コンピュータシステム

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 コンピュータシステム
科目番号 0078 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 堀 桂太郎「図解コンピュータアーキテクチャ入門 第3版」(森北出版)
担当教員 川波 弘道

到達目標

学習目的:コンピュータアーキテクチャ(設計思想)の視点からみたコンピュータの構造や仕組みを体系的に学ぶとともに,ハードウェアとソフトウェアの関係について理解する。

到達目標
1.コンピュータの基本的な仕組みを理解し,説明できる。
2.CPU,メモリ,入出力装置に関する代表的な設計手法を理解し,説明できる。
3.オペレーティングシステムの機能を理解し,説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1コンピュータの構造や仕組みを具体的に説明でき,その利点,欠点を説明できる。コンピュータの構造や仕組みを具体的に説明できる。コンピュータの構造や仕組みの概要を説明できる。左記に達していない。
評価項目2CPU,メモリ,入出力装置に関する代表的な」設計手法を具体的に説明でき,それぞれの利点,欠点を説明できる。CPU,メモリ,入出力装置に関する代表的な設計手法を具体的に説明できる。CPU,メモリ,入出力装置に関する設計手法の概要を説明できる。左記に達していない。
評価項目3オペレーティングシステムの構造や機能を具体的に説明でき,その利点,欠点を説明できる。オペレーティングシステムの構造や機能を具体的に説明できる。オペレーティングシステムの構造や機能の概要を説明できる。左記に達していない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一般・専門の別:専門
学習の分野:情報・制御

基礎となる学問分野:情報学/計算機システム・ネットワーク

学習・教育到達目標との関連:本科目は情報工学科学習・教育到達目標「(2)情報・制御ならびに電気・電子の分野に関する専門技術分野の知識を修得し,情報・通信等の分野に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-2:「電気・電子」,「情報・制御」に関する専門技術分野の知識を修得し,説明できること」である。

授業の概要:これまで学んだコンピュータに関する基礎知識を深め,コンピュータアーキテクチャ(設計思想)の視点から見たコンピュータの構造や仕組みを体系的に学ぶ。オペレーティングシステム(OS)の仕組みについても取り上げる。
授業の進め方・方法:
授業の方法:板書を中心に講義をすすめる。理解度や演習状況を確認するために演習プリントを配布して演習を行う。さらに,レポート課題や小テストを適宜実施する。

成績評価方法:
定期試験(中間,期末の各試験を同等に評価する)4回の平均点(75%)と演習課題(25%)の合計で評価する。定期試験が60点未満の学生に対し,担当教員が必要と判断した場合は再試験を行い,その結果によって評価を更新することがある。ただし,最終評価においては更新後の総合点は60点を超えないものとする。
注意点:
履修上の注意:学年の課程修了のため履修(欠課時間が所定授業時間数の3分の1以下)が必須である。

履修のアドバイス:本科目で学習する内容は,過去に履修したコンピュータに関係する科目の内容と深く関係している。その整理の点でも授業前にテキストの該当箇所を通読しておくことが望ましい。

基礎科目:デジタル工学Ⅰ(2年),デジタル工学Ⅱ(3),コンピュータ概論(3),情報数理Ⅰ(4)

関連科目:情報通信特論(5年)

受講上のアドバイス:情報処理技術者試験等で取り上げられる技術用語について理解しておくこと。身近なパソコンの内部構造と関連づけてコンピュータの構造や仕組みを理解するようにすれば,一層理解が深まる。授業開始時刻を過ぎての入室は遅刻とする。遅刻は2分の1授業単位ごとに計上する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業
必修

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
・授業の概要
・コンピュータアーキテクチャとは
授業の概要について理解する
2週 コンピュータシステムの概要
・コンピュータの歴史と種類
・ノイマン型コンピュータの特徴
・コンピュータの基本構成と基本動作
コンピュータの発展の歴史とノイマン型コンピュータの構成と基本動作を理解するについて理解する
3週 命令セット
・命令形式の構成
・命令機能の評価
・命令セット
・アドレッシング
命令セットとアドレッシングを理解する
4週 CPUアーキテクチャ
・ハーバードアーキテクチャ
・RISC
・CISC
ハーバードアーキテクチャおよびRISC、CISCについて理解する
5週 制御アーキテクチャ
・ワイヤードロジック制御方式とその構成
・ワイヤードロジック制御方式を理解する
6週 制御アーキテクチャ
・マイクロプログラム制御方式とその構成
・マイクロプログラム制御方式を理解する
7週 メモリアーキテクチャ
・メモリ装置の階層
・半導体メモリおよび不揮発性メモリ
・補助記憶装置
・メモリ装置の階層とメモリ装置、補助記憶装置の種類および特徴を理解する
8週 前期中間試験
2ndQ
9週 前期中間試験の返却と解答の説明
10週 キャッシュメモリ
・キャッシュメモリの仕組み
・1次キャッシュと2次キャッシュ
キャッシュメモリの構造と仕組みを理解する
11週 キャッシュメモリ
・キャッシュメモリのマッピング方式
・主記憶への転送方式
キャッシュメモリのマッピング方式を理解する
12週 仮想メモリ
・仮想メモリの仕組み
・ページング方式
仮想メモリの構造と仕組みを理解する
13週 仮想メモリ
・セグメンテーション方式
・マッピング方式
仮想メモリのマッピング方式およびTLBについて理解する
14週 割込みアーキテクチャ
・割込みの仕組み
・マスカブル割込み
割込みの仕組み、マスカブル割込みについて理解する
15週 前期末試験
16週 前期末試験の返却と解答の説明
後期
3rdQ
1週 ガイダンスと前期の復習
2週 パイプライン処理
・命令パイプラインの仕組み
・ハザードと分岐予測
・命令パイプラインの仕組みとハザードおよび分岐予測について理解する
3週 高速化の技術
・スーパーパイプライン
・スーパースカラ
・スーパーパイプラインおよびスーパースカラの技術を理解する
4週 高速化の技術
・VLIW
・ベクトルコンピュータ
・VLIWおよびベクトルコンピュータの技術を理解する
5週 高速化の技術
・マルチプロセッサ並列処理
・マルチプロセッサと並列処理の技術を理解する
6週 オペレーティングシステム(OS)
・OSの構造と動作
・OSの構造と仕組みを理解する
7週 オペレーティングシステム(OS)
・プロセス管理
・ファイル管理
・プロセス管理およびファイル管理の仕組みを理解する
8週 後期中間試験
4thQ
9週 後期中間試験の返却と解答の説明
10週 補足(1) 計算機工学の近年の技術について説明できる。
11週 補足(2)
計算機工学のこれからの発展の流れについて説明できる。
12週 総合演習(1)
13週 総合演習(2)
14週 総合演習(3)
15週 後期末試験
16週 後期末試験の返却と解答の説明

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野計算機工学コンピュータを構成する基本的な要素の役割とこれらの間でのデータの流れを説明できる。4
プロセッサを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
メモリシステムを実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
入出力を実現するために考案された主要な技術を説明できる。4
コンピュータアーキテクチャにおけるトレードオフについて説明できる。4
ハードウェア記述言語など標準的な手法を用いてハードウェアの設計、検証を行うことができる。4
コンピュータシステム集中処理システムについて、それぞれの特徴と代表的な例を説明できる。4
分散処理システムについて、特徴と代表的な例を説明できる。4
ネットワークコンピューティングや組込みシステムなど、実用に供せられているコンピュータシステムの利用形態について説明できる。4
デュアルシステムやマルチプロセッサシステムなど、コンピュータシステムの信頼性や機能を向上させるための代表的なシステム構成について説明できる。4
システムプログラムコンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。4
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。4
排他制御の基本的な考え方について説明できる。4
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度課題その他合計
総合評価割合75000250100
基礎的能力0000000
専門的能力75000250100
分野横断的能力0000000