通信工学

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 通信工学
科目番号 1953010 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 (参考書)米田正明「電話はなぜつながるのか」(日経BP社)/中嶋信生 他「携帯電話はなぜつながるのか」(日経BP社)
担当教員 浜崎 淳

到達目標

(1) 固定電話における通信手順の概略を説明できる.
(2) 携帯電話における通信手順の概略を説明できる.
(3) 多重化・変調・誤り訂正の概略を説明できる.
(4) 移動端末特有の工夫を説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1固定電話における通信手順の詳細を説明できる.固定電話における通信手順の概略を説明できる.固定電話における通信手順の概略を説明できない.
評価項目2携帯電話における通信手順の詳細を説明できる.携帯電話における通信手順の概略を説明できる.携帯電話における通信手順の概略を説明できない.
評価項目3多重化・変調・誤り訂正の詳細を説明できる.多重化・変調・誤り訂正の概略を説明できる.多重化・変調・誤り訂正の概略を説明できない.
評価項目4移動端末特有の工夫を詳細に説明できる.移動端末特有の工夫を説明できる.移動端末特有の工夫を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
(1) 社会的なインフラである電話という通信を題材として,通信工学に関する知識・技術を習得し,それを実際に活用できること.
(2) 一般的な固定電話(加入電話)と携帯電話の通信について学修する.
授業の進め方・方法:
(1) 授業終了後に授業の板書に相当するノートを公開し,各自が適宜復習できるようにする.
(2) 基本的には教科書に沿って準備を進めるが,時間的制限のため、順序を変えたり省略したりすることがある.
(3) 学習内容についてわからないことがあれば,積極的に質問すること.
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電話の基本 加入電話の全体像の概略を説明できる.
2週 音声が伝わる仕組み 音声を電気信号に変換し,回線に信号を伝送する仕組みを説明できる.
3週 電話局 電話局と加入者間の配線について説明できる.
4週 電話交換機(1) 電話機・ダイヤル回線・電話番号の仕組みを説明できる.
5週 電話交換機(2) 電話交換機間の通信の概略を説明できる.
6週 電話交換機(3) 電話交換期間の通信に使われるフレーム・再送制御・メッセージフォーマットを説明できる.
7週 電話交換機(4) 交換機に必要なBORSCHT機能を説明できる.
8週 電話交換機(5) 電話発信側から電話着信側までの通話線の開通について説明できる.
2ndQ
9週 音声のディジタル化 音声のディジタル化における標本化,量子化を説明できる.
10週 PCM・通信速度・多重化 PCMによる量子化・通信速度・時分割多重を説明できる.
11週 電話交換機のスイッチ 交換機内の時間スイッチと空間スイッチを説明できる.
12週 通話の切断 通話切断時の交換機間のメッセージの交換を説明できる.
13週 電波とアンテナ 電波の周波数による分類・アンテナの指向性・無指向性について説明できる.
14週 変調 振幅変調・周波数変調・位相変調をアナログ信号とディジタル信号について説明できる.
15週 期末試験答案返却・解説
16週 直交振幅変調・復調・電波特有の現象 直交振幅変調の仕組みと復調の仕組み,電波特有のフェージング・干渉・ダイバーシティを説明できる.(了)
後期
3rdQ
1週 携帯電話の基本(1) 携帯電話網の全体の概略を説明できる.
2週 携帯電話の基本(2) 端末が移動することへの対応・考慮するべきことを説明できる.
3週 携帯電話端末と無線基地局 携帯電話端末の内部構成と無線基地局の構成を説明できる.
4週 端末と基地局の無線通信(1) 携帯電話の無線通信で使われるアンテナ技術・変調・復調・周波数帯域を説明できる.
5週 端末と基地局の無線通信(2) 電波の反射・回折・フェージング,ダイバーシティを説明できる.
6週 端末と基地局の無線通信(3) 誤り訂正・多重化・CDMA方式を説明できる.
7週 CDMA方式(1) スペクトル拡散・直交コード・スクラブリングコードを説明できる.
8週 CDMA方式(2) 拡散利得・Rake受信・セルサーチ・間欠受信を説明できる.
4thQ
9週 コアネットワーク(1) 携帯電話端末間の発着信動作の概要を説明できる.
10週 コアネットワーク(2) 携帯電話端末間の発着信動作の詳細を説明できる.
11週 コアネットワーク(3) 携帯電話端と固定電話間の発着信動作の詳細を説明できる.
12週 携帯電話の音声通信とデータ通信 携帯電話における音声通信とデータ通信の違いを説明できる.
13週 衝突制御 衝突制御の必要性とその制御方法を説明できる.
14週 通信速度の高速化 通信速度の高速化とトレードオフを説明できる.
15週 HSPA・誤り訂正・音声通信とデータ通信の共存 HSPAの変調方式・誤り訂正,音声通信とデータ通信の共存の工夫を説明できる.
16週 学年末試験

評価割合

試験レポート・課題発表その他合計
総合評価割合100000100
基礎的能力00000
専門的能力100000100
分野横断的能力00000