情報通信工学

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 情報通信工学
科目番号 0077 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:【前期】木村英俊・吉田庄司「情報通信工学」(丸善出版),【後期】萩原将文「ディジタル信号処理」(森北出版),参考書:【前期】三橋渉「信号処理」(培風館)
担当教員 宮下 卓也

到達目標

学習目的:アナログとディジタル,変復調,通信プロトコルなど,コンピュータネットワークに重要な情報通信について,基礎知識を修得する。

到達目標
1. プロトコルの概念を説明できる。
2. プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。
3. ネットワークの概念を説明できる。
4. 信号処理の理論を説明できる。

ルーブリック

不可
評価項目1プロトコルを具体的に説明できる。プロトコルの概念を説明できる。電子メールやWWW等で利用されているプロトコルを例示できる。左記に達していない。
評価項目2プロトコルの階層化の概念や利点を,アプリケーションの観点から具体的に説明できる。プロトコルの階層化を説明できる。プロトコルの利点を説明できる。左記に達していない。
評価項目3電話や無線通信,インターネットなどの種々のネットワークの差異を明確に説明できる。ネットワークの概念を説明できる。ネットワークを構成する装置を例示することができる。左記に達していない。
評価項目4信号処理の理論を応用することができる。z変換や離散的フーリエ変換の基礎的な理論を理解している。フーリエ級数展開やフーリエ変換,ラプラス変換の基礎的な理論を理解している。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門 学習の分野:情報・制御

基礎となる学問分野:工学/電気電子工学およびその関連分野/通信工学関連

学習教育目標との関連:本科目は情報工学科学習目標「(2)情報・制御ならびに電気・電子の分野に関する専門技術分野の知識を修得し,情報・通信等の分野に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化, A-2:「電気・電子」, 「情報・制御」に関する専門分野の知識を修得し, 説明できること」である。

授業の概要:前期はネットワークや変復調など,情報通信についての総合的な講義を行う。後期は情報伝送を担う通信理論について講義を行う。

授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心に,テキストを用いて授業を進める。また,関連する諸技術についても必要に応じて補足説明する。また,理解が深まるよう演習を課す。

成績評価方法:
4回の定期試験の結果に重みを付けて評価する(80%,前中:前末:後中:後末=5:5:3:3)。
・各試験はノートの持ち込みを許可しない。
・各定期試験の結果が60点未満の人には補習,再試験により理解が確認できれば,点数を変更することがある。ただし,変更した後の評価は60点を超えないものとする。
演習・レポート課題で評価する(20%)。

注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のためには履修(欠課時間数が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修のアドバイス:事前に行う準備学習として基礎科目に挙げられている既習内容をしっかり確認しておくこと。教科書に出てくる用語の意味や定義をよく確認し正確に理解すること。また,例題や各章の最後に用意されている演習問題を一つずつ自分で解いて内容をよく確認すること。

基礎科目:情報ネットワーク(4年) 関連科目:情報通信特論(5年),情報理論(5),ディジタル信号処理(専2)など

受講上のアドバイス:基礎知識に加え,現代社会で使われている通信機器,無線機器についても学習するので,日常生活とも関わっている事を念頭に起き興味を持って学習すること。遅刻は授業時間(=2コマ)の4分の1(=0.5コマ)刻みで取り扱う。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 前期における教育目的や学習内容、評価方法などについて理解する
2週 情報と情報通信,情報通信のしくみ 情報通信の概要を理解する
3週 通信における情報の形式 アナログ信号とデジタル信号、およびその変換について概要を理解する
4週 通信相手の選択 ローカルエリアネットワークとインターネット:電話番号やIPアドレスに関して概要を理解する
5週 通信ネットワークと通信端末 ネットワーク応用:ネットワークの構成方法などについて概要を理解する
6週 通信プロトコル 階層化プロトコル:OSI参照モデルやTCP/IPの概念を理解する
7週 変復調 ネットワーク応用:アナログおよびデジタルの種々の変調方式の概要を理解する
8週 (前期中間試験) ここまでの学習内容を確認する
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解答解説 学習が不十分な箇所を確認し、補修する
10週 多重化と同期 ネットワーク応用:TDMやFDMなどについて概要を理解する
11週 接続 ネットワーク応用:電話網の交換方式、交換機の構成、LAN間接続などについて概要を理解する
12週 信号伝送 ネットワーク応用:信号の伝送速度やスペクトルなどについて概要を理解する
13週 通信品質 ネットワーク応用:主に電話網の通信品質に関係する種々の要素について概要を理解する
14週 通信方式 通信メディアの種類について概要を理解する
15週 (前期末試験) 学習内容を確認する
16週 前期末試験の返却と解答解説 学習が不十分な箇所を確認し、補修する
後期
3rdQ
1週 ガイダンス 後期における教育目的や学習内容、評価方法などについて理解する
2週 信号処理とは 信号処理と数学の関係について概要を理解する
3週 フーリエ級数(三角関数) 三角関数を用いたフーリエ級数展開の原理、応用について理解する
4週 フーリエ級数(複素関数) フーリエ級数展開について、三角関数版と複素関数版の関係を理解する
5週 フーリエ変換 周期波形を非周期波形に拡張することでフーリエ変換を理解する
6週 フーリエ変換の特徴,性質 フーリエ変換で解析を行うための基礎知識を学ぶ
7週 (後期中間試験) ここまでの学習内容を確認する
8週 後期中間試験の返却と解答解説 学習が不十分な箇所を確認し、補修する
4thQ
9週 フーリエ変換からラプラス変換へ 2つの変換の関係について学習する
10週 ラプラス変換の特徴,性質 ラプラス変換で解析を行うための基礎知識を学ぶ
11週 ラプラス変換とz変換 2つの変換の関係について学習する
12週 z変換の特徴,性質 z変換で解析を行うための基礎知識を学ぶ
13週 フーリエ変換と離散的フーリエ変換 2つの変換の関係について学習する
14週 離散的フーリエ変換の特徴,性質 DFTで解析を行うための基礎知識を学ぶ
15週 (学年末試験) ここまでの学習内容を確認する
16週 学年末試験の返却と解答解説 学習が不十分な箇所を確認し、補修する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報通信ネットワークプロトコルの概念を説明できる。3前6
プロトコルの階層化の概念や利点を説明できる。3前6
ローカルエリアネットワークの概念を説明できる。4前4,前6
インターネットの概念を説明できる。3前4,前6
TCP/IPの4階層について、各層の役割を説明でき、各層に関係する具体的かつ標準的な規約や技術を説明できる。3前4,前6
主要なサーバの構築方法を説明できる。2前5
ネットワークを構成するコンポーネントの基本的な設定内容について説明できる。2前5,前11
無線通信の仕組みと規格について説明できる。4前2,前4,前5,前11
有線通信の仕組みと規格について説明できる。4前4,前5,前11
SSH等のリモートアクセスの接続形態と仕組みについて説明できる。2前5,前11
基本的なルーティング技術について説明できる。2前5,前11
基本的なフィルタリング技術について説明できる。2前5,前11
情報通信ネットワークを利用したアプリケーションの作成方法を説明できる。2前5

評価割合

試験発表相互評価自己 評価課題小テスト合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000