概要:
一般・専門の別:専門
基礎となる学問分野:情報学/計算基礎/情報ネットワーク
学科学習目標との関連:本科目は学科学習目標「(2) 情報・制御ならびに電気・電子の分野に関する専門技術分野の知識を修得し,情報・通信等の分野に応用できる能力を身につける」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「電気・電子」,「情報・制御」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的には「F-1」と「G-1」にも関与する。
授業の概要:情報機器をディジタル通信路で結合した情報ネットワークは,社会インフラの一つとして現代社会に欠かせないものになっている。本講義では,情報ネットワークの基本概念と実現技術の両方を扱う。
授業の進め方・方法:
授業の方法:(後期)教科書の項目を単位として受講者間で担当を決め,輪講する。一部の内容は課題として各自で取り組む。
成績評価方法:前期後期で50%ずつで評価する。(前期)2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価し(50%)、課題(50%)も評価に加える。(後期)2回の定期試験の結果をそれぞれ同等に評価し(60%),担当分の発表(20%)と宿題レポート(20%)も評価に加える。再試験は原則行わない。ただし,定期試験の結果をもって単位認定を正当に結論できないと判断した場合には再試験を行い,その結果によって学年末成績を修正することがありうる。原則として,いずれの試験にも資料の持込を許可しないが,状況によって許可することもありうるので,授業中の指示事項に注意すること。
注意点:
履修のアドバイス:(前期)予習プリントをもとに授業を行う。なお授業の最後に、次週内容の予習プリントを配布する。したがって、学修単位分として事前に
教科書を⾒ながら解いておくこと。(後期)本科目は輪講形式で行う。そのため,自分の担当箇所の説明で手を抜くと,他の受講者の成績を下げることにつながる。他に迷惑をかけないよう,真剣に取り組むこと。事前に行う準備学習として,「コンピュータ概論」など,これまでに学んだ関連科目を復習しておくこと。
受講上のアドバイス:(前期・後期)授業開始前に行う出席確認に遅れた者は遅刻として扱う。2遅刻で1欠課(1回分の授業)として扱う。なお,配布物は欠席者の分も出席者と一緒に配布し,再発行は行わないので,無用な遅刻や欠課をせず,確実に配布物を受け取ること。
履修上の注意:本科目は「授業時間外の学習を必修とする科目」である。1単位あたり授業時間として15単位時間開講するが,これ以外に30単位時間の学習が必修となる。これらの学習については担当教員の指示に従うこと。
本科目は本学年の課程修了のために履修が必須である。
基礎科目:これまでに使ってきたネットワークアプリケーション
関連科目:コンピュータ概論(3年),情報工学実験Ⅳ(4),情報通信工学(5),コンピュータシステム(5)
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
科目の位置づけ,学習内容,方法に関するガイダンス |
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2週 |
ネットワークとは, 回線交換とパケット交換 |
ネットワーク、回線交換とパケット交換に関して基本的な説明ができる。
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3週 |
ネットワークの構造, WAN, LAN |
ネットワークの構造の基礎やWANとLANの違いを説明できる。
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4週 |
OSI 参照モデル, プロトコル, TCP/IP モデル |
OSI 参照モデル、プロトコル、そしてTCP/IP モデルの概要の説明ができる。
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5週 |
レイヤー1(OSI 参照モデル) の役割と概要, ハブ |
レイヤー1(OSI 参照モデル) の役割と概要が説明できる。ハブの利用目的を説明できる。
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6週 |
レイヤー2(OSI 参照モデル) の役割と概要, MAC アドレス |
レイヤー2(OSI 参照モデル) の役割と概要やMAC アドレスについて説明できる。
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7週 |
イーサネット, スイッチ |
イーサネットの概要やスイッチの利用目的について説明できる。
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8週 |
IP アドレス |
IPアドレスの概要について説明できる。
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2ndQ |
9週 |
前期中間試験 |
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10週 |
前期中間試験の返却と解説, サブネッティング, DHCP, ARP, DNS |
サブネットの目的、DHCPとARPプロトコル、DNSサービスについて説明できる。
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11週 |
ルーティングの役割と概要 |
ルーティングの役割と概要が説明できる。
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12週 |
ルーティングプロトコル |
基本となるルーティングプロトコルの説明ができる。
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13週 |
TCP |
TCPプロトコルの説明ができる。
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14週 |
UDP, NAT, NAPT |
UDPプロトコルの概要およびTCPとの違い、NATとNAPTについて説明ができる。
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15週 |
前期末試験 |
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16週 |
前期末試験の返却と解答解説 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
学習内容,方法に関するガイダンス,担当の決定 |
次週以降の授業の準備が完了する
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2週 |
"通信技術の変遷,通信の仕組み,情報ネットワーク,プロトコルとOSI参照モデル,コネクション型通信とコネクションレス型通信
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ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる,SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる,基本的なフィルタリング技術について説明できる
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3週 |
通信の評価項目と国際間標準化,変調の意義,変調方式の分類,アナログ変調,情報のディジタル化,再生・線形中継と伝送路符号 |
無線通信の仕組みと規格について説明できる,有線通信の仕組みと規格について説明できる
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4週 |
ディジタル変調方式,多重化の意義と基本概念,多重化方式の分類,周波数分割多重方式,位置多重化方式,ラベル多重化方式 |
無線通信の仕組みと規格について説明できる,有線通信の仕組みと規格について説明できる
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5週 |
非同期ディジタルハイアラーキ(PDH),交換の概要,交換方式の分類,回線交換,パケット交換,フレームリレー |
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる,基本的なルーティング技術について説明できる
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6週 |
ATM交換(セルリレー),光ファイバ通信の概要,光ファイバ通信の基本構成,光ファイバ,ファイバ通信における要素技術(光ファイバ以外),光ファイバ通信のネットワークにおける特徴 |
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる,有線通信の仕組みと規格について説明できる
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7週 |
光ネットワーク導入の経緯,同期ディジタルハイアラーキ(SDH),波長分割多重通信(WDM),光伝達網(OTN) |
有線通信の仕組みと規格について説明できる
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8週 |
後期中間試験 |
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4thQ |
9週 |
後期中間試験の返却と解答解説 |
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10週 |
光アクセス系,インターネットの概要,インターネットにおけるプロトコル,インターネットにおける情報転送 |
有線通信の仕組みと規格について説明できる,SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる,基本的なフィルタリング技術について説明できる
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11週 |
IPアドレス,ルーティング,データ転送機器,LANの概要,各種LAN向け規格の位置づけ,イーサネットとその通信規格 |
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる,基本的なルーティング技術について説明できる,基本的なフィルタリング技術について説明できる
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12週 |
イーサネットでのデータ転送,イーサネットの構成,その他の有線LAN方式,無線LAN,LANの拡張,電波の基本特性 |
無線通信の仕組みと規格について説明できる,有線通信の仕組みと規格について説明できる
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13週 |
地上固定無線通信,多元接続方式,移動体通信,衛星通信 |
無線通信の仕組みと規格について説明できる
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14週 |
まとめ,補足 |
主要なサーバの構築方法を説明できる,情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる
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15週 |
後期末試験 |
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16週 |
前期末試験の返却と解答解説 |
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