熱機関

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 熱機関
科目番号 0087 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:田坂英紀,内燃機関〔第3版〕(森北出版)  参考書:廣安・寶諸・大山,改訂「内燃機関」(コロナ社)
担当教員 福田昌准 (機械)

到達目標

学習目的:我々の日常生活に欠かせない自動車の動力源であるエンジンの燃焼と性能についての知識を修得するとともに,省エネルギーや環境保全への関心を深める。

到達目標:
 1.ガソリン機関とディーゼル機関の違いを理解し説明できる。
 2.エンジンの性能評価方法を理解し活用できる。
 3.排ガスによる大気汚染について理解し環境保全への関心を深める。

ルーブリック

不可
評価項目1ガソリン機関とディーゼル機関の燃料や混合気形成,燃焼の違いについて理解し,説明できる。ガソリン機関とディーゼル機関の燃料や混合気形成,燃焼の違いについて,ほぼ理解し説明できる。内燃機関の仕組みと代表的なサイクルについて説明できる。左記に達していない。
評価項目2出力,平均有効圧力,熱効率,燃料消費率,体積効率などの性能評価方法を理解し,計算できる。出力,平均有効圧力,熱効率,燃料消費率,体積効率などの性能評価方法をほぼ理解し,ある程度は計算できる。用いる式と代入する数値が与えられれば,出力,熱効率,燃料消費率などの値を求めることができる。左記に達していない。
評価項目3内燃機関の排ガスとその対策,これからの自動車技術(低公害車など)について理解している。内燃機関の排ガスとその対策,これからの自動車技術について,ほぼ理解している。内燃機関の排ガス中に含まれる代表的な大気汚染物質について説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

学習の分野:機械とシステム

必修・履修・履修選択・選択の別:履修

基礎となる学問分野:工学/機械工学/熱工学

学科学習目標との関連:本科目は機械工学科学習目標「(2)エネルギーと流れ,材料と構造,運動と振動,設計と生産・管理,情報と計測・制御,機械とシステムに関する専門技術分野の知識を修得し,工学現象の解析や機械の設計・製作に応用できる能力を身につけ。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。

授業の概要:熱エネルギーを機械的仕事に変える装置を熱機関と言い,内燃機関と外燃機関に分類される。本教科では主に内燃機関であるガソリン機関やディーゼル機関について概説するとともに,自動車の社会的責任について解説を加える。
授業の進め方・方法:
授業の方法:授業は板書を中心に進め,必要な周辺知識の復習も含めながら,出来るだけ具体的に解説を行う。また最新の技術動向も紹介し,自動車やエンジンの社会的役割ならびにこれらの直面している問題点が把握できるように配慮する。
具体的な計算問題を通して理解が深まるように努める。

成績評価方法:4回の定期試験の成績を同等に評価し(70%),これに演習と課題(30%)を加えた総合評価とする。再試験は行わない。
試験には教科書,ノートの持ち込みは許可しない。
欠課および遅刻は演習点に反映させる。

注意点:
履修上の注意:なし

履修のアドバイス:自動車やエンジン,大気汚染等に関する新聞記事等に関心を持って,見ておくと良い。

基礎科目:機械工学基礎(1年),物理Ⅱ(2),化学Ⅰ(2),化学Ⅱ(3),熱力学Ⅰ・Ⅱ(4),流体工学Ⅰ・Ⅱ(4)など

関連科目:機械工学実験実習Ⅱ(5年),エネルギーシステム工学(専1)

受講上のアドバイス:授業には必ず出席するよう心掛け,他の教科で身に付けた知識と関連させて学習し,意欲的に新しい知識の吸収に努めること。
授業の理解を深めるために授業中に行う演習や与えられた課題には,各自で自発的,積極的に取り組むこと。
15分を越える遅刻は,欠課とみなす。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス〔講義の概要〕
2週 エンジンの基礎1〔エンジンの種類と構造〕 エンジンの種類と構造について理解する。
3週 エンジンの基礎2〔エンジンの作動原理〕 エンジンの作動原理について理解する。
4週 エンジンの熱力学1〔理論熱効率と平均有効圧力〕 理論熱効率と平均有効圧力について理解する。
5週 エンジンの熱力学2〔各種サイクルの熱効率の比較,課題1〕 各種サイクルの熱効率について理解する。
6週 蒸気サイクル1〔蒸気の状態変化〕 蒸気の状態変化について理解する。
7週 蒸気サイクル2〔ランキンサイクル,演習1〕 ランキンサイクルについて理解する。
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解説,出力と効率1〔出力とトルク〕 熱機関の出力とトルクについて理解する。
10週 出力と効率2〔平均有効圧力,熱効率,燃料消費率〕 平均有効圧力,熱効率,燃料消費率について理解する。
11週 出力と効率3〔熱勘定,体積効率,課題2〕 熱勘定と体積効率について理解する。
12週 燃料1〔燃料の分類と性質〕 燃料の分類と性質について理解する。
13週 燃料2〔ガソリン機関用燃料(オクタン価など)〕 ガソリン機関用燃料(オクタン価など)について理解する。
14週 燃料3〔ディーゼル機関用燃料(セタン価など),演習2〕 ディーゼル機関用燃料(セタン価など)について理解する。
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の返却と解説
後期
3rdQ
1週 燃焼の基礎1〔空燃比,空気過剰率,当量比〕 空燃比,空気過剰率,当量比について理解する。
2週 燃焼の基礎2〔発熱量,予混合燃焼と拡散燃焼〕 発熱量,予混合燃焼と拡散燃焼について理解する。
3週 吸排気1〔動弁系と弁機構,課題3〕 動弁系と弁機構について理解する。
4週 吸排気2〔2サイクル機関,過給〕 2サイクル機関と過給について理解する。
5週 ガソリンエンジン1〔燃焼,混合気形成〕 ガソリンエンジンの燃焼と混合気形成について理解する。
6週 ガソリンエンジン2〔排気特性と対策〕 ガソリンエンジンの排気特性と対策について理解する。
7週 ガソリンエンジン3〔燃焼室形状,演習3〕 ガソリンエンジンの燃焼室形状について理解する。
8週 (前期中間試験)
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解説,ガソリンエンジン4〔層状給気機関〕 層状給気機関について理解する。
10週 ディーゼルエンジン1〔燃焼〕 ディーゼルエンジンの燃焼について理解する。
11週 ディーゼルエンジン2〔燃料噴射,燃焼室〕 ディーゼルエンジンの燃料噴射と燃焼室について理解する。
12週 ディーゼルエンジン3〔排気特性,課題4〕 ディーゼルエンジンの排気特性について理解する。
13週 内燃機関による大気汚染と対策1〔排ガスによる大気汚染と対策〕 排ガスによる大気汚染と対策について理解する。
14週 内燃機関による大気汚染と対策2〔HEV,EVなどの低公害車,演習4〕 低公害車について理解する。
15週 (後期末試験)
16週 後期末試験の返却と解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力000
専門的能力7030100
分野横断的能力000