数値計算

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 数値計算
科目番号 0083 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 なし
担当教員 湊原 哲也

到達目標

学習目的:非線形方程式,補間,数値積分,連立方程式,微分方程式の数値的計算手法をコンピュータの活用を通して学ぶ。

到達目標:
1. コンピュータを用いて,数値計算に関連した問題を解くことができる
2. 電卓を用いて,数値計算に関連した簡単な問題を解くことができる

ルーブリック

不可
評価項目1消去法のアルゴリズムをよく理解できており,提示された連立一次方程式を手計算で解くことができる消去法のアルゴリズムをある程度理解できており,提示された連立一次方程式をおおむね手計算で解くことができる消去法のアルゴリズムを少しは理解できており,提示された簡単な連立一次方程式を手計算で解くことができる消去法のアルゴリズムを理解できておらず,提示された連立一次方程式を手計算で解くことができない
評価項目2数値補間のアルゴリズムをよく理解できており,提示されたデータの数値補間を正しく行うことができる数値補間のアルゴリズムをある程度理解できており,提示されたデータの数値補間を行うことができる数値補間のアルゴリズムを少しは理解できており,提示された簡単なデータの数値補間を行うことができる数値補間のアルゴリズムを理解できておらず,数値補間が行えない
評価項目3非線形方程式の解法のアルゴリズムをよく理解できており,提示された非線形方程式の解を電卓を用いて導くことができる非線形方程式の解法のアルゴリズムをある程度理解できており,提示された非線形方程式の解を電卓を用いて求めることができる非線形方程式の解法のアルゴリズムを少しは理解できており,提示された簡単な非線形方程式の解を電卓を用いて求めることができる非線形方程式の解法のアルゴリズムを理解できておらず,提示された非線形方程式の解を求められない
評価項目4数値積分のアルゴリズムをよく理解できており,提示された問題の数値積分値を正しく求められる数値積分のアルゴリズムをある程度理解できており,提示された問題の数値積分値の真値に近い値を求められる数値積分のアルゴリズムを少しは理解できており,提示された簡単な問題の数値積分値の真値に近い値を求められる数値積分のアルゴリズムを理解できておらず,数値積分値を求められない
評価項目5微分方程式の解法のアルゴリズムをよく理解できており,初期値が与えられた微分方程式について,任意のステップまでの値を正確に求めることができる微分方程式の解法のアルゴリズムをある程度理解できており,初期値が与えられた微分方程式について,任意のステップまでの値を求めることができる微分方程式の解法のアルゴリズムを少しは理解できており,初期値が与えられた微分方程式について,数ステップまでの値を求めることができる微分方程式の解法のアルゴリズムを理解できておらず,微分方程式の初期値が与えられても値を求めることができない
評価項目6連立一次方程式を解く汎用的なプログラムを作成することができ,それを用いて連立一次方程式を解くことができる提示された連立一次方程式を解くプログラムを作成することができ,それを用いて連立一次方程式を解くことができる組込み関数を用いて連立一次方程式を解くことができる組み込み関数を用いても連立一次方程式を解くことができない
評価項目73種類以上の数値補間法に関するプログラムを作成することができ,それを用いて数値補間を行える2種類以上の数値補間法に関するプログラムを作成することができ,それを用いて数値補間を行える1種類以上の数値補間法に関するプログラムを作成することができ,それを用いて数値補間を行える数値補間法をプログラムできない
評価項目83種類以上の非線形方程式に関するプログラムを作成することができ,それを用いて非線形方程式を解くことができる2種類以上の非線形方程式に関するプログラムを作成することができ,それを用いて非線形方程式を解くことができる1種類以上の非線形方程式に関するプログラムを作成することができ,それを用いて非線形方程式を解くことができる非線形方程式の解法をプログラムできない
評価項目93種類以上の数値積分に関するプログラムを作成することができ,それを用いて数値積分を行える2種類以上の数値積分に関するプログラムを作成することができ,それを用いて数値積分を行える1種類以上の数値積分に関するプログラムを作成することができ,それを用いて数値積分を行える数値積分法をプログラムできない
評価項目10微分方程式を解く汎用的なプログラムを作成することでき,それを用いて微分方程式を解くことができる提示された微分方程式を解くプログラムを作成することでき,それを用いて微分方程式を解くことができる組み込み関数を用いて微分方程式を解くことができる組み込み関数を用いても微分方程式を解くことができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門,学習の分野:情報と計測・制御

必修・履修・履修選択・選択の別:履修選択

基礎となる学問分野:総合理工/計算科学/計算科学

学科学習目標との関連:本科目は電子制御工学科学習目標「(2) 情報と計測・制御,設計と生産・管理,材料と構造,機械とシステム,運動と振動,エネルギーと流れに関する専門技術分野の知識を修得し,工学問題の解析やメカトロニクス関連機器の設計や製作ができる能力を身につける。」に相当する。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-1:工学に関する基礎知識として,自然科学の幅広い分野の知識を習得し,説明できること」であるが,付随的には「C-1」にも関与する。

授業の概要:工学系の数学は理学系のそれより実用的な解答の数値を得る必要が多い。工学系計算の基本となっている項目(非線形方程式,補間,数値積分,連立方程式,微分方程式)の数値計算手法をコンピュータの活用で学習する。
授業の進め方・方法:
授業の方法:各計算アルゴリズムを例題提示し,その応用問題をプログラムの改良によって解かせることで理解させる。プログラミング言語はOctaveを使用する。

成績評価方法:定期試験(60%)および演習課題(40%)にて評価を行う。なお必要に応じて再試験を実施する。

注意点:
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学習を必修とする科目」である。1単位あたり授業時間として15単位時間開講するが,これ以外に30単位時間の学習が必修となる。これらの学習については担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:本科目は選択科目であり,「環境工学」および「センサ工学」が同時開講となる。

基礎科目:微分積分Ⅰ(2年),情報処理Ⅰ(2),微分積分Ⅱ(3),線形数学(3),情報処理Ⅱ(3)

関連科目:情報処理基礎/応用演習I(専1年),情報科学(専1),機械・制御システム特別実験(専1)

受講上のアドバイス:説明をよく聞き,質問をするなどして理解を確実なものにするとともに,計算機による演習に着実に成果を出すこと。遅刻については,90分授業のうち最初の20分以内の入室を遅刻,45分以内を1欠課,65分以内を1欠課1遅刻,それ以降を2欠課として扱う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,Octaveの使用法〔データの定義と操作,スカラー・ベクトル・行列演算〕 Octaveの使用法(データ定義と操作,スカラー・ベクトル・行列演算)を習得する
2週 Octaveの使用法〔組み込み関数の利用,プロット機能,制御構文,スクリプト・関数の作成〕 Octaveの使用法(組み込み関数の利用,プロット機能,制御構文,スクリプト・関数の作成)を習得する
3週 連立一次方程式の解法〔消去法,LU分解〕
(演習課題1〔Octaveの使用法と連立一次方程式の解法〕)
連立一次方程式の解法について理解する
4週 数値補間法〔スプライン補間〕 数値補間法(スプライン補間)について理解する
5週 数値補間法〔カーブフィッティング,FFT〕
(演習課題2〔数値補間法〕)
数値補間法(カーブフィッティング,FFT)について理解する
6週 非線形方程式の解法〔不動点法〕 非線形方程式の解法(不動点法)について理解する
7週 非線形方程式の解法〔2分法,ニュートン法〕
(演習課題3〔非線形方程式の解法〕)
非線形方程式の解法(2分法,ニュートン法)について理解する
8週 (後期中間試験) 後期中間までの内容に関する理解度を確認する
4thQ
9週 答案の返却と解説 後期中間までの内容に関する理解度を確認する
10週 固有値問題 固有値問題について理解する
11週 数値積分法〔台形公式〕 台形の公式を用いて数値積分を求められるようになる
12週 数値積分法〔シンプソンの公式,ガウス求積法〕
(演習課題4〔固有値問題と数値積分法〕)
シンプソンの公式およびガウス求積法を用いて数値積分を求められるようになる
13週 常微分方程式の解法〔ルンゲクッタ法〕 ルンゲクッタ法について理解する
14週 常微分方程式の解法〔境界値問題〕
(演習課題5〔常微分方程式の解法〕)
常微分方程式の解法について理解する
15週 (後期末試験) 後期末までの内容に関する理解度を確認する
16週 答案の返却と解説 後期末までの内容に関する理解度を確認する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野情報処理プログラムを実行するための手順を理解し、操作できる。3後1
定数と変数を説明できる。3後1
整数型、実数型、文字型などのデータ型を説明できる。3後1
演算子の種類と優先順位を理解し、適用できる。3後1
算術演算および比較演算のプログラムを作成できる。3後1
データを入力し、結果を出力するプログラムを作成できる。3後3,後4,後5,後6,後7,後11,後12,後13,後14
条件判断プログラムを作成できる。3後2
繰り返し処理プログラムを作成できる。3後2
一次元配列を使ったプログラムを作成できる。3後2,後3,後4,後5,後6,後7,後10,後11,後12,後13,後14

評価割合

試験課題合計
総合評価割合6040100
基礎的能力000
専門的能力6040100
分野横断的能力000