到達目標
学習目的:機械の高機能化などを手がける機械技術者として必要となるメカトロニクスや自動化の技術について基礎的な知識を修得すること。
到達目標:
1.機械伝動機構について理解し説明できる。
2.センサについて理解し説明できる。
3.アクチュエータの働きを理解し説明できる。
4.空気圧を利用した機器の動作原理を理解し説明できる。
5.リレーシーケンスについて理解し説明できる。
6.PCとマイコンを用いた制御について理解し説明できる。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 不可 |
評価項目1 | 機械伝動機構について、伝達動力、トルクおよび回転速度等の計算ができる。 | 機械伝動機構について、種類、メカニズムおよび特徴を説明できる。 | 機械伝動機構の種類を知っている。 | 左記に達していない。 |
評価項目2 | センサの原理が理解でき,関連する電子部品の働きが理解できる。 | センサの機能が理解できる。 | センサの種類および用途が説明できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目3 | アクチュエータの駆動方法が理解できる。 | アクチュエータの構造および特性が理解できる。 | アクチュエータの種類、用途および特徴が説明できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目4 | 空気圧回路の構成が理解でき、回路図を描画できる。 | 空気圧アクチュエータの動作を説明できる。 | 空気圧機器の種類と機能を説明できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目5 | 簡単なシステムのシーケンス図を描くことができる。 | リレーシーケンスを構成する制御機器の構造と機能を説明できる。 | シーケンス図が理解できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目6 | 簡単なシステムについて結線図とラダー図を描くことができる。また,マイコンおよび関連する電子部品の働きが理解できる。 | PCの結線図およびラダー図が理解できる。また,マイコンの特徴を説明できる。 | PCの特長と機能を説明できる。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
一般・専門の別:専門
学習の分野:情報と計測・制御
必修・履修・履修選択・選択の別:履修
基礎となる学問分野:工学/機械工学/機械力学・制御
学科学習目標との関連:本科目は機械工学科学習目標「(2) エネルギーと流れ,材料と構造,運動と振動,設計と生産・管理,情報と計測・制御,機械とシステムに関する専門技術分野の知識を修得し,工学現象の解析や機械の設計・製作に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。
授業の概要:メカトロニクスは機械工学に電子工学や情報工学を融合させた新しい技術分野であり,機械の高機能化に欠かせない技術となっている。この講義では,機械技術者として知っておくべき基礎的技術を講義する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:本講義では電気に馴染みの薄い機械工学科の学生にもわかりやすいように配慮された教科書を使用する。内容はメカトロニクス概論,機械伝動機構,センサおよびアクチュエータの動作原理,シーケンス制御技術について講義する。
成績評価方法:2回の定期試験の結果を同等に評価する(80%)。また、レポート課題を課し評価する(10%)とともに小テストについても評価する(10%)。なお,定期試験が60点未満の者に対し再試験を行う場合がある。試験の持込可能物品はその都度指示する。
注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学習を必修とする科目」である。1単位あたり授業時間として15単位時間開講するが,これ以外に30単位時間の学習が必修となる。これらの学習については担当教員の指示に従うこと。
履修のアドバイス:電子部品の基本的な働きを理解しておくことは今や機械技術者の必要不可欠な知識となっており積極的に取り組んでほしい。
基礎科目:応用物理Ⅰ(3年),工業力学(3),電気工学(3),応用数学Ⅱ(4),制御工学Ⅰ(4)など
関連科目:制御工学Ⅱ(5年),計測工学(5),制御機器特論(専1),応用制御工学(専2),システム制御工学(専2)など
受講上のアドバイス:メカトロニクスで使われている機器は実際に使ってみることによって理解が深まる。卒業研究での実験装置の製作,あるいは趣味のもの作りなどの作業を通してできるだけ実際の機器に触れる機会をもつことが大切である。20分を超える遅刻・早退は欠課扱いとする。
連絡担当教員:佐伯・総合理工学科機械システム系
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス,メカトロニクスの概要と役割(メカニズム基礎) |
機構学の応用としての各種駆動機構を理解し,実用的制御回路の動作を学ぶ.
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2週 |
機械の実用的機構①(巻き掛け伝道機構) |
多軸間でトルクを伝道する仕組みを理解し,伝達力を式により求めることができる.
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3週 |
機械の実用的機構②(タイミングベルトの機構設計) |
歯付きタイミングベルトを用いた駆動機構の設計手法を学び,具体的な部品選定手順を習得する.
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4週 |
運動の伝達(歯車と歯車列,歯車列の角速度比) 歯車に関する課題 角速度比に関する課題 |
遊星歯車及び差動歯車装置の駆動原理を理解し,両装置における入出力間の角速度の関係を学ぶ.
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5週 |
センサ基礎(論理回路応用) 論理回路に関する課題 |
基本論理回路と正論理・負論理の差異を学び,負論理の役割を理解する.
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6週 |
マイコンと電子回路(コンパレータ・シュミットトリガ) 電子回路に関する課題 |
電子制御機械に多く利用されている両回路の動作を理解し,それらの応用回路を学ぶ.
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7週 |
センサ信号処理(フィルタ) フィルタに関する課題 |
オペアンプを使ったアクティブフィルタ(2次のVCVS)の設計と動作を理解する.
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8週 |
(前期中間試験) |
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験の返却と解答解説,センサ応用(近接,磁気) センサに関する課題 |
センサ工学基礎となる近接スイッチ,磁気センサの原理を学び,応用回路の設計手法を学ぶ.
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10週 |
ロボットのセンサ利用(エンコーダ) エンコーダに関する課題 |
光学センサであるロータリーエンコーダの計測原理とマイコンによるデジタル信号処理を学ぶ.
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11週 |
アクチュエータ基礎(電気,空圧,油圧) アクチュエータに関する課題 |
油圧・空気圧モータ等の駆動原理と制御手法を学び,電磁弁や電空レギュレータの機能を理解する.
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12週 |
アクチュエータ制御(直流モータ) 直流モータに関する課題 |
直流モータの駆動原理と動特性・静特性を学び,制御回路と制御手法を習得する.
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13週 |
アクチュエータ応用(ステッピングモータ) ステッピングモータに関する課題 |
ステッピングモータの駆動原理と制御手法を学び,全体構成を理解する.
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14週 |
シーケンス制御基礎(シーケンス図) シーケンス図に関する課題 |
シーケンス制御の図記号及び有接点・無接点シーケンスを学び,回路図の描き方を習得する.
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15週 |
(前期末試験) |
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16週 |
前期末試験の返却と解答解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 機械設計 | リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 4 | |
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。 | 4 | |
カム装置の機構を理解し、その運動を説明できる。 | 4 | |
主な基礎曲線のカム線図を求めることができる。 | 4 | |
計測制御 | 自動制御の定義と種類を説明できる。 | 4 | |
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。 | 4 | |
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。 | 4 | |
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。 | 4 | |
伝達関数を説明できる。 | 4 | |
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。 | 4 | |
制御系の過渡特性について説明できる。 | 4 | |
制御系の定常特性について説明できる。 | 4 | |
制御系の周波数特性について説明できる。 | 4 | |
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 課題 | 小テスト | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 10 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 80 | 10 | 10 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 |