情報数理Ⅱ

科目基礎情報

学校 津山工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 情報数理Ⅱ
科目番号 0102 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 情報工学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 教科書:特に指定しないが, BlackBoardに掲載する。参考書:Seymour Lipschutz他「Schaum’s outline of Theory and Problems of Discrete mathematics, 3rd Ed.(McGraw-Hill), 茨木俊秀「情報学のための離散数学」 (昭晃堂)
担当教員 菊地 洋右

到達目標

学習目的:情報工学の理論的基盤をなす集合,関数,整数の性質,論理,グラフ理論,オートマトン,形式言語の基礎概念を習得することを目標とする。

到達目標
1. 集合に関する基本的な概念を理解し,集合演算を実行できる。
2. 関数の基本的な概念を説明できる。
3. 整数の性質について基本的な概念を説明できる。
4. 論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。
5. グラフ理論に関する基本的な概念を説明できる。
6.オートマトン,形式言語の基礎概念を説明できる。

ルーブリック

不可
評価項目1集合に関する基本的な概念を理解し,集合演算,包除原理を使った濃度の計算ができる。集合に関する基本的な概念を理解し,集合演算,包除原理を用いない濃度の計算ができる。集合に関する基本的な概念を理解し,集合演算ができる。集合に関する基本的な概念を理解していない。集合演算ができない。
評価項目2対応や関数を基本的な概念(全単射)を説明でき,それらを用いた証明をすることができる。対応や関数を基本的な概念(全単射)を説明でき,それらを用いた全単射の証明をすることができる。関数を与えられればその関数が全射、単射であるかの区別ができる。関数を与えられればその関数が全射、単射であるかの区別ができない。
評価項目3整数の性質について基本的な概念を説明でき,簡単な定理を証明することができる。整数の性質について基本的な概念を説明できる。有理数,無理数,整数,自然数の定義が言える。実数,有理数,無理数,整数,自然数の定義が言えない。
評価項目4論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明でき,それを日常生活に活用できる。論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。論理代数に関する基本的な概念を説明できる。論理代数に関する基本的な概念を説明できない。
評価項目5グラフ理論に関する基本的な概念を説明でき,簡単な定理を証明することができる。必要があれば問題をグラフとしてモデル化できる。グラフ理論に関する基本的な概念を説明でき,簡単な定理を証明することができる。グラフ理論に関する基本的な概念を説明できる。グラフ理論に関する基本的な概念を説明できない。
評価項目6オートマトン,形式言語の基礎概念を説明でき,簡単な定理を証明することができる。オートマトン,形式言語の基礎概念を説明でき,状態遷移図が作成できる。オートマトン,形式言語の基礎概念を説明できる。オートマトン,形式言語の基礎概念を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
※実務との関係:この科目は他機関で量子計算機構プロジェクトや量子情報システムアーキテクチャの研究に従事していた教員が,その経験を活かし,情報工学の理論的基盤をなす集合,関数,整数の性質,論理,グラフ理論,オートマトン,形式言語の基礎概念を習得することを目的として講義形式で授業を行うものである。

一般・専門の別:専門 学習の分野:情報・制御

必修・履修・履修選択・選択の別:履修

基礎となる学問分野:情報学/情報学基礎

学科学習目標との関連:本科目は情報工学科学習目標「(2)情報・制御ならびに電気・電子の分野に関する専門技術分野の知識を修得し,情報・通信等の分野に応用できる能力を身につける。」に相当する科目である。

技術者教育プログラムとの関連:本科目が主体とする学習・教育到達目標は「(A)技術に関する基礎知識の深化,A-1:工学に関する基礎知識として,自然科学の幅広い分野の知識を修得し,説明できること」であるが、付随的に「A-2」も関与する。

授業の概要:情報工学と関係のある数学の基礎について学習することにより,情報工学分野の理論的な基盤を理解する科目である。おもに離散数学とよばれる分野が学習の中心となる。
授業の進め方・方法:
授業の方法:BlackBoardに講義に関する情報を閲覧している前提で授業を行う。授業は演習を中心に進める。この授業は後期2時間で実施する。基本的に授業で使用する言語は英語である。

成績評価方法:
2回の定期試験の結果平均(70%)と小テスト(30%)で評価する。再試験は原則行わない。いずれの試験にも教科書・ノートの持込を許可しないが,状況によって許可することもありうるので,授業中の指示事項に注意すること。
ルーブリックに基づいて定期試験を作成するが, 定期試験がルーブリックの評価項目を必ずしも網羅しているとは限らない。
注意点:
履修上の注意:授業での使用言語は原則,英語である。

履修のアドバイス:BlackBoardに講義に関する情報を適宜掲載する予定である。

基礎科目:ディジタル基礎(1年), ディジタル工学I(2), ディジタル工学II(3), 情報数理I(4)

受講上のアドバイス:授業開始前に行う出席確認に遅れた者は遅刻として扱う。遅刻は1時限分の欠課として扱う。授業開始から50分を経過しての遅刻については2時限分の欠課として扱う。
基礎的な内容が多く,教科書には多くの演習問題が掲載されている。時間的な制約から,すべての演習問題を解くことは授業時間ではしない。ただ,基礎的な演習問題なので,各人が自主的に取り組むことで十分解答できる。BlackBoardに授業の進行状況を適宜掲載するので参考にすること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
2週 集合 集合に関する基本的な概念を理解し,集合演算を実行できる。
3週 論理と推論 真理値表を使って、真偽を判定できる。
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。
4週 関係 同値関係を証明できる。
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。
5週 関数とアルゴリズム 全単射等の関数の性質を説明できる。
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。
6週 数え上げ 順列、組合せの計算ができる。
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。
7週 数え上げの応用と再帰 包除原理、鳩ノ巣原理を知っている。
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。
8週 (後期中間試験)
4thQ
9週 後期中間試験の答案返却と試験の解説
10週 グラフ理論 グラフとは何かを説明できる。
離散数学に関する知識がアルゴリズムの設計に利用できることを理解している。
11週 有向グラフ 有向グラフとグラフの違いを説明できる。
離散数学に関する知識がアルゴリズムの設計に利用できることを理解している。
12週 二分木 二分木を使ったアルゴリズムを1つ以上説明できる。
離散数学に関する知識がアルゴリズムの設計に利用できることを理解している。
13週 形式言語とオートマトン ポンプ補題を説明できる。
離散数学に関する知識がアルゴリズムの設計に利用できることを理解している。
14週 チューリングマシン 状態遷移図を描くことができる。
離散数学に関する知識がアルゴリズムの設計に利用できることを理解している。
15週 (後期末試験)
16週 後期末試験の答案返却と試験の解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野情報数学・情報理論集合に関する基本的な概念を理解し、集合演算を実行できる。4
集合の間の関係(関数)に関する基本的な概念を説明できる。4
ブール代数に関する基本的な概念を説明できる。4
論理代数と述語論理に関する基本的な概念を説明できる。4
離散数学に関する知識をアルゴリズムの設計、解析に利用することができる。4

評価割合

試験発表相互評価自己評価課題小テスト合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力0000000
専門的能力70000030100
分野横断的能力0000000