数理科学Ⅰ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 数理科学Ⅰ
科目番号 0029 科目区分 一般 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 プリント配布 / 原康夫著 基礎物理学(学術図書),前田和貞著 大学1・2年生のためのすぐわかる物理(東京図書),田中富士夫編 高専の物理問題集(森北出版)
担当教員 教務 委員会

到達目標

学習目的: 将来,高度な技術を理解し駆使できるようにするための,また創造性を発揮できるようにするための,高度な物理の基礎学力をつける。

到達目標:
1.理系大学の1,2年レベルの典型的な物理の問題を解ける。
2.「物理I」,「物理II」や「応用物理I」の内容を高い視点から概念を説明できる。
3.最近の科学や身の回りの科学について関心を持つ。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1理系大学の1,2年レベルの典型的な物理の問題を解ける理系大学の1,2年レベルの標準的な物理の問題を解ける理系大学の1,2年レベルの類型的な物理の問題を解けない理系大学の1,2年レベルの類型的な物理の問題を解けない
評価項目2「物理I」,「物理II」や「応用物理I」の内容を高い視点から概念を説明できる「物理I」,「物理II」や「応用物理I」の内容を説明できる「物理I」,「物理II」や「応用物理I」の内容を部分的に説明できる「物理I」,「物理II」や「応用物理I」の内容を説明できない
評価項目3最近の科学や身の回りの科学について関心を持ち,簡単な題材について説明できる最近の科学や身の回りの科学について関心を持ち疑問点を説明できる最近の科学や身の回りの科学について関心はある最近の科学や身の回りの科学について関心がない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:「一般」
学習の分野:理系大学の1,2年生相当する内容,レベルの物理の講義を行う。「応用物理I」を補足して,力学,熱力学,波動,光学,電磁気学について,具体的な問題を解きながらその内容を深めていく。日常の物理現象や最近の科学の話題も紹介していく。
基礎となる学問分野:数物系科学/物理/物理一般


学習・教育目標との関連:本科目は一般科目学習目標「(1) 実践的技術と工学の基礎を学び,深く専門の学芸・技術を身につける」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-1:工学に関する基礎知識として,自然科学の幅広い分野の知識を修得し,説明できること」である。 

 
授業の進め方・方法:
授業の方法: 物理全般にわたる興味深い典型的な例題を選択して,その解説と問題の解法を示す。学生にはこれに類する問題を提示して,レポートに解かせて理解を深めさせる。本科目は後期開講科目である。

成績評価方法: 2回の定期試験を70%,演習・レポートを30%とする。成績不振者には補講,再試験を課し,60点を上限に定期試験の成績を置換する。
注意点:
履修上の注意:
 本科目は「授業時間外の学修を必要とする科目」である。当該授業時間と授業時間外の学修を合わせて,1単位あたり45時間の学修が必要である。授業時間外の学修については,担当教員の指示に従うこと。

履修のアドバイス:
 物理の基礎学力を獲得したい者,また大学への編入,専攻科への進学希望者は履修することを勧める。
 課題を解いて授業に臨むこと。物理学特有の汎用性のある解法を獲得するためには自分の力で解く努力が不可欠である。
毎週2名単位で2組に担当課題を与える。課題は全員に配布される。担当者は次週板書と解説を行い,授業での修正・補足内容を含めて後日レポートを提出。これとは別に毎週全員に課題が与えられ,次週にレポートを提出。全員課題を授業時間外の学習成果とし,未提出週は授業時間外学習2時間を欠課時数にカウントする。2回の定期試験を60%(均等評価),担当課題を20%(プレゼン含む),全員課題レポートを20%。10分を超える遅刻は四半期毎の成績評価の際1回につき2点減点。成績不振者には補講,再試験を課し,60点を上限に定期試験成績を置換する。試験は原則,教科書・ノート持ち込み可とする。

基礎科目: 物理I(2年),物理II(3),応用物理Ⅰ(3),数学科目全般
関連科目: 数理科学Ⅱ(5年)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
履修選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
質点の力学の基礎
位置,速度,加速度の関係の理解
2週 質点の運動,振動現象の例題と解説 抵抗のある運動の運動方程式の立式
3週 質点の運動,振動現象の例題と解説 エネルギー保存則,運動量保存則を利用した計算
4週 質点の運動,振動現象の例題と解説 単振動,減衰振動運動方程式の理解
5週 剛体の力学の例題と解説 剛体の運動方程式の理解
6週 剛体の力学の例題と解説 剛体の運動方程式の理解
7週 熱力学の例題と解説 熱力学第一法則,状態方程式の理解
8週 中間試験 60点以上のスコア
4thQ
9週 中間試験解説と返却 見直し
10週 波動現象の例題と解説 波動の表し方の理解
11週 原子物理学の例題と解説 光電効果の理解
12週 電磁気学の例題と解説 電界強度,電位の計算の理解
13週 電磁気学の例題と解説 電界強度,電位の計算の理解
14週 電磁気学の例題と解説 電磁誘導の理解
15週 期末試験 60点以上のスコア
16週 期末試験解説と返却 見直し

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動の法則について説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
クーロンの法則が説明できる。3
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。3
電場・電位について説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ジュール熱や電力を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合601000300100
基礎的能力601000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000