学習目標: 文献調査,計画の立案,実験・製作,結果の検討などに主体的に取り組む能力(構想力)を養い,技術に関する基礎知識を深化する。さらに,自主的に課題に取り組み,成果を実験報告書にまとめ,図,文書,式,プログラム等で表現する能力を身につける。
到達目標
◎情報を収集・分析し,適正に判断し,情報の加工・作成・整理,発信ができる。得られた情報を理解し,効果的に創造的に活用することができる。
◎集団において,合意形成のための基礎的技術を理解し,問題解決,アイディア創造等の活動ができる。
◎チームの一員として他者の意見を尊重し,適切なコミュニケーションを持って共同作業を進めることができる。
概要:
一般・専門の別: 専門 学習の分野: 実験・実習
基礎となる学問分野: 総合系/情報学
学科学習目標との関連: 本科目は情報工学科学習目標「(3) 実験や演習等の体験的学習を通じて知識理解を深化させるとともに,実験遂行能力,データを解析し考察する能力,システム作成能力を身につける。」に相当する科目である。
技術者教育プログラムとの関連: 本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「電気・電子」,「情報・制御」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」であるが,付随的には,「A-3,C-1,C-2,D-1,D-2」にも関与する。
授業の概要: 実験は自ら計画立案し実施することができれば最も効果が上がるという考えに基づき,半年間同一指導者のもとで一つのテーマに取り組む。次々とテーマを変えて決められた課題をこなすのではなく,じっくりと課題に取り組む姿勢を学ぶ。卒業研究と一体的に運営することにより,技術者としての実践力を養うための最終段階に位置づけられる実験となる。
授業の進め方・方法:
授業の方法: 各教員から提示される課題に対し,希望アンケートを行って配属を決定し,半年間かけて課題に取り組む。卒業研究と一体的に運営し,卒業研究に直接つながる内容に取り組めるようにする。成果を実験報告書にまとめ提出する。
成績評価方法:
実験報告書をもとに次の項目で評価する。(100%)
・ 決定した課題に関する成果が適切に書かれているか。
・ 報告書の基本的な書き方が修得できているか。また,実施計画と実施状況が記述されているか。
・ 課題の目的が記述され,内容の理解,課題解決のための取り組みができているか。
注意点:
履修上の注意: 本科目は実技を主とする科目で,学年の課程修了のためには履修(欠席時間数が所定授業時間数の3分の1以下)・修得が必須である。
受講上のアドバイス: 興味の持てる課題を選択し,積極的に取り組むことが重要である。与えられたものを処理するという受け身の姿勢では成果が上がらない。このことは,他の科目よりも一層重要である。
また,出欠確認時以降の入室は遅刻とする。遅刻は2回で1単位時間の欠課として扱う。
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 5 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 5 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 5 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 5 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 5 | |
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。 | 5 | |
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。 | 5 | |
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。 | 5 | |
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。 | 5 | |
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。 | 5 | |
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。 | 5 | |
分野横断的能力 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 汎用的技能 | 日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。 | 5 | |
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。 | 5 | |
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。 | 5 | |
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。 | 5 | |
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。 | 5 | |
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。 | 5 | |
他者の意見を聞き合意形成することができる。 | 5 | |
合意形成のために会話を成立させることができる。 | 5 | |
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。 | 5 | |
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。 | 5 | |
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。 | 5 | |
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。 | 5 | |
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。 | 5 | |
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。 | 5 | |
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。 | 5 | |
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる | 5 | |
複数の情報を整理・構造化できる。 | 5 | |
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。 | 5 | |
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。 | 5 | |
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。 | 5 | |
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。 | 5 | |
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。 | 5 | |
事実をもとに論理や考察を展開できる。 | 5 | |
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。 | 5 | |
態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。 | 5 | |
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。 | 5 | |
目標の実現に向けて計画ができる。 | 5 | |
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。 | 5 | |
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。 | 5 | |
法令やルールを遵守した行動をとれる。 | 5 | |
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。 | 5 | |
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。 | 5 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。 | 5 | |
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。 | 5 | |
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。 | 5 | |
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。 | 5 | |
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。 | 5 | |
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。 | 5 | |