載貨論

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 載貨論
科目番号 1942107 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科(航海コース) 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 『基本運用術【二訂版】』(海文堂)、配布資料
担当教員 大野 遼太郎

到達目標

(1) 船舶の安全にかかわる要素として、堪航性について説明できる。また船体の安全性を確保するために、復原力を保持することが重要であることを説明できる。
(2) 船体運動が6自由度の運動から成り立つことを説明できる。
(3) アルキメデスの原理について説明できる。また浮体の重心と浮心について説明できる。
(4) 船舶の荷役を想定した重心変化量及び重心位置を求めることができる。
(5) 船体の復原性について説明でき、復原性の観点から船舶の堪航性を評価することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1船舶の安全にかかわる要素として、堪航性及び復原力の重要性を説明でき、復原性に関係する最近の海難事故事例についての知見を得ている。船舶の安全にかかわる要素として、堪航性について説明できる。また復原力の重要性を説明できる。船舶の堪航性、復原力の重要性について説明できない。
評価項目2船体運動が6自由度の運動から成り立つことを説明でき、実船におけるそれぞれの運動特性を理解している。船体運動が6自由度の運動から成り立つことを説明できる。船体運動が6自由度の運動から成り立つことを説明できない。
評価項目3アルキメデスの原理、浮体の重心と浮心について説明でき、浮体にはたらく重量と浮力の関係から物体が液体中に浮くことができる条件を説明できる。アルキメデスの原理について説明できる。また浮体の重心と浮心について説明できる。アルキメデスの原理、浮体の重心と浮心について説明できない。
任意形状の平面図形の重心位置を求めることができる。また船舶の荷役を想定した重心変化量及び重心位置を求める計算式を導出することができる。簡単な形状の平面図形の重心位置を求めることができる。また船舶の荷役を想定した重心変化量及び重心位置を求めることができる。簡単な形状の平面図形の重心位置を求めることができない。また船舶の荷役を想定した重心変化量及び重心位置を求めることができない。
船体の復原性について説明でき、復原性の観点から船舶の堪航性を評価することができる。船体の復原性について説明できる。船体の復原性について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
船舶運航の安全性を評価する上で、復原性は重要な要素である。この授業では船舶の復原性について学習する。
また復原性を学習するにあたり、必要となる基礎知識についても学習する。
授業の進め方・方法:
基本的には講義形式で授業を進めるが、内容によっては演習形式で行う。
注意点:
(1) この授業は主に船舶の復原性を扱うものであり、船舶を安全に運航する上で非常に重要な内容となる。このことを十分理解した上で学習に臨むこと。
(2) 教科書・筆記用具・電卓・配布物等を忘れないこと。
(3) シラバスの項目・内容を確認して参考資料等で予習をしておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 船舶の安全性 1-(1) 船舶の安全にかかわる要素として、堪航性について説明できる。
1-(2) 船体の安全性を確保するために、復原力を保持することが重要であることを説明できる。
2週 2. 船体運動 2-(1) 船体運動が6自由度の運動から成り立つことを説明できる。
3週 3. 重心と浮心と傾心(1) 3-(1) 重心と浮心、浮力、アルキメデスの原理について説明できる。
4週 3. 重心と浮心と傾心(2) 3-(2) 傾心について説明できる。
5週 4. 重心移動計算(1) 4-(1) 任意形状の平面図形の重心位置を計算によって求めることができる。
6週 中間試験
7週 4. 重心移動計算(2) 4-(2) 船舶への貨物の積み降ろし及び船内での貨物の移動に伴なう重心の任意の位置からの変化量を計算によって求めることができる。
8週 4. 重心移動計算(3) 4-(3) 船舶への貨物の積み降ろし及び船内での貨物の移動に伴ない変化した重心位置(基線上高さ)を計算によって求めることができる。
2ndQ
9週 5. 船舶復原性(1) 5-(1) 傾心について説明できる。
5-(2) 傾心・重心・浮心それぞれの位置関係から、船体の安定・不安定を評価できる。
10週 5. 船舶復原性(2) 5-(3) 初期復原力について説明できる。
5-(4) 復原力とGMの関係性について説明でき、それらの値を算出できる。
11週 5. 船舶復原性() 5-(5) GZ曲線図について説明できる。
5-(6) 船型を考慮した適度なGMの大きさについて評価ができる。
12週 5. 船舶復原性() 5-(7) 復原力に影響を及ぼす要素について説明できる。
5-(8) 大傾斜時復原力について説明できる。
13週 5. 船舶復原性() 5-(9) 非損傷時復原性に関する規則(2008 IS Code)について説明できる。
14週 5. 船舶復原性() 5-(10) 損傷時復原性に関する規則について説明できる。
5-(11) 復原性に関係する事故事例を分析し、復原性の観点から安全性の評価ができる。
15週 学年末試験
16週 答案返却・解説

評価割合

試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合504001000100
基礎的能力0000000
専門的能力5040000090
分野横断的能力000100010