船舶安全工学

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 船舶安全工学
科目番号 1952001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 【平成28年度以降】商船学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 新訂 船舶安全学概論 改訂版(船舶安全学研究会 著 成山堂)、海事六法
担当教員 清田 耕司

到達目標

(1)安全に関する基礎知識を習得し、船内の安全対策に応用できるようにする。
(2)非常時における安全行動や安全対策を実際に現場で活用できることを目指す。
(3)国際条約と船舶の実務に応じた安全管理マニュアルの考え方を身につける。
(4)海難事故などの防止に必要な技術に関する知識及び技術体系を理解できる。
(5)船内労働安全衛生に関する知識について理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1安全に関する基礎知識を習得し、船内の安全対策に応用できるようにする。安全対策が計画できる。安全対策が計画できない。
評価項目2非常時における安全行動や安全対策を実際に現場で活用できること目指す。非常時における安全行動を説明できる。同行動を説明できない。
評価項目3国際条約と船舶の実務に応じた安全管理マニュアルの考え方を身につける。安全管理マニュアルの考え方を明確に説明できる。考え方を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
安全に関する基礎知識を習得し、船内の安全対策に応用できるようにする。船舶の安全を考える場合、陸上からの支援が望めないことと、避難場所が船内に限定されるため、人命の安全を確保することが非常に難しい。このため、非常時における安全行動や安全対策が重要となる。本授業においては、教科書を中心として授業行うが海難事故を自ら調査を行い、「安全」ということを認識して作業を指揮できる知識を身につける。
①安全工学の概念を理解する。②ヒューマンエラーの起源・分析・事故防止策を理解する。③海難の事例から事故原因を学ぶ。④SOLAS条約・船舶安全法の歴史的な背景を学ぶ。⑤生存技術・救命及び消火設備等を学ぶ。⑥衝突・浸水・船内火災を学ぶ。⑦乗揚げ、舵故障,油汚染等の海難原因並びに対処法を学ぶ。⑧船舶火災の危険を学ぶ。⑨船内における消火作業を学ぶ。⑩船員労働安全衛生規則等法規制を学ぶ。
※この科目では、船舶及び官公庁での実務経験がある教員が、その経験を活かして実践的な船員教育を行う。
授業の進め方・方法:
(1) 授業形式で行なう。授業は、ホームルーム若しくは多目的教室等で行う。
(2) 8週以降では、海難事例を元に学修を進める。
注意点:
(1)ノートを整理し、教科書や指示された資料を必ず授業時に持参すること。
(2)シラバスの項目・内容を確認して、教科書・参考書などで予習すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 総論:安全とは 1-(1)安全工学の目的
1-(2)安全工学の歴史
2週 海難と海難審判及び原因究明の制度 原油流出事故例(エクソン・ヴァルディズ号座礁排出事故など)を調査し説明できる。
3週 海難と海難審判及び原因究明の制度 海上安全に関わる国際条約について理解し説明できる。
4週 海難と海難審判及び原因究明の制度 インシデント、人的要因による海難実態などを理解し説明できる。
5週 非常・応急措置 海難の一般的なことを理解できる。
6週 非常・応急措置 衝突、浸水、乗り揚げ、舵故障について理解できる。
7週 非常・応急措置 バラスト水と油汚染について理解できる。
8週 船舶火災 船舶火災の原因や消火の困難性が理解できる。
4thQ
9週 船舶火災 船内の消火設備について理解できる。
10週 船舶火災 消火作業及び応急手当について理解できる。
11週 洋上生存 タイタニック号の遭難事故とその教訓について理解できる。
12週 洋上生存 生存維持作業の流れ、生存技術の原則について理解できる。
13週 洋上生存 効果的な船舶放棄作業、捜索及び救出作業について理解できる。
14週 船内労働災害 船員労働安全衛生規則の概要、安全基準、衛生基準及び保護具を理解できる。
15週 船内労働災害 船員災害ついて理解できる。
16週 海難・人間工学まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力専門的能力の実質化PBL教育PBL教育工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。3
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。3
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。3
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。3
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。3
共同教育共同教育企画立案から実行するまでのプロセスを持続可能性の実現性を配慮して実行することができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識・教養が、企業及び社会でどのように活用されているかを理解し、技術・応用サービスの実施ができる。3
地域や企業の現実の問題を踏まえ、その課題を明確化し、解決することができる。3
問題解決のために、最適なチームワーク力、リーダーシップ力、マネジメント力などを身に付けることができる。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などの必要性を理解できる。3
技術者として、生きる喜びや誇りを実感し、知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践創造的な活動を楽しむことを理解できる。3
技術者として、社会に対して有益な価値を提供するために存在し、社会の期待に十分応えられてこそ、存在の価値のあることを理解できる。3
企業人としても成長していく自分を意識し、継続的な自己研さんや学習が必要であることを理解できる。3
基礎的能力工学基礎技術史技術史歴史の大きな流れの中で、科学技術が社会に与えた影響を理解し、自らの果たしていく役割や責任を理解できる。3後7
技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を理解し、社会における技術者の役割と責任を説明できる。3後1
技術者を目指す者として、社会での行動規範としての技術者倫理を理解し、問題への適切な対応力(どうのように問題を捉え、考え、行動するか)を身に付けて、課題解決のプロセスを実践できる。3後1
説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。3後1
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。3後1
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。3後1
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。3後1
社会性、社会的責任、コンプライアンスが強く求められている時代の変化の中で、技術者として信用失墜の禁止と公益の確保が考慮することができる。3後16
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。3後16
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。3後16
分野別の専門工学商船系分野(機関)船舶基礎工学災害の原因構造および災害生成の過程について説明できる。3後1,後2,後3,後8,後9
海難の種類について認識し、その原因と対策について説明できる。3後2,後3,後4,後8,後9
船内の安全基準および船員の労働安全衛生について認識し、実際に適用することができる。3後14,後15
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能相手の意見を聞き、自分の意見を伝えることで、円滑なコミュニケーションを図ることができる。3後12,後13,後14,後15
相手を理解した上で、説明の方法を工夫しながら、自分の意見や考えをわかりやすく伝え、十分な理解を得ている。3後12,後13,後14,後15
集団において、集団の意見を聞き、自分の意見も述べ、目的のために合意形成ができる。3後12,後13,後14,後15
目的達成のために、考えられる提案の中からベターなものを選び合意形成の上で実現していくことができ、さらに、合意形成のための支援ができる。3後12,後13,後14,後15
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、そこから主要な原因を見出そうと努力し、解決行動の提案をしようとしている。3後12,後13,後14,後15
現状と目標を把握し、その乖離の中に課題を見つけ、課題の因果関係や優先度を理解し、発見した課題について主要な原因を見出し、論理的に解決策を立案し、具体的な実行策を絞り込むことができる。3後12,後13,後14,後15
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 3後12,後13,後14,後15
集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。3後12,後13,後14,後15
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。3後12,後13,後14,後15
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。3後12,後13,後14,後15
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。3後16
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。3後16
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。3後12,後13,後14,後15
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。3後12,後13,後14,後15

評価割合

試験小テストレポート・課題態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合40103010010100
基礎的能力0000000
専門的能力40103010010100
分野横断的能力0000000