概要:
最初に航海計器全般について、種類および概略説明を行う。次に、針路・方位測定に必要となる磁気コンパスおよびジャイロ・コンパス、オートパイロット、速力計である電磁ログ、ドップラー・ログおよびソナー、音響測深機、天体の高度測定に必要な六分儀について解説する。ここでは、航海学の基礎的な航海計器に関わる専門知識・技術を身につける。
授業の進め方・方法:
基本的には講義形式で授業を進める。
注意点:
(1) 今後学ぶ電波航法Ⅰ・Ⅱと関係が深い科目であるから、学習内容をしっかりと身に付ける必要がある。
(2) 予習として、授業の前に、習う範囲について、教科書を熟読しておくこと。
(3) 学習内容についてわからないことがあれば、積極的に質問すること。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
航海計器全般 |
個々の計器の概略が理解できる
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2週 |
磁気コンパス |
1-(1) ビナクルの形式、構造、誤差が理解できる。
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3週 |
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1-(2) 地磁気、自差が理解できる。
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4週 |
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1-(3) 船首尾および正横方向の船体永久磁気による自差が理解できる。
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5週 |
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1-(4) 垂直軟鉄および水平横走軟鉄による自差が理解できる。
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6週 |
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1-(5) 水平縦走軟鉄および水平斜走軟鉄による自差が理解できる
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7週 |
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1-(6) 非対称水平軟鉄による自差、自差の原因と修正法が理解できる。
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8週 |
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1-(7) 自差公式、傾船差が理解できる。
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2ndQ |
9週 |
ジャイロコンパス |
1-(1) ジャイロスコープの特性、指北作用、制振作用が理解できる
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10週 |
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1-(2) ジャイロコンパスの種類、スペリー系(旧型)の指北作用が理解できる。
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11週 |
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1-(3) アンシューツ系の指北作用、軸の振揺が理解できる
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12週 |
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1-(4) スペリー系(旧型)およびアンシューツ系の制振作用(減衰方法)が理解できる。
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13週 |
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1-(5) スペリー系の指北原理(指北作用および制振作用(減衰方法))が理解できる。
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14週 |
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1-(6) 地盤の動き、速度誤差、変速度誤差が理解できる。
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15週 |
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1-(7) 動揺誤差、旋回誤差が理解できる。
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16週 |
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コンパスまとめ
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後期 |
3rdQ |
1週 |
オートパイロット |
2-(1) HCS(Heading Control System)とTCS(Track Control System)の概要、構成が理解できる
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2週 |
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2-(2) 制御、フィードフォワードおよびフィードバック制御が理解できる。
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3週 |
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2-(3) フィードバック制御の利点(外乱、特性変動)が理解できる。
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4週 |
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2-(4) P制御が理解できる。
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5週 |
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2-(5) D制御が理解できる。
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6週 |
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2-(6) PD制御が理解できる。
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7週 |
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2-(7) I制御、フィルタが理解できる。
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8週 |
船速距離計 |
3-(1) 個々の速力計測法の違いが理解できる。
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4thQ |
9週 |
電磁ログ |
3-(2) さや型およびフラット型センサーの構造、原理が理解できる。
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10週 |
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3-(3) 誤差とその調整が理解できる。
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11週 |
ドップラーログおよびドップラーソナー |
3-(4) ドップラーログおよびドップラーソナーの違い、ドップラー効果が理解できる。
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12週 |
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3-(5) 原理が理解できる。
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13週 |
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3-(6) 誤差とその対策が理解できる。
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14週 |
音響測深機 |
4-(1) 構造、原理、誤差とその調整が理解できる。
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15週 |
六分儀 |
5-(1) 構造、原理、誤差、測定方法が理解できる。
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16週 |
航海計器まとめ |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 数学 | 数学 | 数学 | 整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。 | 3 | |
分数式の加減乗除の計算ができる。 | 3 | |
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。 | 3 | |
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。 | 3 | |
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。 | 3 | |
2次関数の性質を理解し、グラフをかくことができ、最大値・最小値を求めることができる。 | 3 | |
角を弧度法で表現することができる。 | 3 | |
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。 | 3 | |
2点間の距離を求めることができる。 | 3 | |
不定積分の定義を理解し、簡単な不定積分を求めることができる。 | 3 | |
工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。 | 3 | |
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。 | 3 | |
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 商船系分野(航海) | 航海計器 | 磁気コンパスのバウル、ビナクルの各部名称、構造、取扱いについて説明できる。 | 3 | 前2 |
地磁気、偏差及び自差について説明できる。 | 3 | 前3 |
自差の原因と修正法について説明できる。 | 3 | 前4,前5,前6,前7,前8 |
ジャイロスコープの特性について説明できる。 | 3 | 前9 |
指北原理(指北作用、制振作用)について説明できる。 | 3 | 前9,前10,前11,前12,前13 |
オートパイロットの構造について説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
各種操舵法及び、取扱い(故障時の対応を含む)について説明できる。 | 3 | 後2,後3 |
PID制御について説明できる。 | 3 | 後4,後5,後6 |
各種調整について説明できる。 | 3 | 後7 |
電磁ログの各部名称及び構造について説明できる。 | 3 | 後9 |
電磁ログの原理について説明できる。 | 3 | 後9 |
ドップラーログ及びソナーの構造、取扱いについて説明できる。 | 3 | 後11 |
ドップラーログ及びソナーの原理について説明できる。 | 3 | 後12 |
音響測深器の構造、取扱いについて説明できる。 | 3 | 後14 |
音響測深器の原理について説明できる。 | 3 | 後14 |