電気回路

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 電気回路
科目番号 1933001 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 西巻正郎 著 『電気回路の基礎』 (森北出版)
担当教員 西原 正継,成清 勝博,山下 泰史

到達目標

(0) 電気回路を理解するために必要な数学的知識を習得できていること.
(1) 直流回路計算の基礎および直流回路網の解析手法や諸定理を理解し,実際に計算できること.
(2) 交流回路計算に必要なフェーザ等を理解し,交流回路網の解析手法や諸定理を理解し,実際に計算できること.
(3) 交流回路の様々な特性を理解し,解析方法や応用例を理解していること.
(4) 過渡現象の基礎を理解し,回路のふるまいを説明できること.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1直流回路網の諸定理(重ね合わせの理,鳳・テブナンの定理,ノートンの定理)を適用して回路網の解析ができる.直流回路網の基本定理(キルヒホッフ則)を利用して回路網の計算ができる直流回路網の基本定理(キルヒホッフ則)を利用して回路網の計算ができない.
評価項目2交流回路網の諸定理(重ね合わせの理,鳳・テブナンの定理,ノートンの定理)を適用して,回路網の解析ができる交流回路網の基本定理(キルヒホッフ則)を利用して回路網の解析ができる交流回路網の基本定理(キルヒホッフ則)を利用した回路の計算ができない
評価項目3交流回路の周波数特性,インピーダンス面,アドミタンス面の基礎を理解している交流回路における回路要素(電気抵抗,インダクタンス,キャパシタンス)の基本的性質を理解し,説明ができる交流回路における回路要素(電気抵抗,インダクタンス,キャパシタンス)の基本的性質が理解できない
評価項目4RLC直列回路における過渡現象の解析と物理現象および応用例について説明ができる.RL直列回路,RC直列回路における基本的な過渡現象の計算ができる.RL直列回路,RC直列回路における過渡現象の計算ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
 本教科の目的は,直流・交流回路の基本的な解析方法の習得である.授業は,単位や物理量の解説や回路計算に必要な数学的教養,直並列回路の計算方法,キルヒホッフ則等の基本的な理論を学習する.次いで交流回路では交流電圧電流の表現方法,回路要素(RLC)の性質やインピーダンスの考え方,複素数表示,フェーザ表示等や計算方法を習得する.以上により,電気回路解析に関する基礎的な専門的知識・技術の習得(知識・技術とその応用)を目指す.さらに,習得した知識や技術を用いて,所望の動作をする電気回路を設計するための基礎的能力を身につけることを目的とする.
 なお,本教科は電気関係の専門的な学習をする上で基礎となる最も重要な教科の一つである.
授業の進め方・方法:
授業は基本的に以下の手順で行う.
1.当日学習する内容について概説し,その関連分野や重要性等について説明しするので,把握しておくこと.
2.次いで当日学ぶ学習内容の達成目標について説明するので,「今日は何が分かればよいのか?」を正しく把握しておくこと.
3.今回の学習内容の前提条件を示すので,これまでの学習内容を思い出すこと.
4.学習内容を伝達するので,それらを正確に理解し,必要に応じてノート等に記すこと.
5.練習課題の解き方を具体的に説明するので,その解法等について正しく理解すること.
6.練習の機会を提供するので,実際に問題を解いてみること.
7.解いた結果を確認して各自にフィードバックを与えるので,問題点を整理し当日の学習内容を正確に理解しているか,確認すること.
8.学習の成果を評価するので,解いた結果等を教員に示すこと.
9.今回の学習内容について,別の視点等から再度解説するので,次回以降の学習のために,今回の学習内容を保持するように努力すること.
注意点:
・授業内容は全て連続しているため,授業の前に事前学習として,それまでの授業内容を理解しておくことが重要である.
・予習として,それまでの授業内容をもう一度自分で学習してから次の授業に臨むこと.
・単に計算技法や法則を覚えるのではなく,電気や磁気の物理現象の意味や本質を理解することが極めて重要である.
・電磁気学の諸現象について図や数式を用いて適切に説明できることが必要である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 直流回路 基礎電気量(電荷,電流,電圧,電力,電力量)を理解している
2週 直流回路 回路要素(電気抵抗,インダクタンス,キャパシタンス)の基本的性質が理解できる
3週 直流回路 直流回路の基本(直並列回路,電源の等価回路,電力の整合等)を理解している
4週 直流回路 直流回路網の計算ができる(直並列回路,Y-Δ変換)
5週 直流回路 直流回路網の計算ができる(直並列回路,Y-Δ変換)
6週 直流回路 直流回路網の基本定理(キルヒホッフ則)を利用して計算ができる
7週 直流回路 直流回路網の基本定理(キルヒホッフ則)を利用して計算ができる
直流回路網の諸定理(重ね合わせの理,鳳・テブナンの定理,ノートンの定理)を利用して回路網の計算ができる
8週 中間試験
2ndQ
9週 直流回路 交流回路網解析に必要な数学的知識を習得している
10週 交流回路 交流回路網解析に必要な数学的知識を習得している
11週 交流回路 正弦波交流について理解している.
12週 交流回路 正弦波交流のフェーザ表示と複素数表示を理解している.
13週 交流回路 交流における回路要素(抵抗,インダクタンス,キャパシタンス)の基本的性質を理解している
14週 交流回路 交流における回路要素(抵抗,インダクタンス,キャパシタンス)の基本的性質を理解している
15週 交流回路 交流における回路要素(抵抗,インダクタンス,キャパシタンス)の基本的性質を理解している
16週 前期末試験
後期
3rdQ
1週 交流回路 2端子回路の直列,並列接続を理解している.
2週 交流回路 2端子回路の直列,並列接続を理解している.
3週 交流回路 交流の電力(有効,無効,皮相電力,力率等)を理解している.
4週 交流回路 交流回路網の基本定理(キルヒホッフ則)を利用して計算ができる
5週 交流回路 交流回路網の諸定理(重ね合わせの理,鳳・テブナンの定理,ノートンの定理)を利用して回路網の計算ができる.
6週 交流回路 電磁誘導結合回路,相互インダクタンスの基礎を理解している.
7週 交流回路 変圧器結合回路の基礎を理解している.
8週 中間試験
4thQ
9週 交流回路 交流回路の周波数特性,インピーダンス面,アドミタンス面の基礎を理解している
10週 過渡現象 直列共振,並列共振,回路のQ値,並列共振インピーダンス等について理解している
11週 過渡現象 過渡現象の基礎を理解している.
12週 過渡現象 回路素子の性質とエネルギーについての基礎を理解している.
13週 過渡現象 回路素子の性質とエネルギーについての基礎を理解している.
14週 過渡現象 RL直列回路,RC直列回路における過渡現象の解析ができる.
15週 過渡現象 RLC直列回路における過渡現象の解析ができる.
16週 学年末試験

評価割合

試験レポート・課題相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70300000100
基礎的能力2010000030
専門的能力5020000070
分野横断的能力0000000