電気・電子材料学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電気・電子材料学
科目番号 0058 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「はじめての薄膜作製技術[第2版]」森北出版 および配布プリント
担当教員 小林 敏郎

到達目標

1.導電,絶縁,磁性などの物性を説明できる。
2.各用途で用いられる材料の知識を説明できる。
3.単に物性だけでなく作製方法も考慮して材料を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低到達レベルの目安(不可)未到達レベルの目安
評価項目1導電,半導体,磁性などの物性について説明でき,それらの材料に関する問題を計算することができる。導電,半導体,磁性などの物性について説明でき,一部の材料について,計算問題を解決できる。導電,半導体,磁性などの物性について説明でき,一部の材料について,基本的な計算問題を解決できる。導電,半導体,磁性などの物性について説明できず,講義ノートを見ても一部の材料に関する基本的な計算問題ができない。
評価項目2各用途で用いられる材料について説明でき,材料に関する問題を計算することができる。各用途で用いられる材料について説明でき,一部の材料について,計算問題を解決できる。各用途で用いられる材料について説明でき,一部の材料について,基本的な計算問題を解決できる。各用途で用いられる材料について説明できず,講義ノートを見ても一部の材料に関する基本的な計算問題ができない。
評価項目3各用途で用いられる材料について,単に物性だけでなく作製方法も考慮して説明できる。各用途で用いられる一部の材料について,おおまかな物性的な特性や,作製方法も考慮して説明できる。各用途で用いられる一部の材料について,基本的な特性や,作製方法も考慮して説明できる。各用途で用いられる一部の材料について,基本的なな特性や,作製方法も考慮して説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門, 学習の分野:材料と構造

必修・履修・履修選択・選択の別:履修

基礎となる学問分野:工学/電気電子工学/電子・電気材料工学

学科学習目標との関連:本科目は電子制御工学科学習目標「(2)情報と計測・制御,設計と生産・管理,材料と構造,機械とシステム,運動と振動,エネルギーと流れに関する専門技術分野の知識を修得し,工学問題の解析やメカトロニクス関連機器の設計や製作ができる能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料と構造」「運動と振動」「エネルギーと流れ」「情報と計測・制御」「設計と生産」「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。また,付随的には「A-1:工学に関する基礎知識として,自然科学の幅広い分野の知識を修得し,説明できること」にも関与する。

授業の概要:電気電子分野で使用されている主要な材料の基本的な特性と用途を学び,材料の電気的諸特性がどのような機構に基づいて生じるかを学習する。
授業の進め方・方法:
板書を中心に授業を進める。また,理解が深まるよう学習の進度にあわせて,授業時間内で演習指導をする。
後期に開講する。

成績評価方法
2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。試験には,教科書・ノートの持込を許可しない。電卓は使用する。演習問題,レポート(30%)。再試験は必要に応じて実施するが,評価方法は授業で説明する。
注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のためには履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。
本科目は「授業時間外の学習を必修とする科目」である。1単位あたり授業時間として15単位時間開講するが,これ以外に30単位時間の学習が必修となる。これらの学習については担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:

基礎科目:電気基礎Ⅰ(1年),電気基礎Ⅱ(2),機械材料学Ⅰ(3)

関連科目:機械材料学Ⅱ(4年),機能性材料学(専2)

受講上のアドバイス:演習問題を自らやってみることが最も大切である。授業開始時に着席していない場合,遅刻とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
材料科学の基礎
電気電子材料の基礎科学について説明できる。
原子の構造を説明できる。
2週 金属の導電現象と空孔率
格子の粒子数と球の占める体積比
金属中の導電現象を数式を用いて説明できる。
格子の構造について説明できる。
3週 導電材料と絶縁材料
抵抗材料
電気抵抗の大きさについて材料の原子,電子構造に基づいて定量的に説明できる。
4週 超伝導体の基本
超伝導材料,超伝導材料の応用
超伝導現象とその応用について説明できる。
5週 Liイオン電池 Liイオン電池の原理と用途が説明できる。
6週 磁性材料の基礎と高透磁率材料
永久磁石材料
磁性材料の特性と用途について説明できる。
7週 液晶および有機ELディスプレイ 液晶ディスプレイの原理について説明できる。
有機ELディスプレイの原理について説明できる。
8週 後期中間試験
4thQ
9週 前期中間試験の返却と解答解説
薄膜技術の適用例

薄膜技術を適用した製品について説明できる。
10週 薄膜作製技術の基礎
(真空,プラズマ,放電,薄膜成長)
薄膜作製プロセスと真空,プラズマ,放電,薄膜成長が関連つけて説明できる。
11週 真空蒸着法,スパッタリング法
(スパッタリング現象,スパッタリング装置)
スパッタリング現象,スパッタリング装置について説明できる。
12週 薄膜の評価技術
(結晶構造,電気的物性,機械的物性)
薄膜の評価技術について説明できる。
13週 イオンビーム技術
(イオン源,イオン注入装置,イオン蒸着装置)
イオン源,イオン注入装置,イオン蒸着装置について説明できる。
14週 薄膜作製技術の応用
(半導体,太陽電池,バリアコーティング)
半導体,太陽電池,バリアコーティングの作製技術について説明できる。
15週 後期末試験
16週 前期末試験の返却と解説 習得できた項目,習得出来なかった項目を整理し理解度を深める。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4後3
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4後3
原子の構造を説明できる。4後1,後3
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4後2
真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000