物理(M3)

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理(M3)
科目番号 0043 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 一般教科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「物理基礎」高木堅志郎、植松恒夫編(啓林館)、「物理」高木堅志郎、植松恒夫編(啓林館)、「学習到達度試験(物理)過去問演習」藤原滋泰( http://dep.hiroshima-cmt.ac.jp/~general/staff/fujiwara1.htm )
担当教員 藤原 滋泰

到達目標

(1) 運動の法則をもとに、2つの物体が衝突したり、1つの物体が分裂したりする際に成り立つ法則について理解出来る様になる。
(2) 円運動やばねに吊されたおもりの振動の様に、一定の時間間隔で同じ動きを繰り返す運動について理解出来る様になる。
(3) 万有引力の法則を学び、天体だけでなく、人工衛星や探査機などの運動についても考えられるようになる。
(4) 微分積分を用いた、簡易な力学の問題を解ける様になる。
(5) 気体分子の運動を学び、温度・圧力・体積のようなマクロな量と、気体分子の速さのようなミクロな量との関係を考えられるようになる。
(6) 日常生活に身近な静電気・モーター・発電機・電波などの原理について、何も見ないで説明できる様になる。
(7) 電気の正体やモーターが動く仕組み、交流の電気についての基礎知識を身に付け、問題を解ける様になる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物体の釣り合いの条件、滑らかな面への斜め衝突、衝突とエネルギーの保存、運動量と力学的エネルギーについての複雑な問題が解ける。剛体のつりあい、運動量の保存、反発係数、弾性衝突、非弾性衝突、完全非弾性衝突についての基本的な計算ができる。物体の重心、運動量、反発係数について説明できない。または、基本的な計算が出来ない。
評価項目2等速円運動をする物体に働く力、円錐振り子、慣性系と非慣性系、遠心力、ループコースター、単振動の力学的エネルギーについての応用的な問題が解ける。等速円運動の速度、加速度、慣性力と遠心力、単振動、単振動の変位、速度、加速度、初期位相、ばね振り子についての基本的な計算ができる。等速円運動、角速度、ラジアン、周期、回転数、遠心力、単振動について説明できない。または、基本的な問題を解く事も出来ない。
評価項目3ケプラーの法則、万有引力、万有引力による位置エネルギー、宇宙への旅、静止衛星、宇宙速度についての応用的な問題が解ける。惑星の運動、天動説、地動説、面積速度、焦点、ケプラーの法則、万有引力、万有引力定数についての基本的な問題が解ける。ケプラーの法則、万有引力について説明できない。または、基本的な問題への適用が出来ない。
評価項目4速度、加速度、変位の問題を微分積分を用いて解くことが出来る。また、 簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くこともできる。速度、加速度、変位の基本的な問題を微分積分を用いて解くことが出来る。また、 仕事、力積、位置エネルギーと力の基本的な問題を微分積分を用いて解くことが出来る。速度、加速度、変位の概念を微分積分を用いて説明することが出来ない。
評価項目5ボイル・シャルルの法則、状態方程式、内部エネルギー、熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について、応用的な問題を解くことができる。ボイル・シャルルの法則、理想気体の状態方程式、気体の内部エネルギー、熱力学第一法則について、基本的な問題を解くことができる。ボイル・シャルルの法則、理想気体の状態方程式、気体の内部エネルギー、熱力学第一法則について、説明ができない。
評価項目6直流回路、クーロンの法則、電界、電気力による位置エネルギー、電界と電位の関係、ジュール熱と抵抗・電圧・電流の関係についての発展的な計算ができる。電気量、クーロンの法則、点電荷の周りの電界、電気力による位置エネルギー、電界と電位の関係、電力とジュール熱、直流回路についての基本的な計算ができる。電気量、導体と不導体、静電誘導、クーロンの法則、電流、電気抵抗、電力についての基本的な概念を説明できない。または、基本的な計算ができない。
評価項目7電流が作る磁界、ローレンツ力、電磁誘導の法則、自己誘導と相互誘導、交流と電磁波についての応用的な問題が解ける。磁気力と磁界、電流が作る磁界、電流が磁界から受ける力、ローレンツ力、電磁誘導の法則、磁界中を運動する導体の棒についての基本的な計算ができる。磁気力、磁界、電磁誘導についての基本的な説明や簡単な計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1) 大きさのある剛体の重心や釣り合いの関係について学習する。
(2) 2物体が衝突したり、1つの物体が分裂したりする際に成り立つ法則について学ぶ。
(3) 周期的な運動のもととなる力の性質や、運動の様子について学ぶ。
(4) 万有引力について学び、天体だけでなく、人工衛星や探査機などの運動について考える。
(5) 自動車の様な乗り物の運動や、ボールの運動の様な、速さや動く向きが絶えず変化し、良く観察すると複雑な運動を微分積分を用いて表す方法を学ぶ。
(6) 気体の温度・圧力・体積の関係を分子運動の観点でとらえる方法を学ぶ。
(7) 私達の生活に身近な静電気・モーター・発電機・電波などについて学ぶ。
(8) 電界と電位、電流と磁界、電磁誘導と電磁波についての式や原理、法則などについて学ぶ。
授業の進め方・方法:
(1) 講義を行い、ノートをとってもらった後に、演習プリントを配布し、問題を解いてもらう。
(2) 問題を解き、発表する際には、質疑応答を行うことで互いの理解を深める様にする。
(3) 理解した内容をチェックするために、Blackboardのオンラインテストを受講して下さい。
(4) Blackboardから配信している、学習到達度試験対策の電子書籍をダウンロードして、問題演習に役立てて下さい。
注意点:
(1) 物理量の持つ意味と単位を明確に理解する。例えば、電子、電流、磁界、加速度、力、運動の法則、運動方程式、モーメントと重心、熱量、比熱、理想気体といった用語を自分の言葉で説明出来るくらい明確に理解する。用語の捕らえ方の違いから来る誤解を招かない様に注意する。
(2) 用語の意味を踏まえた上で、法則の意味(イメージ)がつかめているかどうか、公式の導出過程が解ったかどうかを確認する。ノートに枠で囲ってある式は必ず覚える。
(3) 特に試験前には、演習プリントを自力で解き直す(最初から、ノートや解答を見て答えだけを探そうとしない)。自分で考えながら解く事で、法則の適用の仕方を身に付ける。
(4) 授業態度を含め、あたりまえの事をきちんとやる。苦手だからこそ、ノート、演習プリントは完全に提出できる様、毎時間、常に整えておきましょう。
試験問題の大半を占める演習プリントの問題を解ける様にしておく。解けない場合は、必ず質問して下さい。質問をする時は、ノートやプリントを持って来て下さい。
(5) 何が足りなかったから解けなかったのか、何が理解出来ていれば解けていたのかを認識出来る様に、ある程度の長時間を掛けて頑張って下さい。
(6) 専門科目の「工業力学」、「材料力学」、「電気回路」、「電子電気工学」、「電磁気学」、「応用物理」等に発展して行く為の基礎を取り扱う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 剛体のつりあい 1-(1) 物体に働く力の合成についての計算ができる。
1-(2) 物体の重心の計算ができる。
2週 1. 剛体のつりあい 1-(3) 物体の釣り合いの条件の問題を解くことができる。
3週 2. 運動量の保存・反発係数 2-(1) 運動量、運動量の変化と力積の問題を解くことができる。
4週 2. 運動量の保存・反発係数 2-(2) 運動量の保存についての問題を解くことができる。
5週 2. 運動量の保存・反発係数 2-(3) 反発係数、弾性衝突、非弾性衝突、完全非弾性衝突の計算ができる。
6週 2. 運動量の保存・反発係数 2-(4) 滑らかな面への斜め衝突の問題を解くことができる。
7週 2. 運動量の保存・反発係数 2-(5) 衝突とエネルギーの保存、運動量と力学的エネルギーの計算ができる。
8週 前期中間試験
答案返却・解説
2ndQ
9週 3. 円運動・慣性力と遠心力 3-(1) 等速円運動、角速度、ラジアン、周期、回転数についての問題を解くことができる。
10週 3. 円運動・慣性力と遠心力 3-(2) 等速円運動の速度、加速度の計算ができる。
11週 3. 円運動・慣性力と遠心力 3-(3) 等速円運動をする物体に働く力、円錐振り子の問題を解くことができる。
3-(4) 遠心力、ループコースターの問題を解くことができる。
12週 4. 単振動・万有引力 4-(1) 単振動、単振動の変位、速度、加速度、初期位相の問題を解くことができる。
4-(2) 復元力、水平ばね振り子、鉛直ばね振り子、単振り子の問題を解くことができる。
13週 4. 単振動・万有引力 4-(3) 万有引力、万有引力定数、重力の計算ができる。
4-(4) 万有引力による位置エネルギー、宇宙への旅、静止衛星、宇宙速度の問題が解ける。
14週 5. 微分積分を用いた力学 5-(1) 速度、加速度、変位の問題を微分積分を用いて解くことが出来る。
5-(2) 仕事、力積、位置エネルギーと力の問題を微分積分を用いて解くことが出来る。
15週 5. 微分積分を用いた力学 5-(3) 簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。
16週 前期期末試験
答案返却・解説
後期
3rdQ
1週 6. 気体分子の運動 6-(1) ボイル・シャルルの法則、理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。
2週 6. 気体分子の運動 6-(2) 気体分子の熱運動と気体の内部エネルギー、気体が外部にする仕事について説明できる。
3週 6. 気体分子の運動 6-(3) 熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。
4週 7. 電界と電位 7-(1) 静電気について説明できる。
7-(2) 導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。
5週 7. 電界と電位 7-(3) 電場・電位について説明できる。
6週 7. 電界と電位 7-(4) クーロンの法則が説明できる。
7週 7. 電界と電位 7-(5) クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。
8週 後期中間試験
答案返却・解説
4thQ
9週 8. 電流 8-(1) オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。
10週 8. 電流 8-(2) 抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。
11週 8. 電流 8-(3) ジュール熱や電力を求めることができる。
12週 9.電流と磁界 9-(1) 磁気力と磁界について説明できる。
9-(2) 電流が作る磁界について説明でき、計算できる。
13週 9.電流と磁界 9-(3) 電流が磁界から受ける力について説明できる。
14週 10. 電磁誘導と電磁波 10-(1) 電磁誘導の現象と法則について、説明できる。
15週 10. 電磁誘導と電磁波 10-(2) 直流や交流について説明できる。
10-(3) 電磁波とその利用について説明できる。
16週 学年末試験
答案返却・解説

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701002000100
基礎的能力4050200065
専門的能力305000035
分野横断的能力0000000