制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 0020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 参考書:阪部俊也・飯田賢一「自動制御」(コロナ社)
担当教員 曽利 仁

到達目標

学習目的:あらゆる現象をラプラス変換による伝達関数を用いてモデル化する能力,また,基本的なフィードバック制御系の特性を評価する能力を習得する等,制御系設計ができる総合応用能力を習得する。

到達目標:
1.制御の概念と種類,フィードバック制御について理解する。
2.ラプラス変換を基礎にした伝達関数を理解する。
3.システムを伝達関数やブロック線図を用いて表現することができる。
4.制御系の過渡特性,定常特性,周波数応答特性を説明する方法を習得している。
5.フィードバック制御系の安定性を判別する方法を習得し,制御系設計の基本設計ができる。

ルーブリック

不可
評価項目1制御概念と種類を説明でき,さらにフィードバック制御系の基本構成図を表現することができ,構成要素を十分に説明することができる。フィードバック制御系の基本構成図を表現することができ,構成要素を十分に説明することができる。フィードバック制御系の基本構成図を表現することができ,構成要素を説明することができる。フィードバック制御系の基本構成図を表現することができない,さらに各要素の役割を説明することができない。
評価項目2基本的なラプラス変換と逆ラプラス変換を十分に求めることができ,これらを用いて微分方程式を解くことができる。基本的なラプラス変換と逆ラプラス変換を十分に求めることができる。基本的なラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。基本的なラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができない。
評価項目3基礎的なシステムから応用的なシステムまで,伝達関数やブロック線図を用いて十分に表現することができる。伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができ,ブロック線図を用いてシステムを十分に表現できる。伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができ,ブロック線図を用いてシステムを表現できる。伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができない,さらにブロック線図を用いてシステムを表現できない。
評価項目4システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。システムの定常特性について,定常偏差を用いて説明できる。システムの周波数特性について,ボード線図を用いて説明できる。システムの過渡特性,定常特性,周波数特性について理解し,十分に説明できる。システムの過渡特性,定常特性,周波数特性について理解し,説明できる。システムの過渡特性,定常特性,周波数特性について理解できず,説明もできない。
評価項目5フィードバック制御系の安定判別法を複数習得し,制御系設計ができる。フィードバック制御系の安定性を判別する方法を習得し,制御系設計ができる。フィードバック制御系の安定性を判別する方法を習得し,簡単な制御系設計ができる。フィードバック制御系の安定性を判別する方法を習得できず,簡単な制御系設計ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:情報・制御

基礎となる学問分野:電気電子工学およびその関連分野/制御およびシステム工学関連

学科学習目標との関連:本科目は情報工学科学習目標「(2)情報・制御ならびに電気・電子の分野に関する専門技術分野の知識を修得し,情報・通信等の分野に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「電気・電子」,「情報・制御」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。

授業の概要:古典制御の中心であるフィードバック制御理論の基礎事項について講義する。制御における入力と出力関係は,線形化された微分方程式をラプラス変換した伝達関数で表すことができる。これらの伝達関数を検討することにより,様々な制御特性を学ぶ。

基礎科目:なし

関連科目:制御工学Ⅱ(5年),システム制御工学(専2年)
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心に授業を進め,ラプラス変換,伝達関数,フィードバック制御系の特性,周波数応答特性,フィードバック制御系の安定性などの内容について詳しく解説する。また,できるだけ学生に質問し,学生の理解度を確かめながら授業を進め,理解が深まるようにレポート,小テストを課す。

成績評価方法:4回の定期試験それぞれ重みを付け評価する(80%,前中:前末:後中:後末=1:2:3:4)。レポート,小テストで評価する(20%)。試験には,原則,自筆ノートの持込を許可するが,試験問題によっては不許可とする場合がある。また,原則再試験は行わないが,状況に応じて再試験を実施する場合がある。実施後の定期試験の評価は,原則60点を超えないものとする。
注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のため履修が必須である。

履修のアドバイス:制御工学ではシステムを線形微分方程式で表現することを基本とするため,ラプラス変換など数学の基礎をしっかり確立しておくこと。また,制御という言葉を広く捉えて理解するようにして欲しい。


受講上のアドバイス:復習をすること。レポートは欠かさず提出すること。他の科目で学習した知識と関連させて学習するよう心掛けること。また,演習のために電卓の準備を必ずすること。遅刻は授業時間半分までとし,遅刻2回で欠課1回として取り扱う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス,自動制御とは
2週 制御系の基本構成
3週 基礎数学(線形微分方程式)
4週 ラプラス変換,逆変換
5週 ラプラス変換,逆変換
6週 ラプラス変換,逆変換
7週 ラプラス変換の応用
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解答解説
10週 伝達関数
11週 伝達関数
12週 ブロック線図
13週 ブロック線図
14週 一次遅れ要素数の過渡特性と定常特性
15週 前期末試験
16週 前期末試験の返却と解答解説
後期
3rdQ
1週 二次遅れ要素の過渡特性と定常特性
2週 二次遅れ要素の過渡特性と定常特性
3週 周波数応答(ベクトル軌跡,ボード線図)
4週 周波数応答(ベクトル軌跡,ボード線図)
5週 周波数応答(ベクトル軌跡,ボード線図)
6週 周波数応答(ベクトル軌跡,ボード線図)
7週 フィードバック制御の安定性(特性方程式)
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解答解説
10週 ラウス・フルビッツの安定判別法
11週 ナイキスト安定判別法,ボード線図による安定判別法
12週 自動制御の設計
13週 自動制御の設計
14週 自動制御の設計
15週 後期末試験
16週 後期末試験の返却と解答解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験課題・小テスト合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000