概要:
文献調査、研究計画、実験の実施および結果の解析と考察を通して、専門的知識・技術を習得・活用してものやシステムを造る能力、および習得した技術をもとに問題点を発見してその解決策を計画・実現する能力、ならびに研究成果をまとめて発表して説明する能力を身につけることを目的とする。
学生は各研究室に配属され、担当教員による個人指導を受け、学年末に卒業論文を提出するとともに研究成果を発表する。
本科目は、5年間の集大成であり、実験実習をはじめとして全ての専門科目と関連する。
授業の進め方・方法:
(1)週6時間~8時間、各研究室において、本科生の設定した卒業研究テーマに沿った文献調査、実験、数値計算を行い、最終的に卒業論文としてまとめる。
(2)1年を通じて、研究を行うが、中間期に中間発表を行うとともに、期末には最終発表として、各自論文発表を行い、全教員評価がその内容を評価する。
(3)所定の時期に卒業論文として作成し、各研究室教員の確認を得るとともに、各教員で内容を判断し学術的に論文と認められるもののみ卒業論文として承認さ れる。
注意点:
(1)卒業論文は高等専門学校4年間の学習内容を基盤として、最終学年1年間の研究内容の成果を個々人が提出するものである。
(2)従って、卒業論文は指導教官の助言のもと、本科生各自が高等専門学校教育の集大成として、自覚をもって作成しなければならない。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス (研究テーマ紹介、研究室配属決定) |
(1) 研究テーマを決定し、研究を遂行するに当たっての基本的な心構えについて認識できる。 (2) 研究の目的を理解し、問題解決のための研究方針を計画・立案することができる。 (3) 研究に関する情報や知識を積極的に習得することができる。
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2週 |
以下に各研究室の到達目標を記述する。よって左記の週とは異なるので注意のこと |
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3週 |
武山研究室 |
(1)ディーゼル機関を適切に始動、運転させることができる。 (2)同状態から、出力、燃費、排気成分を測定することが出来る。 (3)上記実験データから、最も適した運転パラメータ(噴射圧力、噴射時間等)が、どの領域にあるかを予測できる。 (4)(3)の予測がどのような物理現象によるものか説明できる。
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4週 |
瀧口研究室 |
(1) 運動・振動問題に興味関心を持ち、その基本的事項について理解・説明できる。 (2) (1)に関連したテーマを設定し、運動方程式をたて、シミュレーションすることができる。 (3) (1)に関連した学習用教材を開発することができる。 (4) 研究成果を考察し、まとめることができる。
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5週 |
大山研究室 |
(1)放射線の性質を理解し船舶での放射性廃棄物、核燃料輸送に際しての安全性確保についての問題を理解できる。 (2)放射線に関する測定又は、シミュレーションを計画的に実行することができる。 (3)研究の成果を考察し、論理的にまとめることができる。
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6週 |
雷研究室 |
(1) 環境保護や省エネルギーの視点から流体機械等の流れ場を実験とシミュレーション手法より研究する目的を理解し、解決に必要な実験と計算を計画し、遂行することができる。 (2) タービンポンプの性能曲線やオリフィスの流量係数の特性評価について、必要な実験を計画し、遂行することができる。 (3) 研究の成果を考察し、論理的にまとめることができる。
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7週 |
濵田研究室 |
(1) 「高粘性流体中に存在する単一気泡・固体粒子の壁面付近における運動特性」について、研究の目的を理解し、問題解決に必要な実験を計画し、遂行することができる。 (2) 「実験用蒸気タービンの作動特性」について、研究の目的を理解し、問題解決に必要な実験を計画し、遂行することができる。 (3) 研究の成果を考察し、論理的にまとめることができる。
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8週 |
村岡研究室 |
(1) 「小型船舶の離脱装置」について、その用途を理解し、装置の設計製作とその実験をおこなうことができる。 (2) 「センサとマイコンをスポーツタイマ」について、マイコンを用いた回路や周辺機器の製作とその実験をおこなうことができる。 (3) 「ドローンを用いた離島映像撮影」について、正しくドローンを活用することができる。
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2ndQ |
9週 |
徳田研究室 |
(1) 「船体外板の簡易評価方法」に関する研究の目的を理解し、問題解決に必要な実験を計画し、遂行することができる。 (2) 「金属接着板の変形解析」に関する研究の目的を理解し、問題解決に必要な実験を計画し、遂行することができる。 (3) 研究の成果を考察し、論理的にまとめることができる。
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10週 |
卒業研究発表 |
(1) 研究の目的を理解し、研究方針・成果を論理的にまとめ、発表することができる。 (2) 研究で得られた成果を分析し、考察することができる。 (3) 研究内容を、聴講者に分かりやすいようにプレゼンテーションできる。
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
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2週 |
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3週 |
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4週 |
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5週 |
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6週 |
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7週 |
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8週 |
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4thQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法) | 物理、化学、情報、工学についての基礎的原理や現象を、実験を通じて理解できる。 | 3 | |
基礎的原理や現象を理解するための実験手法、実験手順、実験データ処理法等について理解する。 | 3 | |
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の取扱いに慣れ、安全に実験を行うことができる。 | 3 | |
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の進め方について理解し、実践できる。 | 3 | |
実験テーマの内容を理解し、実験・測定結果の妥当性評価や考察等について論理的な説明ができる。 | 3 | |
実験ノートの記述、及び実験レポートの作成の方法を理解し、実践できる。 | 3 | |
グローバリゼーション・異文化多文化理解 | グローバリゼーション・異文化多文化理解 | 世界の歴史、交通・通信の発達から生じる地域間の経済、文化、政治、社会問題を理解し、技術者として、それぞれの国や地域の持続的発展を視野においた、経済的、社会的、環境的な進歩に貢献する資質を持ち、将来技術者の役割、責任と行動について考えることができる。 | 3 | |
専門的能力 | 専門的能力の実質化 | PBL教育 | PBL教育 | 工学が関わっている数々の事象について、自らの専門知識を駆使して、情報を収集することができる。 | 3 | |
集められた情報をもとに、状況を適確に分析することができる。 | 3 | |
与えられた目標を達成するための解決方法を考えることができる。 | 3 | |
状況分析の結果、問題(課題)を明確化することができる。 | 3 | |
各種の発想法や計画立案手法を用いると、課題解決の際、効率的、合理的にプロジェクトを進めることができることを知っている。 | 3 | |
各種の発想法、計画立案手法を用い、より効率的、合理的にプロジェクトを進めることができる。 | 3 | |
分野横断的能力 | 態度・志向性(人間力) | 態度・志向性 | 態度・志向性 | 身内の中で、周囲の状況を改善すべく、自身の能力を発揮できる。
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集団の中で、自身の能力を発揮して、組織の勢いを向上できる。 | 3 | |
日常生活の時間管理、健康管理、金銭管理などができる。常に良い状態を維持するための努力を怠らない。 | 3 | |
ストレスやプレッシャーに対し、自分自身をよく知り、解決を試みる行動をとることができる。日常生活の管理ができるとともに、目標達成のために対処することができる。 | 3 | |
学生であっても社会全体を構成している一員としての意識を持って、行動することができる。 | 3 | |
市民として社会の一員であることを理解し、社会に大きなマイナス影響を及ぼす行為を戒める。人間性・教養、モラルなど、社会的・地球的観点から物事を考えることができる。 | 3 | |
チームワークの必要性・ルール・マナーを理解し、自分の感情の抑制、コントロールをし、他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持つとともに、当事者意識を持ち協調して共同作業・研究をすすめることができる。 | 3 | |
組織やチームの目標や役割を理解し、他者の意見を尊重しながら、適切なコミュニケーションを持つとともに、成果をあげるために役割を超えた行動をとるなど、柔軟性を持った行動をとることができる。 | 3 | |
先にたって行動の模範を示すことができる。口頭などで説明し、他者に対し適切な協調行動を促し、共同作業・研究をすすめことができる。 | 3 | |
目指すべき方向性を示し、先に立って行動の模範を示すことで他者に適切な協調行動を促し、共同作業・研究において、系統的に成果を生み出すことができる。リーダーシップを発揮するために、常に情報収集や相談を怠らず自身の判断力をも磨くことができる。 | 3 | |
法令を理解し遵守する。基本的人権について理解し、他者のおかれている状況を理解することができる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識している。 | 3 | |
法令を理解し遵守する。研究などで使用する、他者のおかれている状況を理解できる。自分が関係している技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を理解し、技術者が社会に負っている責任を認識し、身近で起こる関連した情報や見解の収集に努めるなど、技術の成果が社会に受け入れられるよう行動できる。 | 3 | |
未来の多くの可能性から技術の発展と持続的社会の在り方を理解し、自らのキャリアを考えることができる。 | 3 | |
技術の発展と持続的社会の在り方に関する知識を有し、未来社会を考察することができるとともに、技術の創造や自らのキャリアをデザインすることが考慮できる。 | 3 | |
総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 総合的な学習経験と創造的思考力 | 現実を踏まえ、公衆の健康・安全や文化・社会・環境に配慮すべきことが理解できる。さらに、複合的な工学的課題や、需要に適合したシステム・構成要素・工程の設計に取り組むことができる。 | 3 | |
現実を踏まえ、公衆の健康・安全への配慮、文化的・社会的・環境的な観点に配慮をしつつ、既存の枠にとらわれずに、複合的な工学的課題や、需要に適合したシステム・構成要素・工程を設計することができる。 | 3 | |
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセス理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しなければならないことを理解する。 | 3 | |
クライアントの要求を解決するための設計解を作り出すプロセスを理解し、設計解を創案できる。さらに、創案した設計解が要求を解決するものであるかを評価しデザインすることができる。 | 3 | |