熱流体工学

科目基礎情報

学校 広島商船高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 熱流体工学
科目番号 0024 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子制御工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 吉田 哲哉

到達目標

(1)熱力学の基礎的な知識を理解させる。
(2)熱力学第2法則が関わる事象と、熱力学第2法則によって何がもたらされているのかを理解させる。
(3)熱エネルギーの量的評価のみならず質的評価を理解させ、省エネルギーについて幅広い見方が出来るようにする。
(4))往復式内燃機関、蒸気タービン、ガスタービン、冷凍装置、ヒートポンプ等の熱プラントについて理解させる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱、温度、仕事、エネルギー、系といった熱力学の基本を理解すると共に熱と社会の関わりについて説明できる。熱、温度、仕事、エネルギー、系といった熱力学の基本を理解すると共に熱と社会の関わりについて理解出来る。熱、温度、仕事、エネルギー、系といった熱力学の基本を理解すると共に熱と社会の関わりについて理解出来ない。
評価項目2熱力学第2法則を理解しエンタルピー、エントロピー、エクセルギーが説明できる。熱力学第2法則を理解しエンタルピー、エントロピー、エクセルギーが理解できる。熱力学第2法則を理解しエンタルピー、エントロピー、エクセルギーが理解できない。
評価項目3熱エネルギーについてエンタルピーによる量的評価及びエントロピーによる質的評価を行う事が出来る。熱エネルギーについてエンタルピーによる量的評価及びエントロピーによる質的評価を行う事が出来る。熱エネルギーについてエンタルピーによる量的評価及びエントロピーによる質的評価を行う事が出来ない。
評価項目4サイクルにより熱を仕事に変換するという熱力学を説明できる。サイクルにより熱を仕事に変換するという熱力学を理解出来る。サイクルにより熱を仕事に変換するという熱力学を理解出来ない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
蒸気機関の実用化と性能向上への取り組みが、熱力学を発展させるきっかけになった歴史からもわかるように、熱力学は、ものつくりを指向する工学と深く結びついている。熱力学の法則から逸脱した技術が成立することはない。本授業においては、熱流体を用いた熱機関やプラントの制御に必要な熱力学、伝熱工学、冷凍機、内燃機関など機械工学上必要な知識を習得させる。
授業の進め方・方法:
電子制御工学の知識や技術より幅広く利用できるようになるように、熱や仕事などの物理量を数値として求め、具体的な事例に基ずいた練習問題を多く取り入れている。
注意点:
(1)ノートを整理し、配布した資料を必ず授業時に持参すること。
(2)講義、試験には電卓を持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1. 熱力学とその意義 1-(1)熱力学とは
1-(2)熱力学を学ぶ意義
2週 2.熱力学における諸量と単位 2-(1)温度、圧力、密度の理解
3週 2.熱力学における諸量と単位 2-(2)エネルギーとパワー、比熱と熱容量の理解
4週 2.熱力学における諸量と単位 2-(3)状態量、単位系の理解
5週 3.熱力学第1法則 3-(1)エネルギー保存則、内部エネルギーの理解
6週 3.熱力学第1法則 3-(2)エンタルピー、工業仕事と絶対仕事の理解
7週 3.熱力学第1法則 3-(3)理想気体の状態量と状態式の理解
8週 3.熱力学第1法則 3-(4)等温変化、等圧変化、等積変化、ポリトロープ変化の理解
2ndQ
9週 4.熱力学第2法則 4-(1)可逆変化と不可逆変化の理解
10週 4.熱力学第2法則 4-(2)カルノーサイクルの理解
11週 4.熱力学第2法則 4-(3)エントロピーの生成量と不可逆変化の理解
12週 4.熱力学第2法則 4-(4)エクセルギーによるエネルギーの質と量の理解
13週 5.内燃機関 5-(1)内燃機関の仕組みの理解
14週 5.内燃機関 5-(2)熱機関のサイクルの理想化の理解
15週 5.内燃機関 5-(3)ディーゼルサイクルの理解
16週 前期末試験答案返却・解説
後期
3rdQ
1週 5.内燃機関 5-(4)ブレイトンサイクルの理解
2週 5.内燃機関 5-(5)オットーサイクルの理解
3週 6.蒸気原動機 6-(1)蒸気の性質の理解
4週 6.蒸気原動機 6-(2)水の状態変化、水蒸気の状態量、蒸気線図の理解
5週 6.蒸気原動機 6-(3)ランキンサイクルの理解
6週 6.蒸気原動機 6-(4)作動流体の循環とネルギー収支の理解
7週 6.蒸気原動機 6-(5)蒸気プラントの熱収支の理解
8週 6.蒸気原動機 6-(6)コンバインドサイクルの理解
4thQ
9週 7.ヒートポンプ 7-(1)ヒートポンプと冷凍機の比較の理解
10週 7.ヒートポンプ 7-(2)可逆断熱膨張の理解
11週 7.ヒートポンプ 7-(3)逆カルノーサイクルの理解
12週 7.ヒートポンプ 7-(4)蒸気圧縮冷凍サイクルの理解
13週 7.ヒートポンプ 7-(5)吸収冷凍サイクルに理解
14週 8.空気調和 8-(1)湿度の理解
15週 8.空気調和 8-(2)湿り空気の加熱と冷却
16週 学年末試験答案返却・解説

評価割合

定期試験小テストレポート発表成果品・実技その他合計
総合評価割合702010000100
基礎的能力0000000
専門的能力702010000100
分野横断的能力0000000