到達目標
(1) 電子の基本的な性質と、真空中または原子中における電子の振る舞いを説明できる。
(2) 半導体のエネルギーバンドおよびキャリアのエネルギー・密度について説明できる。
(3) 電子エネルギーに基づき基本的な電子デバイスの動作について説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 真空中または原子中の電子の基本的性質について、定性的・定量的に説明することができ、物理的振る舞いと数式を対応づけて考えることができる。 | 真空中または原子中の電子の基本的性質について、定性的に説明することができ、式を用いた計算をすることができる。 | 真空中または原子中の電子の基本的性質について、定性的に説明することができない。 |
評価項目2 | 半導体のエネルギーバンドおよびキャリアのエネルギー・密度等について、定性的・定量的に説明することができ、物理的振る舞いと数式を対応づけて考えることができる。 | 半導体のエネルギーバンドおよびキャリアのエネルギー・密度等について、定性的に説明することができ、式を用いた計算をすることができる。 | 半導体のエネルギーバンドおよびキャリアのエネルギー・密度等について、定性的に説明することができない。 |
評価項目3 | 電子デバイスの基本的性質について、定性的・定量的に説明することができ、物理的振る舞いと数式を対応づけて考えることができる。 | 電子デバイスの基本的性質について、定性的に説明することができ、式を用いた計算をすることができる。 | 電子デバイスの基本的性質について、定性的に説明することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
電子工学分野では、電子回路を設計あるいは運用するために必要な電子デバイスに関する「真空中・原子中の電子」「固体内の電子のエネルギー・密度」「電子デバイス」の基礎知識を修得することを目標とする。
授業の進め方・方法:
(1) 今後学ぶ電子回路や電子回路設計の基礎となる科目であるから、本科目の学習内容をしっかりと身に付ける必要がある。
(2) 学習内容の定着には、日々の予習復習が不可欠である。教科書・参考書などを活用して主体的に学習すること。
(3) 復習のための課題にはすみやかに取り組み、理解できないことは授業内外を問わず、積極的に質問すること。
注意点:
授業の属性・履修上の区分
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
真空中の電子 |
電子とその性質を理解できる。
|
2週 |
真空中の電子 |
平行平板電極を通過する電子の振る舞いを理解できる。
|
3週 |
真空中の電子 |
磁界中の電子の運動を理解し、計算できる。
|
4週 |
真空中の電子 |
光電効果を理解できる。
|
5週 |
真空中の電子 |
電子の物質波を理解できる。
|
6週 |
真空中の電子 |
真空中の電子を用いた機器の動作を理解し、計算できる。
|
7週 |
中間試験 |
中間試験
|
8週 |
原子中の電子 |
水素原子発光スペクトルの式の意味を理解できる。
|
2ndQ |
9週 |
原子中の電子 |
ボーアの原子モデルにおいて、モデルの意味や条件を理解できる。
|
10週 |
原子中の電子 |
モデルの条件から発光スペクトルの導出を理解できる。
|
11週 |
原子中の電子 |
水素原子の発光スペクトルの式と電子の軌道の遷移の対比が理解できる。
|
12週 |
原子中の電子 |
量子数とパウリの排他原理を理解できる。
|
13週 |
固体中の電子 |
ゾンマーフェルトのモデルの状況が理解できる。
|
14週 |
固体中の電子 |
固体中の電子の存在確率の導出方法が理解できる。
|
15週 |
固体中の電子 |
電子のエネルギーと存在確率が理解できる。
|
16週 |
前期末試験答案返却・ 解説 |
|
後期 |
3rdQ |
1週 |
半導体のエネルギーバンド |
エネルギーバンドが形成されることが理解できる。
|
2週 |
半導体のエネルギーバンド |
半導体のエネルギーバンドについて、伝導帯、価電子帯、禁制帯が理解できる。
|
3週 |
半導体のエネルギーバンド |
エネルギーバンドにおける電子と正孔の存在が理解できる。
|
4週 |
半導体のエネルギーバンド |
半導体の不純物と半導体の型について理解できる。
|
5週 |
半導体のエネルギーバンド |
半導体中の電子状態密度を理解し、計算できる。
|
6週 |
半導体のエネルギーバンド |
半導体中のキャリア密度を理解し、計算できる。
|
7週 |
中間試験 |
中間試験
|
8週 |
PN接合ダイオード |
PN接合における解散電位と空乏層が理解できる。
|
4thQ |
9週 |
PN接合ダイオード |
PN接合ダイオードの整流作用が理解できる。
|
10週 |
PN接合ダイオード |
PN接合ダイオードの整流作用がバンド図と状態密度を用いて理解できる。
|
11週 |
PN接合ダイオード |
PN接合ダイオードの電流電圧特性が理解できる。
|
12週 |
バイポーラトランジスタ |
バイポーラトランジスタの構造と原理が理解できる。
|
13週 |
バイポーラトランジスタ |
バイポーラトランジスタのバンド図が理解できる。
|
14週 |
バイポーラトランジスタ |
バイポーラトランジスタの電圧電流特性をバンド図を用いて理解できる。
|
15週 |
バイポーラトランジスタ |
バイポーラ特性の諸特性について理解できる。
|
16週 |
学年末試験答案返却・解説 |
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 電気・電子系分野 | 電子工学 | 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。 | 3 | 前1,前2 |
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。 | 3 | 前1,前2 |
原子の構造を説明できる。 | 3 | 前8,前9,前10,前11 |
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。 | 3 | 前12,前13,前14,前15 |
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 3 | 後1,後2,後3 |
真性半導体と不純物半導体を説明できる。 | 3 | 後4 |
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。 | 3 | 後5,後6 |
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。 | 3 | 後8,後9,後10,後11 |
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。 | 3 | 後12,後13,後14,後15 |
評価割合
| 試験 | レポート | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 30 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 40 |
専門的能力 | 40 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 60 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |