到達目標
(1)安全に関する基礎知識を習得し、海上安全に対する新しい考え方や方策を学び、船内における安全対策に応用できるようにする。
(2)非常時における安全行動や安全対策を実際に現場で活用できることを目指す。
(3)国際条約と船舶の実務に応じた安全管理マニュアルの考え方を身につける。
(4)海難事故などの防止に必要な技術に関する知識及び技術体系を理解できる。
(5)船内労働安全衛生に関する知識について理解できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 安全に関する基礎知識を習得し、船内の安全対策に応用できるようにする。 | 安全対策が計画できる。 | 安全対策が計画できない。 |
評価項目2 | 非常時における安全行動や安全対策を実際に現場で活用できること目指す。 | 非常時における安全行動を説明できる。 | 非常時における安全行動を説明できない。 |
評価項目3 | 船内における安全・衛生に関する知識について理解することができる。 | 船内における安全・衛生に関する知識について理解することができる。 | 船内における安全・衛生に関する知識について理解することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
安全に関する基礎知識を習得し、船内の安全対策に応用できるようにする。船舶の安全を考える場合、陸上からの支援が望めないことと、避難場所が船内に限定されるため、人命の安全を確保することが非常に難しい。このため、非常時における安全行動や安全対策が重要となる。本授業においては、教科書を中心として授業行うが海難事故を自ら調査を行い、「安全」ということを認識して作業を指揮できる知識を身につける。
①安全工学の概念を理解する。②ヒューマンエラーの起源・分析・事故防止策を理解する。③海難の事例から事故原因を学ぶ。④SOLAS条約・船舶安全法の歴史的な背景を学ぶ。⑤生存技術・救命及び消火設備等を学ぶ。⑥衝突・浸水・船内火災を学ぶ。⑦乗揚げ、舵故障,油汚染等の海難原因並びに対処法を学ぶ。⑧船舶火災の危険を学ぶ。⑨船内における消火作業を学ぶ。⑩船員労働安全衛生規則等法規制を学ぶ。
※この科目では、船舶及び官公庁での実務経験がある教員が、その経験を活かして実践的な船員教育を行う。
授業の進め方・方法:
(1) 授業形式で行なう。授業は、ホームルーム若しくは多目的教室等で行う。
(2) 講義後半は、運輸安全委員会などが発信する、海難事例を元に学修を進める。
(3) 必要に応じ、プリント配布、課題を適宜課していく。
注意点:
(1) ノートを整理し、教科書や指示された資料を必ず授業時に持参すること。
(2) 海技士(航海)の「運用」、海技士(機関)の「執務一般」に出題される科目である。
(3) 船舶職員として、安全運航と乗船している船員、旅客などの安全確保のためにも、過去の教訓をしっかりと学ばなければならない。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
総論:安全とは |
1-(1)安全工学の目的 1-(2)安全工学の歴史
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2週 |
海難と海難審判及び原因究明の制度 |
原油流出事故例(エクソン・ヴァルディズ号座礁排出事故など)を調査し説明できる。
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3週 |
海難と海難審判及び原因究明の制度 |
海上安全に関わる国際条約について理解し説明できる。
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4週 |
海難と海難審判及び原因究明の制度 |
インシデント、人的要因による海難実態などを理解し説明できる。
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5週 |
非常・応急措置 |
海難の一般的なことを理解できる。
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6週 |
非常・応急措置 |
衝突、浸水、乗り揚げ、舵故障について理解できる。
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7週 |
非常・応急措置 |
バラスト水と油汚染について理解できる。
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8週 |
船舶火災 |
船舶火災の原因や消火の困難性が理解できる。
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4thQ |
9週 |
船舶火災 |
船内の消火設備について理解できる。
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10週 |
船舶火災 |
消火作業及び応急手当について理解できる。
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11週 |
洋上生存 |
タイタニック号の遭難事故とその教訓について理解できる。
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12週 |
洋上生存 |
生存維持作業の流れ、生存技術の原則について理解できる。
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13週 |
洋上生存 |
効果的な船舶放棄作業、捜索及び救出作業について理解できる。
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14週 |
船内労働災害 |
船員労働安全衛生規則の概要、安全基準、衛生基準及び保護具を理解できる。
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15週 |
船内労働災害 |
船員災害ついて理解できる。
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16週 |
海難・人間工学まとめ |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | 後1 |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | 後1 |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | 後1 |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | 後1 |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | 後16 |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | 後16 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 商船系分野(機関) | 船舶基礎工学 | 災害の原因構造および災害生成の過程について説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3,後8,後9 |
海難の種類について認識し、その原因と対策について説明できる。 | 3 | 後2,後3,後4,後8,後9 |
船内の安全基準および船員の労働安全衛生について認識し、実際に適用することができる。 | 3 | 後14,後15 |
評価割合
| 試験 | 小テスト | レポート・課題 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 30 | 0 | 30 | 10 | 20 | 10 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 30 | 0 | 30 | 10 | 20 | 10 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |