到達目標
学習目的：種々の工作機械あるいは工作機械システムを知るとともに，その中で用いられている「技術」を理解する。また，品質管理のための基礎的手法と，品質改善の活動に用いられる各種現場改善手法を習得する。
到達目標：
１．機械材料の工作方法および工作機械の基礎的な事柄を理解できる。
２．生産現場において最適な工作機械の選択，または生産システムの構築が考案できる。
３．生産システムを理解し，トラブルに対し対策が考案できる。
４．品質管理手法（ＱＣ７つ道具）を理解し，製品設計，工程設計･管理に応用できる能力を習得する。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 不可 |
| 評価項目1 | 切削加工の加工原理が説明でき，かつ切削工具・工作物，工作機械の運動から工作物形状創出のメカニズムを説明できる。 | 切削加工の加工原理が説明できる。工作機械・工具・工作物の運動と工作物形状創出の関係を説明できる。 | 切削加工の加工原理が説明できる。工作機械・工具・工作物の関係を言える。 | 左記に達していない。 |
| 評価項目2 | 生産システムの自動化と制御における情報化，最適化と知能化への進展を説明できる。 | 生産システムの現状について理解し，構成要素としての工作機械の機能と加工システム全体の役割，すなわち「部分」と「全体」の関係を説明できる。 | 生産システムの現状について理解し，構成要素としての工作機械の機能と加工システム全体の役割，すなわち「部分」と「全体」の関係を言える。 | 左記に達していない。 |
| 評価項目3 | より少ない資源で生産の遂行ができるよう，科学的な方法によって分析でき，改善策を提案できる。 | 生産システムの構成が理解でき，FMSやFAの概念を説明することができる。 | 生産システムの構成が理解でき，FMSやFAの概念を言える。 | 左記に達していない。 |
| 評価項目4 | 統計的手法を活用して，品物やプロセスの品質不良の原因を特定し，除去する処置を策定できる。 | 企業における品質管理の重要性を理解し，品質管理の統計的手法の基礎を説明できる。 | 企業における品質管理の重要性を理解し，品質管理の統計的手法の基礎を言える。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
一般・専門の別：専門
学習の分野：設計と生産・管理
必修・履修・履修選択・選択の別：履修選択
基礎となる学問分野：工学／機械工学／生産工学・加工学
学科学習目標との関連：本科目は機械工学科学習目標「（2）エネルギーと流れ，材料と構造，運動と振動，設計と生産・管理，情報と計測・制御，機械とシステムに関する専門技術分野の知識を修得し，工学現象の解析や機械の設計・製作に応用できる能力を身につける。」および「（３） 設計製図，実験・実習等の体験的学習を通じて，知識理解を深化させると同時に，実験の遂行能力，データの解析能力および考察能力を身につける。」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連：本科目が主体とする学習・教育到達目標は「（Ａ）技術に関する基礎知識の深化，Ａ－２：「材料と構造」，「運動と振動」，「エネルギーと流れ」，「情報と計測・制御」，「設計と生産・管理」，「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し，説明できること」である。
授業の概要：近年，益々高精度化や高能率化が著しい工作機械について，その特徴と機能，運用上の問題点と対策などを講義する。また，工作機械単体のみならず生産システム内の一要素として見た場合の利用技術，製造業における品質管理活動の理解と習得を含めて講義を行う。
授業の進め方・方法:
授業の方法：本科目は，後期に集中して開講する。板書・プロジェクターを使って授業を進める。加えて，工作機械および工場管理手法の一つである品質管理の意義と基本的考え方を把握するため，品質管理や現場改善を行う際に用いられる具体的な手法について演習課題やレポート課題を取り入れる。
成績評価方法：２回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価して70％，演習課題と課題レポート合せて30％とし成績評価をする。定期試験には，教科書・ノートの持込を許可しない。
注意点:
履修上の注意：本科目は「授業時間外の学習を必修とする科目」である。１単位あたり授業時間として１５単位時間開講するが，これ以外に３０単位時間の学習が必修となる。これらの学習については担当教員の指示に従うこと。授業中にノートを取ることを勧め，課題レポートを担当教員の指示に従って作成し提出すること。
履修のアドバイス：日刊工業新聞，日本経済新聞などを読み，品質管理に関する国内外の現状と動向を知ることは，本講義の習得に大いに役立つ。
基礎科目：機械工学入門（１年），機械工作法Ⅰ（２年），工業材料（２年），機械工作法Ⅱ（４年），応用数学Ⅰ（４年），計測工学（５年）など
関連科目：応用機械設計（５年），精密加工学（専１年），応用設計工学（専１年），生産管理工学（専２年）
受講上のアドバイス：生産技術の動向について，雑誌や新聞などで調査するとよい。「工作機械」と「品質管理」は，あらゆる「ものづくり」と密接に係わるので，他の科目で修得した知識とも関連させて学習すること。
遅刻は15分までとし，これを越えるときは欠席とみなす。
連絡担当教員：佐伯・総合理工学科機械システム系
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
| 後期 |
| 3rdQ |
| 1週 |
ガイダンス，工作機械および工作機械工学の概要[工作機械の役割とその重要性] |
・工作機械の定義と分類
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| 2週 |
工作機械および工作機械工学の概要[基本的形状創成機能，工作機械の歴史] |
・工作機械の機能と発展
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| 3週 |
在来型汎用工作機械とその基本的な構造[工作機械―工具―工作物系内における工作機械] |
・工作機械の基本構成要素と形状創成運動
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| 4週 |
工作機械の自動化と制御[数値制御工作機械とその周辺装置，サーボ機構] |
・数値制御
・サーボ機構
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| 5週 |
工作機械の自動化と制御[ＮＣプログラミング，自律的制御] |
・ＮＣプログラミング
・適応制御
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| 6週 |
工作機械と加工システム[生産システム内の一要素としての工作機械：トランスファライン，加工セル] |
・トランスファライン
・ＦＭＳ
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| 7週 |
工作機械と計測システム[表面品位，工具損耗，切りくず形態制御] |
・表面粗さ
・工具損耗
・切削力の計測
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| 8週 |
（後期中間試験） |
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| 4thQ |
| 9週 |
中間試験の返却と解答解説，品質管理の概要[品質管理，TQC] |
・品質とは
・管理とは
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| 10週 |
品質管理におけるデータ[データの種類，統計的な考え方] |
・ばらつき，母集団，サンプル
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| 11週 |
データのまとめ方１[まとめ方と活用法] |
・QC７つの道具
・パレート図，特性要因図，散布図
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| 12週 |
データのまとめ方２[まとめ方と活用法] |
・チェックシート
・グラフ
・ヒストグラム
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| 13週 |
データのまとめ方３[まとめ方と活用法] |
・管理図とは
・管理図の作り方と活用法
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| 14週 |
工程解析と改善[工程解析，工程管理，標準化] |
・工程解析
・工程管理
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| 15週 |
（後期末試験） |
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| 16週 |
期末試験の返却と解答解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
| 分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
| 専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 工作 | 切削加工の原理、切削工具、工作機械の運動を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3 |
| バイトの種類と各部の名称、旋盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3 |
| フライスの種類と各部の名称、フライス盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3 |
| ドリルの種類と各部の名称、ボール盤の種類と構造を説明できる。 | 4 | 後1,後2,後3 |
評価割合
| 試験 | 課題 | 合計 |
| 総合評価割合 | 70 | 30 | 100 |
| 基礎的能力 | 0 | 0 | 0 |
| 専門的能力 | 70 | 30 | 100 |
| 分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 |