概要:
航海計器としてのGPSが普及し,その精度が著しく向上した現在,太陽や星などの天体の高度を測定しすることで推測航法で求めた推測位置を修正し,正しい船位を求める天文航法は用いられることが少なくなった。しかし,世界時より地方時を求める計算や,天体の出没方位角及び時間の算出やそれによるジャイロコンパスの誤差修正等,天文航法で求められる知識は重要であることには変わりない。この授業ではこれらの大洋上における航法とそれに付随する諸元の計算方法を身につける。
授業の進め方・方法:
基本的には講義形式で授業を進めるが、内容によっては演習形式で行う。
注意点:
(1) 海技教育機構や広島丸航海実習の基礎となる科目であるから,学習内容をしっかりと身に付ける必要がある。
(2) 学習内容の定着には,日々の予習復習が不可欠である。教科書・配付資料などを活用して主体的に学習すること。
(3) 復習課題を出題するので必ず期限内に提出すること。
(4) 学習内容についてわからないことがあれば,積極的に質問すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
1.基礎用語 |
1-(1) 天球及び観測者に関する基礎用語を説明できる
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2週 |
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1-(2) 天体の位置に関する基礎用語と天球図を説明できる
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3週 |
2.時と経度の関係 |
2-(1) 視時と平時,均時差を説明できる
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4週 |
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2-(2) 経度時を説明でき,世界時と地方平時を相互に求めることができる
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5週 |
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2-(3) 夏時と日付変更線を説明できる
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6週 |
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2-(4) 到着予定時刻を計算できる
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7週 |
3.The Nautical Almanac |
3-(1) The Nautical Almanacで用いられている用語を説明できる
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8週 |
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3-(2) The Nautical Almanacのページ構成を説明できる
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4thQ |
9週 |
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3-(3) The Nautical Almanacを用いて天体のグリニッジ時角(GHA)を求められる
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10週 |
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3-(3) The Nautical Almanacを用いて天体の赤緯(Dec)を求められる
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11週 |
4.天体出没時および薄明 |
4-(1) The Nautical Almanacを用いて日出没時刻を求められる
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12週 |
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4-(2) The Nautical Almanacを用いて月出没時刻を求められる
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13週 |
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4-(3) The Nautical Almanacを用いて天測最適時刻を求められる
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14週 |
5.コンパス誤差の測定 |
5-(1) 出没方位角法の特長を説明でき、コンパス誤差を計算できる
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15週 |
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5-(2) 時辰方位角法の特長を説明でき、コンパス誤差を計算できる
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16週 |
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5-(3) 北極星方位角法の特長を説明でき、コンパス誤差を計算できる
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | 前4,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | 前4,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | 前4,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。 | 3 | 前4,前6,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13 |
角を弧度法で表現することができる。 | 3 | 前10,前11,前12,前13 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 商船系分野(航海) | 天文航法 | 天球図に表記されている用語を説明できる。 | 3 | 前1,後1 |
水平面図及び赤道面図、子午線面図の違いを説明できる。 | 3 | 前2,後2 |
地方視時とグリニッジ視時、地方平時と世界時を相互に変換できる。 | 3 | 前3,前4,後3 |
クロノメーター示時より世界時を求めることができる。 | 3 | 前6,後4 |
天測歴で任意の時間のdとEの値を求めることができる。 | 3 | 前7,前8,後7,後8 |
視時と平時を相互に換算することができる。 | 3 | 前9,後9 |
天体の時角を求めることができる。 | 3 | 前10,後10 |
任意の地における常用日出没時及び常用月出没を求めることができる。 | 3 | 前11,前12,前13,後12,後13 |
天測に最適な薄明時間を求めることができる。 | 3 | 前14,前15,後15 |