材料力学Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料力学Ⅰ
科目番号 0013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 4
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:渥美,伊藤 「材料力学(第3版)」 (森北出版),参考書:材料力学教育研究会編「材料力学の学び方・解き方」(共立出版)
担当教員 荒井淳二 (電子制御)

到達目標

学習目的: 機械や構造物の設計を考える上で材料力学は最も基本的な学問である。材料力学Ⅰの学習の目的は,安全で合理的な構造物の設計を実施する上で必要不可欠なデザイン能力の基礎を身につけることである。

到達目標:
1.物体に作用する力,生じる内力を理解する。
2.剛体の静力学の解析法を修得する。
3.構造物の材料に求められる強度や剛性について理解する。
4.引張り,圧縮,せん断が加わった時,材料に生ずる応力と変形量に関する計算方法を習得する。
5.材料内部に発生する応力が許容応力を逸脱し,材料が破壊に至らないように潜在する課題を抽出し,それに対処できる構想力,問題設定能力を習得する。
6.次年度継続する材料力学Ⅱ(4年)の基礎学力を身につける。


ルーブリック

不可
評価項目1・応力の概念を理解し,熱応力の計算も含めて,安全率や許容応力を用いて,破壊しない条件が計算できる。・応力の概念を理解し,力の釣り合いが許容応力,熱応力の考え方も含めて数式化できる。・応力の概念を理解し,基本的な力の釣り合いが数式化できる。・応力の概念が理解できず,力の釣り合いが数式化できない。(演習課題が,期日までに提出できない。)
評価項目2・断面積変化や自重を考慮した棒材の力の釣り合い式を導出し,応力の計算が出来,モールの応力円を作図し,最大主応力,最大せん断応力が計算できる。・断面積変化や自重を考慮した棒材の応力の計算が出来,モールの応力円が作図できる。・断面積変化や自重を考慮した棒材の応力の基本的な計算が出来,基本的なモールの応力円が作図できる。・断面積変化や自重を考慮した棒材の応力が計算できず,モールの応力円が作図できない。(演習課題が,期日までに提出できない。)
評価項目3・三角形分布荷重,部分布荷重のはりのせん断力と曲げモーメントが計算でき,片持ちはり,両端支持はりのせん断力図(SFD),曲げモーメント図(BMD)が作図できる。・集中荷重,等分布荷重のはりのせん断力と曲げモーメントが計算でき,せん断力図(SFD),曲げモーメント図(BMD)が作図できる。・はりのせん断力と曲げモーメントに関する基本的な計算でき,基本的なせん断力図(SFD),曲げモーメント図(BMD)が作図できる。・はりのせん断力と曲げモーメントが計算できず,せん断力図(SFD),曲げモーメント図(BMD)が作図できない。(演習課題が,期日までに提出できない。)
評価項目4・断面二次モーメントの定義に基づいてH型断面,コ形断面の断面二次モーメントが導出でき,T型断面の曲げ応力が計算できる。 ・標準的な断面二次モーメントおよび曲げ応力が計算できる。 ・基本的な断面二次モーメントおよび曲げ応力が計算できる ・断面二次モーメントならびに曲げ応力が計算できない。(演習課題が,期日までに提出できない。)

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:

基礎となる学問分野: 工学/機械工学/機械材料・材料力学

電子制御工学科学習目標との関連: 本科目は電子制御工学科学習目標「(2)情報と計測・制御,設計と生産,材料と構造,機械とシステム,運動と振動,エネルギーと流れに関する専門技術分野の知識を修得し,工学問題の解析やメカトロニクス関連機器の設計や製作ができる能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連: 本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料と構造」「運動と振動」「エネルギーと流れ」「情報と計測・制御」「設計と生産」「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。本科目は大学相当の内容を含む科目で,技術者教育プログラム履修認定に関連する。

授業の概要:機械や構造物を構成している材料が,破壊や変形に対して十分な強度や剛性を持っているかどうか検討する力を養成する。材料に加わる引張り,圧縮,曲げ,あるいはそれらの組合せの力によって生ずる応力やひずみについて学ぶ。さらにこれらの応力分布状態が視覚的に理解しやすいSFD(せん断力線図),BMD(曲げモーメント線図)などについて学ぶ。

授業の進め方・方法:
授業の方法: 1週2単位の授業である。教科書を用いて,プロジェクタおよび板書により授業を進める。材料力学の応用力を涵養するため,また不具合を未然に防ぐ構想力,問題設定能力を身につけるため出来るだけ多くの例題と演習問題を課すと共に,過去の設計の失敗例を紹介する。

成績評価方法: 4回の定期試験及び単元試験・追加試験等により評価する(70%)。授業時間外の学習成果(課題演習,レポート等)(30%)。再試験は必要に応じて実施するが,評価方法は授業で説明する。
注意点:
履修上の注意: 本科目は「授業時間外の学修を必須とする科目」である。1単位当たり授業時間として15単位時間開講するが,これ以外に30単位時間の学習が必須となる。これらの学習については担当教員の指示に従うこと。課程修了のため履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修のアドバイス: 材料力学については,継続して材料力学Ⅱ(4年)を学習する。
教科書は同じものを使用する。


基礎科目: 物理Ⅰ(1年),物理Ⅱ(2),機械材料学Ⅰ(3),工業力学(3),
機械力学(4)


関連科目:材料力学Ⅱ(4年),ロボット工学(5),設計工学(5),
材料科学(専1),材料強度学(専2),機能性材料学(専2)



受講上のアドバイス: 応力,ひずみの定義,フックの法則などの物理的な意味をよく理解する。モールの応力円,SFD,BMDなどを描くことによって,応力,せん断力,曲げモーメントなどの変化の様子を実感すること。演習問題を自らやってみることが最も大切である。授業開始時に着席していない場合,遅刻とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ●   ガイダンス1,応力とひずみ/ 応力とひずみとは何か?
2週 ●   応力とひずみ/ フックの法則,工業材料の性質,安全率
3週 ●   引張と圧縮/ 引張と圧縮の静定問題(1)
4週 ●   引張と圧縮/ 引張と圧縮の静定問題(1) 
5週 ●   引張と圧縮/ 引張試験と許容応力
6週 ●   引張と圧縮/ 熱応力
7週 ●   応力とひずみ,引張と圧縮の演習
8週 (前期中間試験)
2ndQ
9週 ●   前期中間試験の答案返却と解答解説,組合せ応力/ 概論
10週 ●   組合せ応力/ 単軸引張における斜面上の応力
11週 ●   組合せ応力/ 2軸引張における斜面上の応力
12週 ●   組合せ応力/ 平面応力状態における斜面上の応力
13週 ●   組合せ応力/ モールの応力円  
14週 ●   引張,圧縮応力と組合せ応力の演習
15週 (前期末試験)
16週 前期末試験の返却と解答解説
後期
3rdQ
1週 ●   はり/ 概論
2週 ●   はりのせん断力と曲げモーメント/ 支持反力,支持モーメント 
3週 ●   片持ちはりのせん断力図(SFD)
4週 ●   片持ちはりの曲げモーメント図(BMD)
5週 ●   単純支持はりのせん断力図(SFD)
6週 ●   単純支持はりの曲げモーメント図(BMD)
7週 ●   曲げモーメント,せん断力および分布荷重の間の関係(はりのせん断力と曲げモーメントの演習)
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 ●   後期中間試験の答案返却と解答解説,はりの応力
10週 ●   曲げ応力/ 中立面,曲げ応力の式
11週 ●   断面2次モーメントと断面係数(1)
12週 ●   断面2次モーメントと断面係数(2)
13週 ●   はりのせん断応力
14週 ●   はりの応力の演習
15週 (後期末試験)
16週 後期末試験の答案返却と試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価自己 評価課題・小テスト演習合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000