内燃機関Ⅲ

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 内燃機関Ⅲ
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 【平成28年度以降】商船学科(機関コース) 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「舶用ディーゼル機関教範」 (長谷川 静音 著 成山堂)
担当教員 武山 哲

到達目標

(1)これまでに学んできた往復動式内燃機関の構造および作動,特徴,構成している部品の名称や役割を説明できる.                   (2)機関全体を把握し,実際の内燃機関で生じる諸問題に応用し保守ができる.
(3)ガスタービン,ジェッエンジンの作動原理,基本構造を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
燃焼で発生した熱が仕事,出力に変換する現象を往復機関で理解できる燃焼による熱が仕事,出力に変換し,一部損失が起こっている現象を説明できる同現象を説明できない
往復機関にとって作動するために重要な,ガス交換過程,燃焼過程,潤滑を理解できるガス交換過程,燃焼過程,潤滑の主要現象を説明できる同現象を説明できない
内燃機関主にディーゼル機関の基本的保守が出来る内燃機関に問題が生じた時に,本質的問題点を把握し,改善の方向性を説明できる保守の方向性を説明できない
有害排気ガスの発生メカニズムとその回避方策有害排気物の発生メカニズムと排気対策を説明できる同行程を説明できない
ガスタービンの作動原理,構造,出力の算出,損失について理解できる圧縮機,タービンのブレードの構造と流体力学的作用,燃焼室の種類を説明できる作用,種類を説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1)性能,構造,補機をふくめ機関全体を把握する力を養う.
(2)内燃機関の知識・技術を活用して,内燃機関システムを造る,あるいは運用管理する基礎能力を習得することを目指す.
(3)内燃機関の設計を行ううえで必要となる要素(部品)の基本構造や作動について学ぶ.また,舶用ディーゼル機関について,
   現状の問題点や最近の話題を取り上げながら,機関の運転,取扱法についても適宜学ぶ.
(4)速度型内燃機関であるガスタービン,ジェットエンジンの基本構造,性能について学ぶ.
授業の進め方・方法:
(1)スライドと黒板を併用し、アニメーション等わかりやすい解説を加える.
(2)特に難しい部分は演習を交え.理解を深める.
(3)実際の船舶のトラブルの対処方法,操作方法を理解する.
注意点:
(1)船上でトラブルが起こったときの対応,起こさないための日常のメンテナンスを理解すること.
(2)重大な故障や問題を判断できるようにすりこと.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1..容積型内燃機関の作動と
  性能
1-(1)ディーゼル機関とガソリン機関の構造と作動
1-(2)ディーゼル機関とガソリン機関の燃焼サイクル
1-(3)ディーゼル機関とガソリン機関の燃焼行程
2週 1..容積型内燃機関の作動と
  性能
1-(1)ディーゼル機関とガソリン機関の構造と作動
1-(2)ディーゼル機関とガソリン機関の燃焼サイクル
1-(3)ディーゼル機関とガソリン機関の燃焼行程
3週 1..容積型内燃機関の作動と
  性能
1-(4)異常燃焼の現象と問題点
1-(5)異常燃焼の回避方策
4週 2.容積型内燃機関の保守
2-(1)容積型内燃機関の部品構造と,材質
2-(2)部品構造における特徴と問題点
5週 2.容積型内燃機関の保守
2-(3)問題点の回避方策
6週 2.容積型内燃機関の保守
2-(4)機関の運転,保守
7週 前期中間試験
8週 答案返却・回答
2ndQ
9週 3.排気ガスの諸問題 3-(1)有害排気ガスの発生メカニズム
10週 3.排気ガスの諸問題 3-(2)有害排気ガスが発生しやすい条件(噴霧,燃焼)
11週 3.排気ガスの諸問題 3-(3)有害廃棄物発生の回避方策
12週 4.速度型内燃機関の作動と
 性能(ガスタービン,   ジェットエンジン)
4-(1)ガスタービンの作動原理
13週 4.速度型内燃機関の作動と
 性能(ガスタービン,   ジェットエンジン)
4-(2)圧縮機,タービン,燃焼室の構造
14週 4.速度型内燃機関の作動と
 性能(ガスタービン,   ジェットエンジン)
4-(3)圧縮記とタービン流体力学
4-(4)ガスタービンのエネルギーリサイクル
15週 前期中間試験
16週 答案返却・回答

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度について説明できる。3
同一直線上を等速運動する2物体について、相対速度を求めることができる。3
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3
平面内を移動する質点の運動を、位置ベクトルの変化として理解している。3
座標を時間で微分し、速度や加速度を求めることができる。3
自由落下に関する計算ができる。3
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3
物体に作用する力を図示することができる。3
力の合成と分解をすることができる。3
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3
慣性の法則について説明できる。3
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3
互いに力を及ぼしあう物体の運動について、運動方程式を立てて解くことができる。3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3
静止摩擦力がはたらいている場合の、力のつりあいについて理解している。3
最大摩擦力に関する計算ができる。3
動摩擦力に関する計算ができる。3
仕事と仕事率に関する計算ができる。3
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力学的エネルギー保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。3
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3
運動量の差が力積に等しいことを理解している。3
運動量保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。3
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3
万有引力の法則を説明し、物体間にはたらく万有引力を求めることができる。3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
力のモーメントを求めることができる。3
角運動量を求めることができる。3
角運動量保存則について理解し、様々な物理量の計算に利用できる。3
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3
重心の定義について理解し、重心に関する計算ができる。3
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について理解している。3
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを理解している。3
物体の熱容量と比熱について理解している。3
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを理解している。3
ボイルの法則、シャルルの法則を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて理解している。3
熱力学第一法則について理解している。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを、具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関について理解し、熱効率に関する計算ができる。3
波動横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理を理解している。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について説明できる。3
弦の長さと、弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
工学基礎工学リテラシー工学リテラシー物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。3
基礎的原理や現象を理解するための実験手法、実験手順、実験データ処理法等について理解する。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ、安全に実験を行うことができる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の進め方について理解し、実践できる。3
実験テーマの内容を理解し、実験・測定結果の妥当性評価や考察等について論理的な説明ができる。3
実験ノートの記述、及び実験レポートの作成の方法を理解し、実践できる。3
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。 3
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。3
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。3
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。3
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力現実を踏まえ、公衆の健康・安全や文化・社会・環境に配慮すべきことが理解できる。さらに、複合的な工学的課題や、需要に適合したシステム・構成要素・工程の設計に取り組むことができる。3
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700010200100
基礎的能力200055030
専門的能力4000510055
分野横断的能力100005015