到達目標
学習目的:メカトロ機器は機械を目的とする状態へ速やかに移行するために計測技術を応用してパフォーマンスを評価することが重要である。このため多様な計測方法の中から目的に適した手法を選ぶことが大切で,計測機器の原理や基礎理論を理解することが不可欠である。計測技術を系統的に学習することで,目的とする物理量を計測するための原理や基礎理論を理解する。
到達目標:
1.国際単位系の構成を理解し,SI単位およびSI接頭語を説明できる。
2.測定の種類と定義を説明できる。
3.測定誤差の原因と種類,精度を説明できる。
4.長さの計測方法と計測機器を説明できる。
ルーブリック
| 優 | 良 | 可 | 不可 |
評価項目1 | 国際単位系の構成及び他の単位系との違いを理解し,SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 国際単位系の構成を理解し,SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 国際単位系の構成を理解し,SIの基本単位およびSI接頭語の定義を理解している。 | 左記に達していない。 |
評価項目2 | 測定の定義と種類を説明でき,測定対象に応じて適切な測定法を選択できる。 | 測定の定義と種類を説明でき,測定上の注意点を認識している。 | 測定の定義と種類を説明できる。 | 左記に達していない。 |
評価項目3 | 測定誤差の原因と種類,精度と不確かさ,合成誤差を理解した上で測定できる。 | 測定誤差の原因と種類,精度と不確かさを理解し,合成誤差を計算できる。 | 測定誤差の原因と種類,精度と不確かさ,合成誤差について理解している。 | 左記に達していない。 |
評価項目4 | 各種物理量の計測方法が説明でき,仕様書の作成ならびに測定機器の選定を行うことができる。 | 各種物理量の計測方法が説明でき,測定機器の選定を行うことができる。 | 各種物理量の計測方法と使用できる測定機器について理解している。 | 左記に達していない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:情報と計測・制御
必修・履修・履修選択・選択の別:履修
基礎となる学問分野:工学/機械工学/機械力学・制御
学科学習目標との関連:本科目は電子制御工学科学習目標「(2)情報と計測・制御,設計と生産・管理,材料と構造,機械とシステム,運動と振動,エネルギーと流れに関する専門技術分野の知識を修得し,工学問題の解析やメカトロニクス関連機器の設計や製作ができる能力を身につける。」に相当する。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「材料構造」,「運動と振動」,「エネルギーと流れ」,「情報と計測・制御」,「設計と生産・管理」,「機械とシステム」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的には「A-1」にも関与する。
授業の概要:基準(単位系)と比較して測定値を求める手法を概説すると同時に測定値に現れる不確かさの取り扱いと精度良い測定のための注意点を説明し,計測制御分野の専門性の深化を目指す。
授業の進め方・方法:
授業の方法:授業内容は,ほとんどが板書によるが,概要の説明が主体となる。しかし,計測工学は,制御工学等の科目と密接に関連し,非常に重要であるので教科書をよく読んでおくこと。演習として,授業中に提示した課題に取り組んでもらう。
成績評価方法:定期試験:60 %。2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価する。試験への教科書・ノートの持込はそのつど指示する。状況により再試験を実施するが,評価方法は授業で説明する。授業中に提示した課題:40 %
注意点:
履修上の注意:なし。
履修のアドバイス:並行して開講されるセンサ工学,制御機器,メカトロニクスおよび制御工学との関連が深いので,これらの科目の中で使われる計測技術にも留意しながら履修することが望ましい。
基礎科目:機械工作法(2年)
関連科目:設計工学(5年),CAD/CAM(5),応用設計工学(専1)など
受講上のアドバイス:本科目は,メカトロニクス人材育成関連科目である。予習・復習を十分すること。関連する科目で学習した知識と連携させて学習するよう心掛けること。また,授業開始時に課題を提示する。遅れた場合は課題解答ができないので遅刻はしないこと。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
・ガイダンス |
ガイダンスに従い履修計画を立てることができる。
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2週 |
・測定と単位系〔測定と単位〕 |
測定と単位系の概念を理解できる。
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3週 |
・測定と単位系〔基本単位,演習〕 |
SI基本単位の定義を理解できる。
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4週 |
・測定と単位計〔基本単位,補助単位〕 |
SI基本単位と補助単位の関係を理解できる。
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5週 |
・測定と単位計〔組立単位,演習〕 |
SI基本単位と組立単位の関係を理解できる。
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6週 |
・不確かさとその取り扱い〔不確かさの分類〕 |
測定誤差の原因と種類について説明できる。
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7週 |
・不確かさとその取り扱い〔総計的取り扱い〕 |
測定誤差の原因と種類について説明できる。
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8週 |
(後期中間試験) |
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4thQ |
9週 |
・後期中間試験の答案返却と試験解説 |
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10週 |
・不確かさとその取り扱い〔正確さ,精密さ,精度〕 |
直接測定と間接測定における不確かさについて見積もることができる。
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11週 |
・直接測定と間接測定における不確かさ |
代表的な計測方法について説明できる。
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12週 |
・偏位法と零位法,伝送〔インピータンス整合〕 |
偏位法と零位法による測定法と伝送器の役割について説明できる。
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13週 |
・AD変換器とDA変換器 |
AD変換器とDA変換器の変換アルゴリズムについて説明できる。
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14週 |
・長さと角度の測定,長さの基準,長さ測定における不確かさ |
長さ測定における測定法,精度,不確かさについて説明できる。
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15週 |
(後期末試験) |
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16週 |
・後期末試験の答案返却と試験解説 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 機械系分野 | 計測制御 | 計測の定義と種類を説明できる。 | 1 | |
測定誤差の原因と種類、精度と不確かさを説明できる。 | 4 | 後10 |
国際単位系の構成を理解し、SI単位およびSI接頭語を説明できる。 | 4 | |
代表的な物理量の計測方法と計測機器を説明できる。 | 2 | |
自動制御の定義と種類を説明できる。 | 2 | |
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。 | 2 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 課題 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 0 | 0 | 40 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 60 | 0 | 0 | 40 | 0 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |