ロボット工学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 ロボット工学
科目番号 0071 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:Cによる数値計算法入門(森北出版),最新使える!MATLAB(講談社)
担当教員 野中 摂護

到達目標

【学習目的】
一般的なロボットの機能,構成,動作,駆動及び制御手法といったロボット工学の基礎知識の獲得を目的とする。また,ロボットの設計や機能を実現するために必要な技術力や問題解決能力をさらに深める。

【到達目標】
 1.ロボットに必要な機能,構成,動作,駆動及び制御手法を理解し,説明できる。
 2.機械設計の方法,物理量の測定方法および機械制御の基礎を学ぶ。
◎3.工学的課題を理解し,公衆の健康・安全への配慮,文化的・社会的・環境的な視点に配慮しつつ,課題解決のための設計解(システム・構成要素・工程)を創案できる。
 4.コンピュータを用いて数値計算に関連した問題を解くことができる。

ルーブリック

不可
評価項目1ロボットに必要な機能,構成,動作,駆動及び制御手法を適切に理解し,自分の言葉で説明できる。ロボットに必要な機能,構成,動作,駆動及び制御手法を概ね理解し,教科書などの言葉を用いて簡単に説明できる。ロボットに必要な機能,構成,動作,駆動及び制御手法を概ね理解し,教科書や参考書からヒントを得ながら説明できる。ロボットに必要な機能,構成,動作,駆動及び制御手法の基礎知識が不十分で説明できない。
評価項目2ロボット工学に関連する機械設計の方法,物理量の測定方法および機械制御の基礎を主体的に学び,それらの知識を応用することができる。ロボット工学に関連する機械設計の方法,物理量の測定方法および機械制御の基礎を主体的に学び,それらの知識を活用することができる。ロボット工学に関連する機械設計の方法,物理量の測定方法および機械制御の基礎を主体的に学ぶことができる。ロボット工学に関連する機械設計の方法,物理量の測定方法および機械制御の基礎を主体的に学ぶことができない。
評価項目3ロボット工学における工学的課題を理解し,公衆の健康・安全への配慮,文化的・社会的・環境的な視点を持って学ぶことができ,課題解決のための設計解(システム・構成要素・工程)を創案できる。ロボット工学における工学的課題を理解し,公衆の健康・安全への配慮,文化的・社会的・環境的な視点を持って学ぶことができ,課題解決のためのプロセスを提示し議論できる。ロボット工学における工学的課題を理解し,公衆の健康・安全への配慮,文化的・社会的・環境的な視点を持って学ぶことができる。ロボット工学における工学的課題を理解し,公衆の健康・安全への配慮,文化的・社会的・環境的な視点を持って学ぶことができない。
評価項目4コンピュータを用いて数値計算に関連した問題を解くことができ,応用することができる。コンピュータを用いて数値計算に関連した問題を解くことができる。コンピュータを用いて数値計算に関連した問題を解くための基礎を理解している。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
【一般・専門の別】
専門

【学習の分野】
情報と計測・制御

【必修・必履修・履修選択・選択の別】
必修

【基礎となる学問分野】
工学/機械工学,電気電子工学,情報工学,制御工学

【学科学習・教育目標との関連】
本科目は電子制御工学科学習目標「(2)情報と計測・制御,設計と生産,材料と構造,機械とシステム,運動と振動,エネルギーと流れに関する専門技術分野の知識を修得し,工学問題の解析やメカトロニクス関連機器の設計や製作ができる能力を身につける」に相当する。

【技術者教育プログラムとの関連】
本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料と構造」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。

【授業の概要】
機械設計及び計測制御分野の専門性の深化を目指して,ロボットを分解することで,ロボットがどう作られ,どのように動かされ,どのような性質を持っているか等を解説する。また,ロボットの移動機構や,機能を実現するための方法論や考え方を示し,ロボットの構成要素であるセンサ等の計測制御技術についても解説する。
授業の進め方・方法:
【授業の方法】
板書を中心に授業を進めていくが,演習問題等で講義内容を理解し易くする。また,資料やビデオ等の教材を適宜利用し実技術との関わりを意識させ,適宣グループワークを行うことで,主体的に学ぶ機会をつくる。各計算アルゴリズムを例題提示し,その応用問題をプログラムの改良によって解かせることで理解させる。プログラミング言語はMATLAB互換のインタプリタ言語を使用する。

【成績評価方法】
前期:定期試験(60%)および演習課題(40%)にて評価を行う。なお必要に応じて再試験を実施する。
後期:定期試験(またはレポート)をそれぞれ同等に評価する(70%)。また,演習・グループワークを評価する(30%)。状況により,再試験を行う場合があるが,その評価は最大60点とする。評価方法は授業で説明する。
注意点:
【履修上の注意】
本科目は必修科目であり,学年の課程修了のためには履修が必須である。

【履修のアドバイス】
ロボット工学は数学,制御工学,及び物理学等を基礎とするが,下記に示す基礎科目を復習しておくことが望ましい。

【基礎科目】
設計製図(1年)基礎線形代数(2),材料力学(3),数学続論(4),機械力学(4),制御工学Ⅰ(4)

【関連科目】
メカトロニクス(5年),設計工学(5),センサ工学(5),応用設計工学(専1),制御機器特論(専1),応用制御工学(専2)

【受講上のアドバイス】
ロボット工学は,包含する工業技術の範囲が非常に広く,多くの分野と密接に関係している。したがって,基礎科目の復習等万全な状態で講義に臨んでほしい。また,演習のために電卓を準備すること。なお,遅刻については,開始60分後までは状況に合わせて遅刻数欠課数を適用するが,それ以降は欠課として扱う。なお,本科目は,メカトロニクス人材育成関連科目である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 科目の位置づけ,学習内容,方法に関するガイダンス,演習室利用の説明 科目の位置づけを理解できる。
2週 力学シミュレーションによる演習:ロボットシミュレーションの概念の理解 物理エンジンを用いたシミュレーションを実施し,静力学および動力学計算に使用される数値計算の重要性を理解する。
3週 力学シミュレーションによる演習:ロボットシミュレーションの概念の理解 物理エンジンを用いた力学に関する課題に取り組み,解を求めることができる。
4週 インタプリタ言語を用いたプログラムの基本操作と基礎知識〔基本データ型〕 MATLAB互換のアプリケーションを用いたプログラミングの基礎〔基本データ型〕について理解できる。
5週 インタプリタ言語を用いたプログラムの基礎知識〔入出力〕 MATLAB互換のアプリケーションを用いたプログラミングの基礎〔入出力〕について理解できる。
6週 データと演算子〔演算子の種類〕〔演算子の取り扱い〕 データと演算子〔演算子の種類〕〔演算子の取り扱い〕について理解できる。
7週 演算子を応用したプログラミング 演算子を応用したプログラミングを行うことができる。
8週 中間試験(実施せずにレポートによる評価を行う)
2ndQ
9週 中間テストの答案を返却して解説,演習:パソコン演習の復習 前期中間試験の内容を理解する
10週 分岐と繰り返し〔if文〕 分岐と繰り返し〔if文〕について理解できる。
11週 連立一次方程式〔LU分解(1)〕,演習:LU分解法のプログラムの作成と実行 LU分解法の原理とその特性を理解し目的のプログラムを作成・実行できる。
12週 数値補間法〔スプライン補間,カーブフィッティング,FFT〕 数値補間法〔スプライン補間,カーブフィッティング,FFT〕のプログラムを作成・実行できる。
13週 数値補間法〔スプライン補間,カーブフィッティング,FFT〕 数値補間法〔スプライン補間,カーブフィッティング,FFT〕のプログラムを作成・実行できる。
14週 非線形方程式の解法〔不動点法,2分法,ニュートン法〕 非線形方程式の解法〔不動点法,2分法,ニュートン法〕のプログラムを作成・実行できる。
15週 前期末試験
16週 前期期末試験の返却と解答解説 前期末試験の内容を理解する
後期
3rdQ
1週 ガイダンス(シラバスの説明含む),ロボット工学の歴史と概念等 ロボット工学の概要を理解する。
2週 ロボット開発の最新動向の紹介,ロボットの構成要素と役割 ロボットの最新動向と構成要素・役割を理解する。
3週 分解する(1):ロボットの作業と機能等 ロボットの作業や機能を理解する。
4週 分解する(2):ロボットの機能と構成要素,構成要素と構造等 ロボットの機能と構成要素に加え,構成要素に対する構造を理解する。
5週 移動する(1):移動ロボットの形態と原理 ロボットの移動形態と各形態の原理を理解する。
6週 移動する(2):車輪移動ロボット 車輪移動ロボットの移動原理と理論を理解する。
7週 移動する(3):2足歩行と多足歩行 脚式ロボットの歩行に関する原理や分類,理論を理解する。
8週 (後期中間試験) これまでの内容を説明できる。
4thQ
9週 中間試験の答案返却と解答解説 上記に同じ。
10週 作業する(1):作業の種類と用途,駆動方式 ロボットの作業の種類や用途,これに対する駆動方式を理解する。
11週 作業する(2):平面マニピュレータの運動学 平面マニピュレータの運動学を理解する。
12週 作業する(3):平面マニピュレータの静力学と動力学 平面マニピュレータの静力学と動力学を理解する。
13週 計測する(1):ロボットとセンサ,対象物を発見する方法 ロボットが用いるセンサ,対象物を発見する方法を理解する。
14週 計測する(2):距離と形状・回転量・力・姿勢を計測する ロボットの姿勢や作業に必要とする物理量の計測方法と理論を理解する。
15週 (後期末試験) これまでの内容を説明できる。
16週 後期末試験の答案返却と解答解説 上記に同じ。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計リンク装置の機構を理解し、その運動を説明できる。3前6,前7,前11,前12
代表的なリンク装置の、変位、速度、加速度を求めることができる。3前6,前7,前11,前12

評価割合

試験発表相互評価課題小テストその他合計
総合評価割合700020100100
基礎的能力0000000
専門的能力70001010090
分野横断的能力000100010