内燃機関Ⅰ

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 内燃機関Ⅰ
科目番号 1932212 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 【平成28年度以降】商船学科(機関コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 熱機関工学(コロナ社),越智敏明他
担当教員 茶園 敏文

到達目標

(1)熱力学の法則について理解し、各種工業機器において発生する熱と仕事との関係について説明できる。
(2)内燃機関、特にディーゼル機関の構造および作動、特徴について学び、概略を説明できる。
(3)内燃機関、ガソリン機関・ガスタービンの構造および作動、特徴について学び、概略を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力、仕事、出力の発生原理を理解している 熱力学の第一法則、第二法則を理解し、仕事の発生メカニズムを理解している力、仕事、出力の原理から内燃機関のそれらの値を算出し説明できる同値を算出できない
化学的な燃焼反応から低位発熱量、高位発熱量を求められる低位発熱量、高位発熱量を総括反応式から算出できる同値を算出できない
内燃機関と外燃機関の違いを理解している違いを明確に説明できる違いを説明できない
内燃機関の基本サイクルを理解しているオットーサイクル、ディーゼルサイクル、サバテサイクルを説明できる 4サイクル、2サイクルのガス交換過程を説明できる同サイクル、ガス交換過程を説明できない
内燃機関の根本的な燃焼を説明できる予混合燃焼と拡散燃焼の違いを説明できる違いを説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1)船舶の主駆動源である内燃機関の構造、性能などを理解する.
(2)内燃機関の仕事、出力、作動のメカニズムを理解できるようにする.                 
(3)船舶に限らず、熱機関(エンジン)や冷凍機など,「熱」を取り扱う機器は非常に多岐にわたる,それら「熱」を取り扱う各種工業機器の動作
  原理の基礎理論を理解するうえで,「熱力学」に関わる基礎的な知識を習得し,自然現象を科学的に説明できることも目指す.
授業の進め方・方法:
(1)スライドと黒板を併用し、アニメーション等わかりやすい解説を加える.
(2)特に難しい部分は演習を交え.理解を深める.
(3)物理現象から理解することを基本とし,考える力を養う.
注意点:
(1)機関の習得は,つながりがあるため,途中で理解できないと続かないことが多い.理解度を維持すること.
(2)海技試験に通づる問題も多くあるので,指摘した部分は理解するよう努力すること.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1..内燃機関における物理(仕事、熱、出力等) 1-(1)仕事とは
1-(2)出力とは
2週 1..内燃機関における物理(仕事、熱、出力等) 1-(3)熱力学の第一法則
1-(4)熱力学の第二法則
3週 1..内燃機関における物理(仕事、熱、出力等) 1-(5)理想気体の状態方程式
1-(6)理想気体の状態方程式
4週 2.燃焼概論 2-(1)燃焼と燃料
5週 2.燃焼概論 2-(2)低位発熱量、高位発熱量
6週 2.燃焼概論 2-(3)内燃機関の概要
7週
8週
2ndQ
9週 3.内燃機関 3-(1)カルノーサイクル、同熱効率
3-(2)オットーサイクル、同熱効率
10週 3.内燃機関 3-(3)ディーゼルサイクル、同熱効率
3-(4)サバテサイクル、同熱効率
11週 3.内燃機関 3-(5)内燃機関の実際のサイクル、圧縮比、締切比
12週 3.内燃機関 3-(6)内燃機関の動弁機構
13週 3.内燃機関 3-(7)内燃機関の吸気と排気
14週 前期期末試験
15週 答案返却・解説
16週
後期
3rdQ
1週 4.ガソリン機関 4-(1)ガソリン機関の構造と作動原理
2週 4.ガソリン機関 4-(2)燃焼過程
3週 4.ガソリン機関 4-(3)燃焼噴射装置


4週 4.ガソリン機関 4-(4)点火装置
5週 5.ディーゼル機関 5-(1)4サイクル機関の作動原理

6週 5.ディーゼル機関 5-(2)2サイクル機関の作動原理

7週 5.ディーゼル機関 5-(3)燃焼過程
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却・解説
10週 5.ディーゼル機関 5-(4)燃料噴射装置
11週 6.ガスタービン 6-(1)ガスタービンの概要と用途
12週 6.ガスタービン 6-(2)構成と構造(全体)
13週 6.ガスタービン 6-(3)構成と構造(圧縮機・燃焼器・タービン)
14週 6.ガスタービン 6-(4)ガスタービンのサイクル
15週 学年末試験
16週 答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
運動方程式を用いた計算ができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(機関)内燃機関学内燃機関と外燃機関の違いについて認識し、それらの種類および分類について説明できる。2前9,前10
2サイクル機関および4サイクル機関の作動原理および特徴について説明できる。2後1,後2
内燃機関の各機器の構造および役割、故障の要因を説明できる。2前9,前10
内燃機関の基本熱サイクルの種類および特徴を説明できる。2前9,前10
効率、出力(馬力)、燃料消費率などを計算し、機関性能を評価できる。2後6
4サイクル機関および2サイクル機関のガス交換過程について、説明できる。2後7
燃焼に必要な条件、燃焼反応、燃焼過程について説明できる。2前4,前5
発熱量、理論空気量、空気過剰率など、燃焼性能に関する諸因子の計算ができる。2前4,前5
異常燃焼の種類を認識し、その発生要因および機関への影響について説明できる。2前4,前5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合600002020100
基礎的能力30000101050
専門的能力30000101050
分野横断的能力0000000