内燃機関Ⅰ

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 内燃機関Ⅰ
科目番号 0006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科(機関コース) 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 熱機関工学(コロナ社),越智敏明他
担当教員 武山 哲

到達目標

(1)内燃機関、特にディーゼル機関の構造および作動、特徴について学び、概略を説明できる。
(2)熱力学の法則について理解し、各種工業機器において発生する熱と仕事との関係について説明できる。
(3)ガス交換過程、燃焼過程について学び、内燃機関の出力発生のしくみや出力を減少させる要因などについて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力、仕事、出力の発生原理を理解している 熱力学の第一法則、第二法則を理解し、仕事の発生メカニズムを理解している力、仕事、出力の原理から内燃機関のそれらの値を算出し説明できる同値を算出できない
化学的な燃焼反応から低位発熱量、高位発熱量を求められる低位発熱量、高位発熱量を総括反応式から算出できる同値を算出できない
内燃機関と外燃機関の違いを理解している違いを明確に説明できる違いを説明できない
内燃機関の基本サイクルを理解しているオットーサイクル、ディーゼルサイクル、サバテサイクルを説明できる 4サイクル、2サイクルのガス交換過程を説明できる同サイクル、ガス交換過程を説明できない
内燃機関の根本的な燃焼を説明できる予混合燃焼と拡散燃焼の違いを説明できる違いを説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1)船舶の主駆動源である内燃機関の構造、性能などを理解する.
(2)内燃機関の仕事、出力、作動のメカニズムを理解できるようにする.                 
(3)船舶に限らず、熱機関(エンジン)や冷凍機など,「熱」を取り扱う機器は非常に多岐にわたる,それら「熱」を取り扱う各種工業機器の動作
  原理の基礎理論を理解するうえで,「熱力学」に関わる基礎的な知識を習得し,自然現象を科学的に説明できることも目指す.
授業の進め方・方法:
(1)スライドと黒板を併用し、アニメーション等わかりやすい解説を加える.
(2)特に難しい部分は演習を交え.理解を深める.
(3)物理現象から理解することを基本とし,考える力を養う.
注意点:
(1)機関の習得は,つながりがあるため,途中で理解できないと続かないことが多い.理解度を維持すること.
(2)海技試験に通づる問題も多くあるので,指摘した部分は理解するよう努力すること.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1..内燃機関における物理(仕事、熱、出力等) 1-(1)仕事とは
1-(2)出力とは
2週 1..内燃機関における物理(仕事、熱、出力等) 1-(3)熱力学の第一法則
1-(4)熱力学の第二法則
3週 1..内燃機関における物理(仕事、熱、出力等) 1-(5)理想気体の状態方程式
1-(6)理想気体の状態方程式
4週 2.燃焼概論 2-(1)燃焼とは何か
5週 2.燃焼概論 2-(2)低位発熱量、高位発熱量
6週 2.燃焼概論 2-(3)理論空気寮、空気過剰率
7週 前期中間試験
8週 答案返却・解説
2ndQ
9週 3.内燃機関のサイクル 3-(1)カルノーサイクル、同熱効率
3-(2)オットーサイクル、同熱効率
10週 3.内燃機関のサイクル 3-(3)ディーゼルサイクル、同熱効率
3-(4)サバテサイクル、同熱効率
11週 3.内燃機関のサイクル 3-(5)内燃機関の実際のサイクル、圧縮比、締切比
12週 3.内燃機関のサイクル 3-(5)内燃機関の実際のサイクル、圧縮比、締切比
13週 3.内燃機関のサイクル 3-(6)実際の指圧線図
14週 前期期末試験
15週 答案返却・解説
16週
後期
3rdQ
1週 4.内燃機関の作動原理、ガス交換課程 4-(1)4サイクル機関の作動原理とその特徴
2週 4.内燃機関の作動原理、ガス交換課程 4-(2)2サイクル機関の作動原理とその特徴
3週 4.内燃機関の作動原理、ガス交換課程 4-(3)4サイクル機関のガス交換課程、バルブ作動メカニズム1
4-(4)4サイクル機関のガス交換課程、バルブ作動メカニズム2

4週 4.内燃機関の作動原理、ガス交換課程 4-(5)4サイクル機関のガス交換課程、充填効率、体積効率
5週 4.内燃機関の作動原理、ガス交換課程 4-(7)4サイクル機関のガス交換課程、慣性効果、吸気干渉、排気干渉
4-(8)4サイクル機関のガス交換課程、ガス交換損失(ポンプ損失等)

6週 4.内燃機関の作動原理、ガス交換課程 4-(9)2サイクル機関のガス交換課程、掃気方法、掃気の種類
4-(10)2サイクル機関のガス交換課程、掃気効率
7週 4.内燃機関の作動原理、ガス交換課程 4-(11)2サイクル機関と4サイクル機関のガス交換過程の違い、長所、短所
8週 後期中間試験
4thQ
9週 答案返却・解説
10週 5.燃焼過程 5-(1)燃焼の形態、予混合燃焼、拡散燃焼
11週 5.燃焼過程 5-(1)燃焼の形態、予混合燃焼、拡散燃焼
12週 5.燃焼過程 5-(2)物理的着火遅れと化学的着火遅れ
13週 5.燃焼過程 5-(3)異常燃焼、ガソリンノックとディーゼルノックの違い
14週 5.燃焼過程 5-(4)排気ガス生成の基本
15週 後期中間試験
16週 答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学整式の加減乗除の計算や、式の展開ができる。3
因数定理等を利用して、4次までの簡単な整式の因数分解ができる。3
分数式の加減乗除の計算ができる。3
実数・絶対値の意味を理解し、絶対値の簡単な計算ができる。3
平方根の基本的な計算ができる(分母の有理化も含む)。3
複素数の相等を理解し、その加減乗除の計算ができる。3
解の公式等を利用して、2次方程式を解くことができる。3
因数定理等を利用して、基本的な高次方程式を解くことができる。3
簡単な連立方程式を解くことができる。3
角を弧度法で表現することができる。3
三角関数の性質を理解し、グラフをかくことができる。3
ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
自然科学物理電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。3
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。3
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。3
ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。2
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。2
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。2
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。1
マグマの生成と火山活動を説明できる。1
地震の発生と断層運動について説明できる。1
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。1
地球上の生物の多様性について説明できる。1
生物の共通性と進化の関係について説明できる。1
生物に共通する性質について説明できる。1
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。1
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。1
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。1
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。1
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。1
世界のバイオームとその分布について説明できる。1
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。1
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。1
生態ピラミッドについて説明できる。1
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。1
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。1
有害物質の生物濃縮について説明できる。1
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。1
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(機関)電気電子工学直列回路、並列回路に流れる電流の計算ができる。3
LCRを用いた交流回路の計算ができる。3
三相交流について説明できる。3
PN半導体について説明できる。3
整流回路の働き、使用方法について説明できる。3
増幅回路の働きについて説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700010200100
基礎的能力3000510045
専門的能力3000510045
分野横断的能力100000010