による熱の発生を説明できる。除去加工の現象を理解した上で,そのモデルが説明できる。除去加工の現象を説明できる。左記に達していない。
評価項目3 除去加工の基本特性に関する知識に基づき,工作機械や加工条件選択の指針が示せる。除去加工の基本特性に関する知識に基づき,工作機械や加工条件選択の指針が示せる。工作物の形状,品質,コスト,加工時間との関係で工作機械や加工条件が決定されることを説明できる。加工条件を選択することができる。左記に達していない。
評価項目4 加工中のトラブル(例えば,仕上げ面粗さが悪い,びびりが生ずるなど)に対して,合理的な解決手段の指針が示せる。 加工条件による工作物の加工精度との変化,加工条件と材料特性との変化との関係を説明できる。加工精度,生産性を向上させるための,合理的な解決手段の指針が示せる。加工条件による工作物の加工精度との変化,加工条件と材料特性との変化との関係を説明できる。加工条件と工作物の加工精度との関係を説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
生産技術は人々の暮らしや経済活動に対して大きな役割を担い,その巧拙により企業経営などに重大な損害をもたらすこともある。授業では除去加工(工作機械を用いての加工)を主として扱い,機械工学を学ぶ技術者の基本的な素養として各種工作法およびその原理・特徴,さらには工作機械の基礎理論を学ぶ。加えて,実験実習で得た知識をもとに,加工技術とそれらの意義についても概説する。

本科目は機械工学科学習目標「(2)エネルギーと流れ,材料と構造,運動と振動,設計と生産・管理,情報と計測・制御,機械とシステムに関する専門技術分野の知識を修得し,工学現象の解析や機械の設計・製作に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。

本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。
授業の進め方・方法:
板書を中心に,実験実習で学習した事項との関連に注意しながら授業を進める。また,理解が深まるよう学習の進度にあわせて,演習指導をする。

4回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。試験には,教科書・ノートの持込を許可しない。演習(30%)。再試験は実施しない。
注意点:
実験実習や身の回りの工業製品と講義内容対応させながら復習し,興味・関心を持ち理解を深めること。

「工作法」は,機械工学を学ぶ技術者の基本的な素養として,技術用語の理解や工作の原理・特徴の理解は必修である。設計と製造,それぞれの関係を念頭におき学習を進めてほしい。
遅刻は20分までとし,これを越えるときは欠席と見なす。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 • • ガイダンス,加工法の概観〔工作機械の歴史,加工エネルギー,加工法の種類と分類,加工法の選択基準〕
2週 • 切削加工法1:〔加工の3要素と形状創成(運動転写と圧力転写),工作機械の機能と特徴〕
3週 • 切削加工法1:〔工作機械の条件,基本運動,汎用機から複合機まで〕
4週 • 切削加工法2:切削工具〔切削工具用材料とその選択指標,切削油剤〕
5週 • 切削加工の基礎1:〔切削という現象,切削の様式〕
6週 • 切削加工の基礎1:〔2次元切削モデル,切りくず形態〕
7週 • 切削加工の基礎1:〔切削比・せん断角とせん断ひずみ,構成刃先〕
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 • 前期中間試験の返却と解答,切削加工の基礎2〔切削抵抗力に関する基礎〕
10週 • 切削加工の基礎2〔切削抵抗力に関する基礎〕
11週 • 切削加工の基礎2〔単一せん断面切削理論1〕
12週 • 切削加工の基礎2〔単一せん断面切削理論2〕
13週 • 切削加工の基礎3〔せん断角に関する理論と実験式〕
14週 • 切削加工の基礎4〔切削熱と切削温度,加工精度〕
15週 前期末試験
16週 • 前期末試験の返却と解答,前期のまとめ
後期
3rdQ
1週 • 切削加工の基礎5〔切削仕上げ面粗さ〕
2週 • 切削加工の基礎6〔加工変質層,切削工具の損耗〕
3週 • 切削加工の基礎6〔工具寿命(テーラーの寿命方程式)〕
4週 • 工具寿命,生産技術としての切削〔切削条件の選定〕
5週 • 工具寿命,生産技術としての切削〔被削性〕
6週 • 切削工具
7週 • 特殊な切削法
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 • 後期中間試験の返却と解答,砥粒加工と砥粒〔砥粒加工の特徴,固定砥粒と
遊離砥粒〕
10週 • 研削加工の基礎〔研削加工の3要素5因子,ドレッシングとツルーイング〕
11週 • 研削加工の基礎〔砥石の自生作用,研削盤と研削の特徴〕
12週 • 研磨加工法〔ホーニングと超仕上げ,ラッピング,ポリッシング〕
13週 • 特殊加工法〔粒の衝突による加工〕
14週 • 熱的除去加工,化学的・電気的除去加工〕
15週 (後期末試験)
16週 • 学年末試験の返却と解説,まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000