設計工学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 設計工学
科目番号 0095 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:肥田 昭ほか 「エース機械設計」(朝倉書店),参考書:稲田ほか 「改訂新版機械設計法」
担当教員 山本 吉範

到達目標

学習目的:代表的な機械要素の設計法を学ぶことで,機械設計の基礎能力を養う。また,多くの専門基礎科目の知識について設計を通して応用できる総合基礎能力を修得する。
到達目標:
◎1.機械要素の種類,特徴,用途,標準規格の意義ならびに許容応力,安全率,疲労破壊,応力集中の意味を理解し,説明できる。
  2.機械設計の方法を理解し,説明できる。
◎3.ねじ,ボルト・ナット,軸と軸継手,軸受,歯車の種類,用途,特徴の説明とそれらの機械要素パラメータが 計算できる。
◎4.設計条件を満足する,材料選定や寸法決定ができる。学習目的: 代表的な機械要素の設計法を学ぶことで,機械設計の基礎能力を養う。また,多くの専門基礎科目の知識について設計を通して応用できる総合基礎能力を修得する。                  

ルーブリック

不可
評価項目1機械要素の種類,特徴,用途,標準規格,許容応力,安全率,疲労破壊および応力集中について説明でき,各種設計問題に利用できる。機械要素の種類,特徴,用途およびh用準規格について説明でき,基本的な設計問題に適用できる。機械要素の種類,特徴,用途および規格について説明できる。左記内容に達していない。
評価項目2機械設計の各種方法を理解でき,設計問題に応用できる。機械設計の基本的方法を理解でき,設計問題に適用できる。機械設計の基本的方法を理解できる。左記内容に達していない。
評価項目3各種機械要素の用途を理解し,強度を計算できる。基本的な機械要素の用途を理解し,強度を計算できる。基本的な機械要素の用途を理解できる。左記内容に達していない。
評価項目4設計条件(仕様)を満足する最適な設計解を求めることができる。設計条件(仕様)を満足する設計解を求めることができる。設計条件(仕様)を満足する設計解を求めることができる。左記内容に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門         学習の分野:設計と生産・管理                    必修・履修・履修選択・選択の別:履修
基礎となる学問分野: 工学/機械工学/設計工学・機械機能要素・トライボロジー

電子制御工学科学習目標との関連: 本科目は電子制御工学科学習目標「(2)情報と計測・制御,設計と生産,材料と構造,機械とシステム,運動と振動,エネルギーと流れに関する専門技術分野の知識を修得し,工学問題の解析やメカトロニクス関連機器の設計や製作ができる能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連: 本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化」,A-2:「材料と構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。

授業の概要:設計は広い知識と多年の実務経験を総合する技術であり,創造的な作業である。したがって,目的とするものを作る場合には,いく通りもの手法と解が存在する。この授業では,工業製品の大部分を生産している機械の設計について解説する。特に,機械を構成する個々の機械要素の設計は機械設計の基本となるので,その設計法を中心に述べる。

授業の進め方・方法:
授業の方法: 1回90分間の授業で15週行う。板書を中心に授業を進め,主に各種機械要素の設計法に力点を置き解説する。理解を深めるために演習やレポート課題を課す。

成績評価方法:定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する(70%)。レポート課題(30%)。総合成績が60点未満の者に対しては,再試験を行うことがあり,定期試験と同等に扱う。
注意点:
履修上の注意: なし

履修のアドバイス: 4年生までに修得した専門基礎科目の知識を使うことになるので,それらの知識を整理しておくことが望ましい。

基礎科目: 設計製図(1年),機械工作法(2),工業力学(3),機械材料学Ⅰ(3),Ⅱ(4),材料力学Ⅰ(3),Ⅱ(4),機械力学(4),熱力学(4),流体工学(4)など


関連科目:CAD/CAM(5年),応用設計工学(専1)など


受講上のアドバイス: 設計工学は「総合」に重きを置く分野であるので,他のほぼ全ての専門科目で学習した知識と関連させて学習するように心掛けること。20分を越える遅刻は1欠課と見なすので注意すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ●ガイダンス,設計の基礎,設計の基本理念,標準化,JIS表示の見方と使い方
設計の基礎およびJIS規格を理解し,説明できる。
2週 ●ISO9000,材料の強さをJISの表から求める方法,作用する力,荷重についての見積もり,安全率
許容応力,安全率,疲労破壊,応力集中を理解し,説明できる。
3週 ●締結要素,鋲継手
鋲継手を理解し,説明できる。
4週 ●容器,溶接,ねじの表示
左記項目を理解し,説明できる。
5週 ●ねじの自立条件,ねじの効率
左記項目を理解し,説明できる。
6週 ●ねじの強さ,ナット,ボルトの強度区分,締付トルクと軸力,ねじのひっかかり率
左記項目を理解し,説明できる。
7週 ●衝撃荷重のかかる場合,植込みボルトのねじ深さ,軸系要素,軸の強さ,温度差による伸び縮み,軸のたわみ,軸端形状
左記項目を理解し,説明できる。
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 ●答案の返却と解答解説,動力伝達要素,選定方法,ベルト長さ
各種動力伝達要素の選択方法を理解し,説明できる。
10週 ●平ベルト伝動・Vベルト伝動・チェーン伝動
左記動力伝達要素を理解し,説明できる。
11週 ●歯車,圧力角,モジュール,歯の強さ,かみあい率,すべり率,接触面の強さ
左記歯車に関する各事項を理解し,説明できる。
12週 ●コイルばね,引張,圧縮コイルばね,ブレーキ,支え要素,すべり軸受ところがり軸受,すべり軸受
左記バネ,ブレーキおよび軸受を理解し,説明できる。
13週 ●軸受設計の計算手順,ころがり軸受,寿命計算
左記軸受を理解し,説明できる。
14週 ●はめあい,ヘルツ接触,潤滑剤,潤滑油量
左記軸受を理解し,説明できる。
15週 (後期末試験)
16週 ●答案の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野機械設計標準規格の意義を説明できる。4
許容応力、安全率、疲労破壊、応力集中の意味を説明できる。4
標準規格を機械設計に適用できる。4
ねじ、ボルト・ナットの種類、特徴、用途、規格を理解し、適用できる。4
ボルト・ナット結合における締め付けトルクを計算できる。4
ボルトに作用するせん断応力、接触面圧を計算できる。4
軸の種類と用途を理解し、適用できる。4
軸の強度、変形、危険速度を計算できる。4
滑り軸受の構造と種類を説明できる。4
転がり軸受の構造、種類、寿命を説明できる。4
歯車の種類、各部の名称、歯型曲線、歯の大きさの表し方を説明できる。4
すべり率、歯の切下げ、かみあい率を説明できる。4
標準平歯車と転位歯車の違いを説明できる。3
標準平歯車について、歯の曲げ強さおよび歯面強さを計算できる。4
歯車列の速度伝達比を計算できる。3

評価割合

試験発表相互評価自己 評価課題小 テスト合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000