応用物理Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用物理Ⅱ
科目番号 0030 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 前期教科書:柴田洋一・勝山智男他著「初歩から学ぶ基礎物理学 電磁気・原子」(大日本図書)    プリント,柴田洋一・勝山智男他著「電磁気・原子 問題集」(大日本図書)参考書:星野公三・岩松雅夫 共著「量子力学・統計力学入門」(裳華房)後期教科書:応用物理研究室著「応用物理実験書」
担当教員 教務 委員会

到達目標

学習目的:物理学は自然科学の中で最も基礎的な学問の一つであり,様々な工学技術の分野に物理学の成果や手法が応用されている。本科目では,原子物理と量子力学の基礎について学習し,基礎的な計算方法を習得する。また,実験を安全に正しく行うことを目的とする。

到達目標:
1. 原子の構造や原子核の構造について理解する。
2. 一次元空間のシュレーディンガー方程式を解くことで,エネルギー準位の不連続性を理解する。
3. 測定機器などの取り扱いを理解し,安全に応用物理実験を行うことができる。
4. 応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書を作成できる。
※分野横断能力については該当しない。

ルーブリック

不可
評価項目1原子の構造や原子核の構造について,授業で取り扱うほとんどの問題の解答を作成できる。原子の構造や原子核の構造について,授業で取り扱う基礎的な複合問題の解答を作成できる。原子の構造や原子核の構造について,授業で取り扱う基礎的な問題の解答を作成できる。左記に達していない。
評価項目2一次元空間のシュレーディンガー方程式について,授業で取り扱うほとんどの問題の解答を作成できる。一次元空間のシュレーディンガー方程式について,授業で取り扱う基礎的な複合問題の解答を作成できる。一次元空間のシュレーディンガー方程式について,授業で取り扱う基礎的な問題の解答を作成できる。左記に達していない。
評価項目3測定器を正しく取り扱い,安全に精度良く工夫しながら応用物理実験を行うことができる。測定器を正しく取り扱い,安全に精度良く応用物理実験を行うことができる。測定器を正しく取り扱い,安全に応用物理実験を行うことができる。左記に達していない。
評価項目4応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書をまとめ,物理的な考察が十分できる。応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書をまとめ,物理的な考察ができる。応用物理実験の測定値を正しく計算し,定められた形式で実験報告書をまとめることができる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門

学習の分野:自然科学系共通・基礎

基礎となる学問分野:数物系科学/物理/物理一般

学科学習目標との関連:本科目は各工学科学習目標「(1)数学,物理を中心とした自然科学系の科目に関する知識を修得し,各工学に関する基礎知識として応用する能力を身につける。」に相当する科目である。

授業の概要:前期は講義を行い,現代人の素養として求められる原子物理と原子分子の振る舞いや固体物性の説明に欠かせない量子力学の基礎に焦点を当てる。後期は実験を行い,今までに履修してきた物理の理解を深める。
授業の進め方・方法:
授業の方法:前期は講義であり,板書を中心に授業を進めるが,理解を深めるためにできるだけ学生に質問をする。後期は実験であり,目的・理論・使用器具を事前レポートとして書いておき予習した上で実験を遂行していく。

成績評価方法:
前期:2回の定期試験で70%,演習・小テスト・レポートで30%とする。試験は教科書・ノートの持込を許可しない。なお,定期試験が60点未満の学生に対して再試験を行い,60点を上限とする得点を定期試験の点数と差し替える。
後期:実験報告書,事前レポートの作成などの実験への取組により評価する。実験レポートに問題がない場合を85点程度とし,内容と提出状況により減点する。もちろん,優秀な実験レポートに対しては加点もある。
最終的な評価は(前期の点数+後期の点数)÷2とする。
注意点:
履修上の注意:前期は講義で,後期は実験である。前期と後期それぞれで合格点となるよう不断の努力をすること。

履修のアドバイス:3年生までに履修した物理や数学を折に触れて復習しておくこと。

基礎科目:物理Ⅰ(1年),物理Ⅱ(2),応用物理Ⅰ(3),電子工学(3),3年次までの数学

関連科目:数理科学Ⅰ(4年),応用数学Ⅰ・Ⅱ(4),電気磁気学Ⅱ(4)

受講上のアドバイス:本科目は原子力コア人材育成関連科目である。
前期:3年生までの基本的な数学を修得していないと理解することが難しいので,折に触れて復習しておくこと。
後期:目的・理論・使用器具の部分を事前レポートとして準備して実験すること。
実験に支障が出るので,遅刻をしないこと。
授業開始25分以内であれば遅刻とし,遅刻3回で1欠課とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
履修選択

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 前期ガイダンス(以下の項目はテキスト「電磁気・原子」)
2週 原子の質量の表し方 相対質量,原子量,原子質量単位の理解
3週 電子の比電荷と電荷の測定 J.J.トムソンの実験の理解
4週 放射線と原子核の発見 ラザフォードモデルの理解
5週 光の粒子性〔光電効果,コンプトン効果〕 コンプトン効果の理解
6週 原子の構造〔原子のスペクトル,ボーアの水素原子模型,X線〕 原子のスペクトル,ボーアの水素原子模型の理解
7週 原子核の構造〔原子核,放射性崩壊,半減期〕 原子核,放射性崩壊,半減期の理解
8週 (前期中間試験) 60点以上のスコア
2ndQ
9週 前期中間試験の答案返却と試験解説 見直し
10週 核反応と核エネルギー 質量欠損と結合エネルギー,核分裂と核融合の理解
11週 素粒子と宇宙 (以下の項目はプリント) クォークモデル,力の統一理論の理解
12週 量子力学の考え方 量子力学の基礎の理解
13週 シュレーディンガーの波動力学 シュレーディンガー方程式の理解
14週 1次元無限井戸型ポテンシャル シュレーディンガー方程式の基礎的適用例の理解
15週 (前期末試験) 60点以上のスコア
16週 前期末試験の答案返却と試験解説 見直し
後期
3rdQ
1週 後期ガイダンス 実験の進め方,まとめ方,注意事項の理解
2週 ずれ弾性率(以下の実験順は班により異なる) 実験実施
3週 2球の衝突もしくは月ロケット 実験実施
4週 音の振動数 実験実施
5週 光の速度 実験実施
6週 回折格子 実験実施
7週 波動もしくは電場と電位 実験実施
8週 (後期中間試験期間)レポート受付 未提出分のレポート提出
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却と試験解説 実験実施
10週 再実験 未実施実験の実施
11週 フランク・ヘルツの実験 実験実施
12週 放射線計測 実験実施
13週 γ線逆二乗テスト 実験実施
14週 霧箱実験 実験実施
15週 (後期末試験期間)レポート受付 未提出分のレポート提出
16週 再実験 未実施実験の実施

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合35000650100
基礎的能力0000000
専門的能力35000650100
分野横断的能力0000000